虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

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DIY、未知を既知とする

ムー襲来イベント前篇 その02

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 イベント世界

 ついにイベントが始まった。
 家族とも話し合って準備を終えたのだが、開始後に[ログイン]をしたところ映像を視聴させられる。

「──軍艦出してきたよ……二つ目はたぶん生産職向けのヤツだよな。で、問題の三つ目が謎なんだが……これも何かあるよな?」

《ランダム要素でしょうか。発表された公式の情報によれば、映像に現れた子供だけでなく、数十人が『渡り』の余波を受けてイベント世界に迷い込んでいるようです》

「まあ、送り返してやるのがいいと思うんだが、その方法も考えないといかんのか……あのお姫様っぽい子のところに預ければいい気もするけど」

《軍艦の者たちは侵略、姫殿下たちは友好と比較的分かりやすいようになっています……では、なぜ三つ目として迷い込んだ者たちを出現させたのでしょうか?》

「……単純にどちらかに関わるだけじゃダメとか? 他に何かあるのか?」

 まあ、前二つは言ってしまえばムー世界の中でも上の立場に居る者たちだ。
 一方で、迷い込んだ子供は彼らに比べて服の質も良くなかった。

 そして、お姫様が映像で語っていたムー世界に起きている危機。
 これまでしなかったのかできなかったのかは分からんが、行われた『渡り』。

 巻き込まれて迷い込む者が現れるほどの方法だ、最終手段に近いのだろう。
 それをしてもまでやらなければならないこと、それこそがこのイベント終盤の要素か。

「まあ、とりあえずは情報収集だな……まずはドローンを展開して、軍艦とお姫様の所を見ておくぞ。技術的にドローン対策もしているかもしれないし、ステルス完備のヤツを用意してくれ」

《畏まりました》

「で、まずは隠れ里の方を回ってみよう。迷い込むってイベントの都合上、どこに居るかはランダム……だからこそ、本来入れないような場所にも居るかもしれないしな」

 たとえば、森人族の隠れ里。
 本来妖精系の種族か彼らと共に行くか、どちらかをしないと森の中に施された迷いの霧の影響を受けて辿り着くことなく彷徨い続けてしまうその先に在る場所。

 だがそのランダム転移(仮)が無法のモノであれば、偶発的にそんな隠された場所へ辿り着くこともできるかもしれない。

 それが可能かどうか今は分からない。
 だからこそ、自分の目で確かめればいいのだ──軍にもお姫様にも接触しない以上、頼れるのは現地の者たちだからな。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 森人族の隠れ里

「──え゛っ、本当に居るんですか!?」

「うん、こちらとしてもどういった対応を取ればいいのか悩んでいたところだよ。君になら、任せても大丈夫だね」

 フラグはすでに立っていたのか、転移してすぐに接触した森人族の長──『超越者:剣矢』からの回答がこれ。

 運営の意図か、あるいは星の意か……ともあれ、接触してみないと始まらないか。
 
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