ハラスメントオーバー

なたり

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言霊

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「ゃだ、っそこもうやだぁッ」
「ここ好き?」
「ちが、ッ~~」
「言えよ弘通」

最近弘通は思うことがある。

「好きぃ……っ、そこ、気持ちぃ、ぁんッ」
「ん……、これは?」
「ぉッ、!ん……あ、ぁぁっ」

「好き?弘通」
「好き……っ」

矢弘が好きと言わせてくる。

何の羞恥プレイなんだろう。
初めは抗っていたが言うまで責めてくるのでもはや言い慣れた。

だけど言い慣れたら不味い。
好きと言う度にまるで矢弘に告白しているかのような錯覚に陥る。

俺はコイツのことが好きなのだと勘違いしそうになる。
実際は逆なのに。
……いや、もう嫌いではないか。
だけど友達だと思うのはあまりしっくりこないというか、セフレというのもなんか違うような……

俺はコイツのことをどう思っているんだろう。
コイツの方は面白がってるんだろうけど、俺のことは今も嫌いなんだろうか。
それか友達と思ってる?セフレ?


「お前は、?」

うわ言のように訊いた。
矢弘の目が揺れた。
弘通はぼんやりと、俺もしかして変なこと聞いたか、と考えた。


矢弘の舌がその唇を舐めて、キスだと悟った。

弘通が舌を差し出すと矢弘は喉を鳴らして目を細める。
舌を絡めて口付ける。
正常位で両手を繋いでキスをして、全部くっついている。
なのに、矢弘はそれ以上に深く口付ける。
目を閉じてキスに集中する弘通の蕩けた顔をちゃんと視姦しながら、ぐるぐると胸の奥に燻る欲を滲ませた。


弘通はキスをしながら、もしまだ嫌われてたら、少しショックかもしれないと思った。
自分はこの男に散々振り回されて変えられたのに、こいつはずっと変わらないままなんて。
悔しい、と、それだけじゃなかった。
友達もセフレも俺からしたら違うけど、俺にとってコイツは誰とも違うけど、

矢弘はいつも余裕な顔をする。
弘通を馬鹿にして嘲て、微笑んで、いつも丁寧に弘通に触る。
囁く声はいつも愉しそうで、俺はそれに馬鹿になるのに。

勝負はまだ続いているんだろうか。
いつ俺は負けを認めるんだろう。
強引に俺を犯して、キスをして、心の中にまで入ってきて。
「俺以外の男とヤるつもりある?」と聞かれた時、想像して鳥肌が立ったんだぞ。


俺が許すのはお前だけで、お前が触れるのは俺だけなら。
こんな風にキスをするのも、見つめるのも、俺だけなら。
お前にも俺と同じくらい駄目になってほしいのに。


気づいたら頬が濡れていた。
矢弘は唇を離して目や涙の筋にキスをする。
困った顔をする弘通の瞳を見て、また唇を塞いだ。




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