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これを機に全ての処刑をこの雄牛を使って、毎日必ず一回は実行することにして、軽い罪であろうと無実の罪であろうとも関係なく男性女性に子供までが雄牛の中で焼き尽くされ、罪人だけではなく命令に背いたり、使えない部下や兵士を捕らえてはその雄牛に放り込んだ。
雄牛の処刑が実行される時が来ると王は必ず同席して、処刑された人間の骨で作られたブレスレットを身に着け、ワインを飲みながら大きいイスに座り、じっくりと眺めて快楽を得る日々を送り続けていた。もはや王は狂人どころか人間をやめて悪魔へと変貌しようとしているのである。
だが、そんな日々は突然終わり告げる。
クーデターが起きたのだ。王の暴走した政治と欲望に民や部下は不満を持ち、それが蜂起軍へとなって反乱を起こし見事に勝利を得たのである。
敗れた王は失脚して逃げ隠れるがやがて蜂起軍に捕らえられ、そして今王の処刑が実行されるのだ。あの大きな身体と残虐な悪魔の姿だった王は、酷く痩せ細り、まるで廃人のような顔へと変わっており、手縄をかけられて小さくゆっくりと歩く。
見物に来た大衆からは罵声を浴びせられ石を投げられようとも、顔一つ変えることなくただ正気を吸い取られた姿で処刑場へと向かう。
そして処刑場へ着くとそこにはあの雄牛が置かれている。それはかつて王が何百人も殺したあの処刑道具に今度は自らが雄牛に処刑されるという皮肉な罰を受けるのだ。だがそれでも王は怯えずただその前で止まりだす。
執行人が王子の扉を開けて、王を中と入らせると王は抵抗すらせずに従って自ら入り扉を閉めると、中は何も見えない闇に包まれて、執行人が扉の鍵をかける。すると王の耳元から声が聞こえた。
「ファラリス様……」
それはペリロスであった。眼球が落ちて皮膚が溶け、炎に包まれて苦しむペリロスが真横に現れたのだ。
「ペリロスか………」
「ファラリス様……熱いよ……苦しい……」
さっきまで正気を失った姿は一気に恐怖へと変わり、怯えて大きく叫ぶ。
「ペリロスを許してくれ、許してくれ!」
「助けて……助けて…………」
「ごめんなさい!許してください!」
するとペリロスの他に無惨な姿の人間達が次々と現れる。それは雄牛で処刑された罪人や民と部下、兵士達でファラリスの周りを囲み、苦しみ叫びだすのだった。
「熱いよ……熱いよ……」
「助けて……助けて……」
「いやぁぁぁぁぁーーー!」
「ギャァァァァァーーー!」
まるで地獄のような光景にファラリスははらひ恐怖に陥る。
「死にたくない!助けてくれ!」
必死に中の壁を叩いて命乞いをするが当然助けてもらえず、処刑された者達が次々とファラリスに現れては近づいてくるのである。
身体中に大火傷だらけの姿、皮膚が溶けた姿、黒い骨だけの姿などがファラリスの身体にしがみついて喘ぎだす。
「ギャァァァー!ヴヴヴ…………」
ファラリスは泣きながら半狂乱になって叫ぶ。
「許してくれ、死にたくないよ!」
「ウワァァァァァーーー!」
執行人が腹の下の薪に火を付ける。
雄牛は黄金色へと変わり、ただ牛のうなり声だけが聞こえていた。
終
雄牛の処刑が実行される時が来ると王は必ず同席して、処刑された人間の骨で作られたブレスレットを身に着け、ワインを飲みながら大きいイスに座り、じっくりと眺めて快楽を得る日々を送り続けていた。もはや王は狂人どころか人間をやめて悪魔へと変貌しようとしているのである。
だが、そんな日々は突然終わり告げる。
クーデターが起きたのだ。王の暴走した政治と欲望に民や部下は不満を持ち、それが蜂起軍へとなって反乱を起こし見事に勝利を得たのである。
敗れた王は失脚して逃げ隠れるがやがて蜂起軍に捕らえられ、そして今王の処刑が実行されるのだ。あの大きな身体と残虐な悪魔の姿だった王は、酷く痩せ細り、まるで廃人のような顔へと変わっており、手縄をかけられて小さくゆっくりと歩く。
見物に来た大衆からは罵声を浴びせられ石を投げられようとも、顔一つ変えることなくただ正気を吸い取られた姿で処刑場へと向かう。
そして処刑場へ着くとそこにはあの雄牛が置かれている。それはかつて王が何百人も殺したあの処刑道具に今度は自らが雄牛に処刑されるという皮肉な罰を受けるのだ。だがそれでも王は怯えずただその前で止まりだす。
執行人が王子の扉を開けて、王を中と入らせると王は抵抗すらせずに従って自ら入り扉を閉めると、中は何も見えない闇に包まれて、執行人が扉の鍵をかける。すると王の耳元から声が聞こえた。
「ファラリス様……」
それはペリロスであった。眼球が落ちて皮膚が溶け、炎に包まれて苦しむペリロスが真横に現れたのだ。
「ペリロスか………」
「ファラリス様……熱いよ……苦しい……」
さっきまで正気を失った姿は一気に恐怖へと変わり、怯えて大きく叫ぶ。
「ペリロスを許してくれ、許してくれ!」
「助けて……助けて…………」
「ごめんなさい!許してください!」
するとペリロスの他に無惨な姿の人間達が次々と現れる。それは雄牛で処刑された罪人や民と部下、兵士達でファラリスの周りを囲み、苦しみ叫びだすのだった。
「熱いよ……熱いよ……」
「助けて……助けて……」
「いやぁぁぁぁぁーーー!」
「ギャァァァァァーーー!」
まるで地獄のような光景にファラリスははらひ恐怖に陥る。
「死にたくない!助けてくれ!」
必死に中の壁を叩いて命乞いをするが当然助けてもらえず、処刑された者達が次々とファラリスに現れては近づいてくるのである。
身体中に大火傷だらけの姿、皮膚が溶けた姿、黒い骨だけの姿などがファラリスの身体にしがみついて喘ぎだす。
「ギャァァァー!ヴヴヴ…………」
ファラリスは泣きながら半狂乱になって叫ぶ。
「許してくれ、死にたくないよ!」
「ウワァァァァァーーー!」
執行人が腹の下の薪に火を付ける。
雄牛は黄金色へと変わり、ただ牛のうなり声だけが聞こえていた。
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