【BL】こいつのせいで狂いっぱなし。溺愛してるケモ耳少年がゆうこと聞かなくて困ってます。

あっ ふーこ賦夘

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なにゆえ女装?十二単でフルムーン

第25話 望月丸殿、お助けをー!

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25

 ヘビのような目をさらに細くして颯欄そらん(颯太)、とゆう獲物えものに狙いを定める毒長。

「徳長(毒長)さまおやめ下さいっ。」

 こんな人、本気を出せばなんてことないけど・・・。

「はっ、そなた・・・。」

 服の上から触るこの感触かんしょくは・・・。
男?

  だが・・・。
 美しい。

 もう、男であろうと女であろうと、わたしの欲望よくぼうをとめることはできないのだ♥️

「ふふ、美少年も悪くない。」

  ぞわっーー!!

 もう我慢がまんの限界!!

 その時、だれも近づかないはずのふすまの向こうから人の気配けはいが。

「颯太くんこの手の人間は怖い目にあうのが一番。」

「颯太。気にするな。」

  瑞潤みすずさん。
 天慶てんけいさま!来てくれてたんだ!!

「おまえは!またしても望月丸!」

 暗がりに白く浮かぶ天慶てんけいさまの顔と望月丸の顔を見間違みまちがえる毒長。

 この時、天慶てんけいさまの顔を知らない毒長には、あの時同様どうように邪魔をするものの顔が望月丸にみえたのかもしれない。

「はっ?」

 この人、天慶てんけいと望月丸くんを間違えてる?
 いや、それはそれで・・・。

「颯太???」

 颯欄そらんの顔をまじまじとみる毒長。

「オレは」

 ばっと、天慶てんけいさまを制し天慶さまの前にでる瑞潤みすず

「望月丸くん、を甘くみてると痛い目にあいますよ・・・」にこっ

「(瑞潤みすずさん?そうか!)望月丸さま。オレ。」

・・・望月丸じゃないし。
だが、気を取り直して。

「うむ。颯太、おまえの真の力をみせてやれ。」

「はい!」

 颯太がこぶしを振り上げてその手をゆかに振り下ろす、
  と、
 その手はヒトのそれではなく、銀色に輝く毛でおおわれたケモノの腕になっていた。

「ひぃいいいい!こ、これはっ!」

  ドンっ!

「オレはあの時、おまえに杏酒あんずしゅを奪われた少年で、オレは銀狼ぎんろうはやてー。」

 銀狼になった颯太が、毒長の両腕りょううでを抑えてのしかかる、と。

「うわぁああ!だれかっ、だれかっ、助けてくれ~っ!」

「おや、確かさきほど、誰も来るな、とゆうておったな。」

  にやり?
 意地悪な天慶さま。

「どうかっ、お助けをっ!」

 ちょっと可哀想かわいそうになってきた颯太に、手でやれっ。と合図する天慶さま。

遠慮えんりょはいらん。思う存分ぞんぶんなぐりとばすなり噛みつくなり復讐ふくしゅうするがよい!なんならオレがっ。」

 さやから抜かれた妖刀『闇一条やみいちじょう』が、
チリンチリンと、音をたてながら、怪しい光を放つ。

 天慶てんけいさまが『闇一条やみいちじょう』を振り下ろせば毒長の命は消えてなくなるだろう。

「あっあっあああ。わたしが間違っておりました!どうかっ、お助けをーっっ!」

 震えあがる毒長に容赦ようしゃなく『闇一条』を振り下ろすであろう天慶さま。

 銀狼ーはやてーになった颯太は仕方なく前足で、チョンっとほほを叩くと、

「ぎゃーーーっ!!」

  アワアワ・・・。
 うーーん。

失神しっしんしてしまう、毒長。

「あはっ。この様子じゃ今夜のこと夢でもみた、と思いそう。」

「生ぬるいやり方だ。」

 ご不満そうな天慶さま。

 間違ってたと認めてくれたし、もうオレは充分ですよ。
 お願い、もうやめてあげて。

「天慶さまあ。」

 ちっ。
 自分を見上げる心配そうな颯太のあおい瞳に免じて。

 仕方なく『闇一条やみいちじょう』をさやにおさめる天慶さま。

  ふんっ。

「・・・。まあ、いい。怖い思いをしただろうし、オレのことを望月丸と思ったのならこれからはあまり無茶をふっかけなくなるだろう。」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 後日、このことにキモを冷やして、せってしまった毒長をお見舞みまいに訪れた望月丸さまをみて。

「ひぃいいい。望月丸殿っ。どうか、もうお許しくだされっ。」

と、布団を被って震え上がっていたとか。

「なんだったんだろう??」

 不思議がられた望月丸さまに本当のことは話せないので、とぼけておきました。

 そして、清秀さんのほうは。



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