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順調な男子チーム

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次の試合まで時間が空いたので、凛たち一年は男子の試合を見学していた。男子はシード権があり弱いチームとは当たらない。いきなり三回戦からの出場だ。

 綾瀬くんがスタメンにいた。凛と雄一のテンションがあがる。男子の試合は速攻から始まった。ボールを奪うとすぐに味方がゴールに走っている。ロングパスが通る。すぐに2得点。

 相手チームは強豪校だと萎縮してしまっている。ディフェンスはいきなりのオールコート。スティール。速攻。決まる。相手チームにボール運びをさせなかった。圧倒的。すぐに得点は15点も開いた。まだゲームは4分だ。どこまで突き放すのか。

 100点ゲームは確実になり試合は早いペースで進んでいく。流石に県大会優勝校。これが実力というものか。スタメンがチェンジになった。全員だ。綾瀬くんの出番は終わった。マネージャーの三雲さんがタオルとドリンクを渡しているのが見える。凛は複雑な気持ちになった。

 セカンドメンバーになってからは試合は少し動きを見せ相手チームのシュートも決まった。ハーフタイムで54対21。逆転はもう無理だと考えたのか三年の引退試合だからなのか相手チームの顧問も頻繁にメンバーチェンジをしてきた。凛はよくみていた。シュートがよく入る人、パスをやたら回す人、それぞれ個性がある。リバウンドをとるのはいつも相手の5番。スリーを打つがよくシュートミスをするのが相手の10番。凛は5番がいるときは皆がよくシュートを狙うことに気づいた。そうか、リバウンドをとれる安心感があるからポンポン打てるんだな。リバウンドって大事だな。

「何やってんだ!」

 伊東先生の怒りの声が聞こえた。5番に10個目のリバウンドをとられたこちらの14番に向けてのかつだった。

「スクリーンアウトができとらん!」

 14番は交代させられ綾瀬くんが入った。5番の活躍はそこで終了してしまった。綾瀬くんはまるで先読みしていたかのごとくボールが落ちる場所に待機していて見事キャッチする。パス。こちらのオフェンスになる。シュートが決まる。センターは一つのキーマンだと凛は思った。雄一をみると完全に綾瀬くんだけを追っている。雄一には三雲さんのことはまだ言っていない。私たちのチームは信子と雄一がセンター。果たして綾瀬くんみたいな凄いプレーができるのか。

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