57 / 99
「透明人間だった」自爆テロをくらう。
中学生のある時。
毎日目が合う女の子がいた。
・・・気がつくと彼女がボクを見ていた。
彼女はクラスでも人気の女の子だった。・・・もちろんテニス部。
たぶん、どこの学校も、テニス部というのは人気女子が集まるんだろう。
ボクはドキドキしてしまった。
・・・・ひょっとして・・・ひょっとするのか???
ある時、下駄箱に手紙が入っていた。
「好きな人はいるんですか?」
・・・・これが、これが、噂に聞く「下駄箱の手紙か!!!???」
初めての経験で、すっかり舞い上がった。
・・・・当然、いつも目が合うテニス部女子を思い出した。
あまりにタイミングができすぎていた。
すっかり、あのテニス部女子だと思い込んだ。
返事に、テニス部女子が好きだと書いた。
ボクは気を効かせたつもりで書いた。
ボクの本当に好きな女の子は他にいた。
テニス部女子のことはなんとも思っていなかった。
・・・・ならば、そんなウソをつく必要はない。その通りだ。
しかし、学校の人気者女子に好かれて悪い気がするはずはない・・・もちろんテニス部女子が可愛いとは思っている。
ボクは、容姿で女の子を好きになることはない・・・ボクが好きになるのは・・・なんだか、ちょっと変わったというか・・・言葉は悪いけど、マニアックな女の子が多かった。
だから「学校No1美少女」なんて娘を好きなることはなかった。
・・・しかし、それは予防線を張ってる意味もある。
「学校美少女No1」に恋したとて、そんなものは成就するはずがない。・・・そんなのはテレビで見るアイドルに恋するのと同じだ。・・・1%も成就する可能性のない恋など不毛なだけだ。
テレビで見るアイドルならまだしも、リアルな身近なアイドルに恋をすれば「失恋」の可能性しかありえない。
「それは嫌だ」
そんな予防線から「学校美少女No1」とかの女の子を避けていたのかもしれない。
・・・・だから、もし、手紙の主が「テニス部女子」であったなら、スクールカースト最上位のテニス部女子と付きあえるのであれば、それは嬉しいに決まっている。
ボクは、舞い上がって「ボクも君が好きだ」の意味を込めて返事をした。
・・・つまらん見栄からのウソだった。
・・・・しかし、オチは最悪だった。
手紙を入れてきたのは、全く別の女の子だった。
・・・ただ、その女子とテニス部女子が仲が良く、相談に乗っていたのだった。
それでチラチラとボクを見ていたってわけだった。
すぐにクラス全体に知れ渡った。・・・少なくとも女子には全員もれなく。
・・・ボクがテニス部女子を好きだと。
とんだ濡れ衣のようなものだった。
だからといって釈明するわけにもいかず、ボクはただ沈黙した。
ひたすら嵐が収まるのを待った。
・・・・告白してきた女子と付きあわないのか・・・??
告白してきたのはお化けのような女子だった。
学校でひとりはいる「クソブス」って女だった。
・・・誰が呼んだか「ワカメちゃんカットゴリラ」・・・確かに的確な表現だった。
さっきも言ったが、恋愛は相手を選ぶ。
必ず、同じカーストの中で相手を選ぶ。・・・成功、成就する可能性を無意識で選ぶからだ。
恋愛で、見果てぬ夢を追う生徒はいない。
・・・ボクは、学校イチの「クソブス」に成就する可能性があると判断された生徒だったわけだ。
しかも、どこでどう話が転がったのか・・・
ボクは「テニス部女子」が好きで「クソブス」を振った。
という話になっていた。
・・・そして、フラれたクソブスが可愛そう・・・
ん?・・・なんでそうなる?
まるで自爆テロにあったようなボクには、それ以来「針の筵」の日々が待っていた。
ボクは、透明人間に徹した。
嵐の治まるのをひたすら待った。必死で耐えた。
学年が変わって、嵐も沈静化していった・・・
・・・そこに、また、前回と同じように目と目が合う女の子が登場する・・・しかもまた「テニス部女子」だった。
その「テニス部女子」は、やたらとボクに優しかった。嵐の中を必死に耐えてきた中で、ボクには彼女が女神に見えた。
懐くようにボクは恋をした。
いくつかの段階を経て、ボクは彼女の気持ちを確かめたと思った。
前回の轍は踏むまい・・・何度も何度も確かめた・・・つもりだった。
一世一代の告白をした。
あっさりとフラれた。
・・・全ては、たんなる彼女の優しさでしかなかった。
嵐の中の学校生活を送っているボクへのいたわりでしかなかった。勘違いでしかなかった。
・・・・しかも、さらに激しいオチがついた・・・
すぐに彼女は、野球部のエースと交際を始めてしまった。
そのタイミングの良さに、ボクのドン・キホーテぶりが際立った。
・・・ボクは、また透明人間に戻った・・・
しかし、今度は、戻らせてくれなかった。
「身の程知らずの阿呆」として、徹底的な虐めを喰らってしまった。
これで、女子だけでなく男子も敵に回してしまった。
しかも、学校を牛耳る「野球部」と「テニス部」が見事にタッグを組んでいた。
スクールカーストの華麗なる人々のやる「虐め」に、その他大勢のエキストラは従わざるを得ない・・・・いや、人間は、自分より下のカーストを喜んで見下す。
虐める。
虐げる。
その行為が自らのアイデンティティだ。
・・・・毎日繰り返される牢獄に、よくよく自分が「最下層」なんだと思い知らされた。
心の奥底に刻まれた。
ボクの恋愛偏差値は低い。
あまりに嫌な経験を繰り返した。
自分の容姿、全てにコンプレックスを抱いた。
・・・・そのボクに組み敷かれて、スクールカースト最上位だったろう亜貴が鳴き声を上げていた・・・
「鳴き貌」すらが美しかった・・・
「東日本大震災」
極限状況の中。
命ギリギリの日々の中。
夢のような出来事が起こってしまったんだった・・・
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。