虚弱生産士は今日も死ぬ ―遊戯の世界で満喫中―

山田 武

文字の大きさ
2,938 / 3,140
DIY、未知を既知とする

ムー襲来イベント前篇 その11

しおりを挟む


 幻覚を使い、その隙に闇を生み出しバリアの無力化を図り船に侵入。
 そんなスマートな計画を目論んでいた……のだが、想定外の事態が発生。

 どうやら、ムー世界の人々は光の無い暗黒空間に酷く耐性を持たないようで。
 軍人たちが恐慌状態に走った船に、俺はそそくさと潜り込むことになった。

「……皆さんは、悪用しないでくださいね」

 これまでも闇属性の攻撃程度なら、何度も行われていただろう。
 しかしその規模はそこまでではなく、露呈には繋がらなかった。

 これがもし、戦闘ギミックの一つだというならえげつない。
 使えば使うほど、評価が下がっていく……みたいな形ではなかろうか。

「潜入成功、あとはこのまま透過を…………使えませんね。正々堂々、スニーキングに成功しろということですか」

 船内に入った瞬間、『プログレス:インビジブルクローク』の効果が解除された。
 理由は不明、再起動を試みるがクールタイムとは別の要因で発動できないようだ。

「まあ、“孤絶ノ衣ウツロナルマトイ”はまだ発動したままなので、すぐには分からないでしょうが……というか、なぜこれだけ?」

《やはり、『騎士王』が編んだ術式だからでしょう。いついかなる時も、旦那様が死に戻りすることを想定した仕様となっておりますので、一時的な妨害を受けても供給がある限りは使えるようになっていると思われます》

 ネーミングセンスがアレな点を除き、万能に等しい才能の持ち主『騎士王』。
 そんな彼女に開発を依頼し、作ってもらったのが存在遮断術式“孤絶ノ衣”。

 正確に言えば隠蔽ではなく、自らの存在を世界から絶つ偽装に近い。
 世界…………ふむ、その辺が使えている理由の一つかもしれないな。

  ◆   □   ◆   □   ◆

 軍艦 艦内

 しばらくして、少しずつ彼らも精神状態を回復させ攻撃を再開し始めた。
 ただ、やはり再び同じことが起きることは警戒しているようで、必死の形相だ。

「インストール──『イッスンボウシ』、意外とこれも上手くいくんですよね」

 人はいちいち足元など注視しない。
 死角ではない、それでも意識の外側にあるので気づけないのだ……目に入っているからこそ、見たつもりになってしまう。

 問題は小さくなると、その分だけ移動時間が伸びてしまう。
 ただでさえAGIの関係で動きがとろい俺なので、目的地の到達まで時間が掛かる。

「なのでこちら──『フロートディスク』、ある意味定番のアイテムですね」

 取り出した円盤型の装置は、移動に特化したサポートアイテムだ。
 発想自体はあったものの、これまでは作れないでいた代物。

 だが、それを解決する情報が手に入った。
 それは『星宝級職人:忌創展外』……というより【超科学者】から得られる既存の科学技術を凌駕する技術の根本。

 生産世界で取り出された武装だけでなく、補助用のアイテムもまたレシピとして登録されていた……その横流しこそ、彼女と交わした契約の一つである。

しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

神殴り代行 異世界放浪記 〜俺の拳は神をも砕く〜

ファンタジー
「フォース」——それは、あらゆる生命の魂に宿るエネルギー。 23世紀、日本は新たなエネルギー「フォース」を発見した。 石油の枯渇による世界戦争の中、日本が生み出したこの力は、やがて世界を変革する。 フォースの研究は、「能力開発」へと発展し、人々は意志と感情によって能力を発現するようになった。 主人公・神谷錬(かみやれん)。 東京で働く25歳のサラリーマンであり、趣味は走ることと美味いものを食べること。 幼少期からフォースに興味を持ち、独学で研究を重ねた結果、**「空間干渉」**という独自の能力を会得する。 空間干渉——それは、フォースの膨大なエネルギーを利用し、空間を操る力。 レンは、自在に空間を歪め、破壊することすら可能となった。 しかし、ある事件をきっかけに、世界の壁の向こう側へと放り出される。 彼が目を覚ましたのは、何もない**「虚無空間」**——そこから、レンの果てしない旅が始まる。 辿り着いた異世界には、神々すら支配する強大な力が渦巻いていた。 しかし、レンの拳は、世界の理すら破壊する力を持っていた——。 世界の壁の向こうにあるのは、希望か?それとも絶望か? 異世界を旅する放浪者が、神々と拳を交える物語が、今始まる——。

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

なんか修羅場が始まってるんだけどwww

一樹
ファンタジー
とある学校の卒業パーティでの1幕。

魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~

喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。 音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、 幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。 魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。 そして再び出会う幼馴染。 彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。 もういい。 密かにやってた支援も打ち切る。 俺以外にも魔道具職人はいるさ。 落ちぶれて行く追放したパーティ。 俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき
ファンタジー
上澄タマルは過労死した。 死に際にスローライフを夢見た彼が目覚めた時、そこはファンタジー世界だった。 「異世界転生……!? 俺のスローライフの夢が叶うのか!」 だが、その世界はダークファンタジーばりばり。 人々が争い、魔が跳梁跋扈し、天はかき曇り地は荒れ果て、死と滅びがすぐ隣りにあるような地獄だった。 こんな世界でタマルが手にしたスキルは、スローライフ。 あらゆる環境でスローライフを敢行するためのスキルである。 ダンジョンを採掘して素材を得、毒沼を干拓して畑にし、モンスターを捕獲して飼いならす。 死にゲー世界よ、これがほんわかスローライフの力だ! タマルを異世界に呼び込んだ謎の神ヌキチータ。 様々な道具を売ってくれ、何でも買い取ってくれる怪しい双子の魔人が経営する店。 世界の異形をコレクションし、タマルのゲットしたモンスターやアイテムたちを寄付できる博物館。 地獄のような世界をスローライフで侵食しながら、タマルのドキドキワクワクの日常が始まる。

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

処理中です...