3 / 25
第3話 ロリな大人を救出完了
しおりを挟む
「『暴発・爆風』!」
萌葉ちゃんの魔法は、萌葉ちゃんを中心にして突発的に強風を放つ魔法だったようだ。
「くぅ。強風だねぇ」
私ごと吹き飛ばされそうなほどの猛烈な風が小部屋全体に四方八方へ吹き荒れる。
体が軽く浮かび上がるほどの風は、モンスターの物量によって壁付近にいるモンスターを圧死させるほどで、一瞬にして息ができるだけの空間を作ってくれた。
前後左右、私が全身で技を放つだけの余裕。そして、私を吹き飛ばしてくれたからこそ、萌葉ちゃんとも十分距離ができている。
「今まで使ったことないけど、重畳って感じ?」
:来るんだね? これはあたしでもわかるやつ
:やったれのぞみん!
「言われなくても!」
「コメントと会話して、やっぱりあんた配信中でしょ。そういえば、えっと、のぞみ、だっけ? あんた、何するつもりなのよ」
「当然、これですよ」
私は萌葉ちゃんにガッツポーズでもするように右の拳を握って見せた。
それから、両足を広げて深く構える。
目指す先はモンスターハウスを作り出した元凶。
「え、ねぇ、何する気? 拳に魔力を込めてるけど、それ、体術系のスキルじゃないわよね? そのままだと手が爆発するんじゃないの?」
「ええ。その通り、みんな大好きなアレですよ」
「何? 爆発? やめてよ。わたしこれでもかわいいで売ってるんだから、アフロとか本当に勘弁だからね!」
なんだか訳のわからない文句を言われている気がするけれど、私は構わず拳に魔力を貯め続けた。
全身全霊、全力の一撃を放つため。
ここまで準備が整えば、あと1メートルくらいまで迫られても問題はない。
「準備完了」
私は溜まってきた魔力を握り込み、目の前のモンスター軍団めがけて突き出した。
「拳、ビーッム!」
真っ直ぐに正拳突きをすると同時、その先へ魔力が拳状となって射出される。
「サークル!」
続けて、拳状の魔力がパーの形状になると私と萌葉ちゃんを中心にして一回転するように全てのモンスターを横チョップの要領で薙ぎ払った。
なんの抵抗も感じさせないほどあっさりと大量のモンスターたちはあっけなく弾け飛び、足元には大量のドロップしたアイテムだけが残っている。
私の目の前では、拳ビームによって壁に穿たれた穴と、チョップによって削られた跡が広がっていた。
そしてその下、モンスターがいなくなり見晴らしのよくなった部屋の角には開かれた宝箱が口を開けていた。
私はモンスターが湧くより早く跳び、カチッとスイッチを押した。
「ふぅ、これにて一件落着ですな。よかったよかった」
:おつのぞみー
「おつのぞみー」
:ってか壁崩せるじゃん
「間のところは別よ」
未だパラパラと崩れてくる壁から離れながら私は部屋の中央へと目をやった。
萌葉ちゃんはぺたんとその場に座り込んでいる。
「安心しちゃった?」
「た、助かったの……?」
「一応Aランクダンジョンだからまだまだ危険はあると思うけどね」
私より長く戦っていただけあり、萌葉ちゃんは疲れ切ったようにそのまま背中側へべたっと倒れ込んでしまった。
ちっちゃい女の子だし仕方ないかな。
「ここか! ダンジョンアラートの場所は! 助けに来た、ぞ……?」
ちょうどいいタイミングでプロのダンジョン救助隊の人たちもやってきたみたいだ。
ゾロゾロと小隊規模の方々が警戒しながら先ほどまでモンスターで満ち満ちていた小部屋の中へと入ってくる。
「となると、萌葉ちゃんの実力ならこれくらい耐えられたろうし、私のやったことは誤差みたいなものだったのかな」
「あんた、さっきのやっておいて誤差って」
「それじゃ、萌葉ちゃん、お元気で」
私は手を振って走り出した。
「あ、ちょっと、どこ行く気? 待ちなさいよ。せめて何者かだけでも」
「おっと……」
そういえば名前くらいしか言っていないか。
でも、私は有名じゃないし、『原初のSランク』みたいな二つ名なんてものは持っていない。
「何者か、か。通りすがりの探索者かな」
「通りすがりの探索者?」
「それじゃ、こちらお任せしまーす」
「いや、君? この状況の説明を、おい君ィ!」
人助けは気分がいいね。
そして、部外者は早めに退散するのが吉。
Sランクだとバレるとこういう場では拘束が長くなっていけないからね。
:のぞみんもずる賢くなったね
「りーちゃんに言われたくないな」
肝心なのよ。乗せられやすい私だから、引き際ってやつが。
でもいいことできたし、明日からの配信も全力で頑張るぞ!
「……通りすがりの探索者って、何か知ってるか?」
「いいや。配信中に寄ったみたいだし、どこかで探さないとな」
萌葉ちゃんの魔法は、萌葉ちゃんを中心にして突発的に強風を放つ魔法だったようだ。
「くぅ。強風だねぇ」
私ごと吹き飛ばされそうなほどの猛烈な風が小部屋全体に四方八方へ吹き荒れる。
体が軽く浮かび上がるほどの風は、モンスターの物量によって壁付近にいるモンスターを圧死させるほどで、一瞬にして息ができるだけの空間を作ってくれた。
前後左右、私が全身で技を放つだけの余裕。そして、私を吹き飛ばしてくれたからこそ、萌葉ちゃんとも十分距離ができている。
「今まで使ったことないけど、重畳って感じ?」
:来るんだね? これはあたしでもわかるやつ
:やったれのぞみん!
「言われなくても!」
「コメントと会話して、やっぱりあんた配信中でしょ。そういえば、えっと、のぞみ、だっけ? あんた、何するつもりなのよ」
「当然、これですよ」
私は萌葉ちゃんにガッツポーズでもするように右の拳を握って見せた。
それから、両足を広げて深く構える。
目指す先はモンスターハウスを作り出した元凶。
「え、ねぇ、何する気? 拳に魔力を込めてるけど、それ、体術系のスキルじゃないわよね? そのままだと手が爆発するんじゃないの?」
「ええ。その通り、みんな大好きなアレですよ」
「何? 爆発? やめてよ。わたしこれでもかわいいで売ってるんだから、アフロとか本当に勘弁だからね!」
なんだか訳のわからない文句を言われている気がするけれど、私は構わず拳に魔力を貯め続けた。
全身全霊、全力の一撃を放つため。
ここまで準備が整えば、あと1メートルくらいまで迫られても問題はない。
「準備完了」
私は溜まってきた魔力を握り込み、目の前のモンスター軍団めがけて突き出した。
「拳、ビーッム!」
真っ直ぐに正拳突きをすると同時、その先へ魔力が拳状となって射出される。
「サークル!」
続けて、拳状の魔力がパーの形状になると私と萌葉ちゃんを中心にして一回転するように全てのモンスターを横チョップの要領で薙ぎ払った。
なんの抵抗も感じさせないほどあっさりと大量のモンスターたちはあっけなく弾け飛び、足元には大量のドロップしたアイテムだけが残っている。
私の目の前では、拳ビームによって壁に穿たれた穴と、チョップによって削られた跡が広がっていた。
そしてその下、モンスターがいなくなり見晴らしのよくなった部屋の角には開かれた宝箱が口を開けていた。
私はモンスターが湧くより早く跳び、カチッとスイッチを押した。
「ふぅ、これにて一件落着ですな。よかったよかった」
:おつのぞみー
「おつのぞみー」
:ってか壁崩せるじゃん
「間のところは別よ」
未だパラパラと崩れてくる壁から離れながら私は部屋の中央へと目をやった。
萌葉ちゃんはぺたんとその場に座り込んでいる。
「安心しちゃった?」
「た、助かったの……?」
「一応Aランクダンジョンだからまだまだ危険はあると思うけどね」
私より長く戦っていただけあり、萌葉ちゃんは疲れ切ったようにそのまま背中側へべたっと倒れ込んでしまった。
ちっちゃい女の子だし仕方ないかな。
「ここか! ダンジョンアラートの場所は! 助けに来た、ぞ……?」
ちょうどいいタイミングでプロのダンジョン救助隊の人たちもやってきたみたいだ。
ゾロゾロと小隊規模の方々が警戒しながら先ほどまでモンスターで満ち満ちていた小部屋の中へと入ってくる。
「となると、萌葉ちゃんの実力ならこれくらい耐えられたろうし、私のやったことは誤差みたいなものだったのかな」
「あんた、さっきのやっておいて誤差って」
「それじゃ、萌葉ちゃん、お元気で」
私は手を振って走り出した。
「あ、ちょっと、どこ行く気? 待ちなさいよ。せめて何者かだけでも」
「おっと……」
そういえば名前くらいしか言っていないか。
でも、私は有名じゃないし、『原初のSランク』みたいな二つ名なんてものは持っていない。
「何者か、か。通りすがりの探索者かな」
「通りすがりの探索者?」
「それじゃ、こちらお任せしまーす」
「いや、君? この状況の説明を、おい君ィ!」
人助けは気分がいいね。
そして、部外者は早めに退散するのが吉。
Sランクだとバレるとこういう場では拘束が長くなっていけないからね。
:のぞみんもずる賢くなったね
「りーちゃんに言われたくないな」
肝心なのよ。乗せられやすい私だから、引き際ってやつが。
でもいいことできたし、明日からの配信も全力で頑張るぞ!
「……通りすがりの探索者って、何か知ってるか?」
「いいや。配信中に寄ったみたいだし、どこかで探さないとな」
0
あなたにおすすめの小説
農民レベル99 天候と大地を操り世界最強
九頭七尾
ファンタジー
【農民】という天職を授かり、憧れていた戦士の夢を断念した少年ルイス。
仕方なく故郷の村で農業に従事し、十二年が経ったある日のこと、新しく就任したばかりの代官が訊ねてきて――
「何だあの巨大な大根は? 一体どうやって収穫するのだ?」
「片手で抜けますけど? こんな感じで」
「200キロはありそうな大根を片手で……?」
「小麦の方も収穫しますね。えい」
「一帯の小麦が一瞬で刈り取られた!? 何をしたのだ!?」
「手刀で真空波を起こしただけですけど?」
その代官の勧めで、ルイスは冒険者になることに。
日々の農作業(?)を通し、最強の戦士に成長していた彼は、最年長ルーキーとして次々と規格外の戦果を挙げていくのだった。
「これは投擲用大根だ」
「「「投擲用大根???」」」
日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~
津ヶ谷
ファンタジー
綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。
ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。
目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。
その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。
その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。
そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。
これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。
隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜
桜井正宗
ファンタジー
能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。
スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。
真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
底辺動画主、配信を切り忘れてスライムを育成していたらバズった
椎名 富比路
ファンタジー
ダンジョンが世界じゅうに存在する世界。ダンジョン配信業が世間でさかんに行われている。
底辺冒険者であり配信者のツヨシは、あるとき弱っていたスライムを持ち帰る。
ワラビと名付けられたスライムは、元気に成長した。
だがツヨシは、うっかり配信を切り忘れて眠りについてしまう。
翌朝目覚めると、めっちゃバズっていた。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる