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女神ニンファの世界

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 気が付くと、樹は、真っ白な空間の中に全裸でいた。
 そこはまるで来い霧の中の様で、上下の間隔もない。
「何処だ……? ここは……」と、思わず言葉を漏らす。
「ここは冥府の世界の入り口です…」と、その問いに答える美しい声が聞こえてきた。
 その声に顔を向けると、白い空間から薄着の半裸の女性が現れた。
「我が名はニンファ…、これから貴方が旅立つ世界を統べる神の一人です…」
 上品で、どこか奥ゆかしい感じの口調で登場した、美しくグラマラスな身体の女性が現れた。
 ニンファが着ているドレスは、生地は薄くて胸元が大きく割れ、腰からのラインは、下腹部の上からスリットが入っている。特に胸は、薄手の生地から薄く見える、放漫なおっぱいの、これまた魅惑的なピンク色の乳輪を見せていた。そして、腰の上から入っているスリットから察するに、女神ニンファの恰好は、明らかにノーパンノーブラであった。
 そんなニンファの扇情的な姿に、自身の具足がたちまち屹立するのを自覚する樹は、恥ずかしさの余りに、慌てて両手で隠そうとするが、もう完全に怒張している姿の息子は、自身の両手ですら隠しきれていなかった。
「ふふっ…、恥ずかしがらなくて良いのですよ樹。これでも私はこの世界で、美と愛と豊穣と生命を司る女神。貴方が私の美しさに触れて、その様な状態になるのは無理からぬ事なのですから…」
 と、優雅に微笑んで見せる女神ニンファだが、今でこそ美と愛と豊穣と生命の女神であるが、それ以前の神格が低かった頃の千年以上も前は、『神』の中でも最下層の『色欲』の女神であったのだ、それから弛まぬ功徳を積んで、自身の神格をランクアップさせたのだ。
 そんな彼女は、樹の一物を見て、これから自身が味わう快楽の想像をする。
『人間のクセになんて凄い一物なのこんな凄いの御目に掛かるのなんてもしかして初めてかもしれない色んな男神とセックスしたけどこんな凄いモノは見た事ないわぁああぁぁぁっ最後にセックスしたのは500年くらい前かしら?嗚呼っアソコがうずくうぅぅっ』
 そんな下品な気持ちを隠し、優雅な笑顔を保ちながら、ニンファは続けて言う。
「普通は、どの様な死に方であっても、その魂は冥府へと昇華され、輪廻の輪に加わり、新たな生命として生まれ変わるのですが、私はこれから貴方を、地球とは、日本とは違う異世界に転移させようと思っています…。その理由は、貴方が私の司る世界を変えてくれる才を感じたからです…。ですが、今そんな状態の貴方を転移させると、貴方自身にも色々な問題が生じると思うのです…。そこで……」
 ニンファは内心ニンマリと笑いながら…、優雅に微笑みを浮かべ……。
「この私が、貴方のその劣情を鎮めてあげまず。貴方の気の済むまでね……」
「イヒッ…、フヒヒヒヒッ……、気の済むまで……。本当にいいんですか?」
「構いませんよ? 神である私は、人間である貴方の劣情をどんなに受け止めようとも、決して子を成す事はありませんし、何より、快楽に溺れる事はありませんから。貴方が満足するまで付き合いますよ?」
 そう言いながら、樹の首に腕を回しながら、チュッと優しいキスをする。樹の身体に電流が走る。
「ふふふっ…。どうかしら? ファーストキスを女神に奪われた感想は……?」
 悪戯な笑みを浮かべながら言うニンファ。その質問に「デュフフ……」とキモい笑いで応える樹。
「今度はもっと凄いキスをするわよ樹。お互いに貪るように舌を絡め合う、とっても濃厚なキスを……」
 言いながら、ニンファは自分の舌を樹に絡める。それに呼応して樹も貪るように舌を絡める。
「んっ……!!??」
 ニンファは、そのディープキスの段階で気付くべきだった。樹が規格外の人間である事に……。
 樹の舌は、ニンファの胃の入り口まで侵入してきた。そのディープキスは、ニンファにとっては想定外の事であった。
 樹の肉体は、生前の頃から、規格外の身体であったのだ。樹が本気で舌を伸ばせば、優に30㎝以上に及ぶ。
 そのキスはまるで、ニンファにとっては、口内を奥まで犯されている様な感覚で会った。
 んふーんふーと鼻で呼吸をするニンファだが、女神である自身の立場を考慮した場合、人間如きの樹に、快楽で負ける訳にはいかないのだ! …いかないのだが、樹が与える、これまで味わった事のない快楽に、キスだけでイキそうになるニンファ。膝から崩れ落ちそうになるのを、女神としてのプライドでそれに耐える。
 そして、ニンファの口内を十分に堪能した樹の舌は、首筋を舐り、彼女の乳房を舐り、下腹部に達した。
 ニンファの想定では、最初にディープキスでメロメロにして、樹を下にして倒して、自分が上に乗り、弄んで楽しむつもりでいた……。だがその目論見は、樹の規格外の身体的特徴によって、あっさりと逆転してしまった。
「はうっ!」と悲鳴に似た嬌声を上げるニンファ。
 樹の舌先が、ニンファのニンファにいきなり侵入し、その奥にある子宮口を舐め上げた。
 完全に樹の下になってしまったニンファは、樹の舌が齎す快楽に、身を委ねていた、そしてその体制は、これからニンファが、自身が予想だにしない快楽を、地獄の様に嫌と言う程味わう姿勢でもあった……。
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