配信初心者の私、プロ指示厨の言いなりで気づけば百合ハーレム完成!?

マグローK

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第23話 指示厨さんから直接のメッセージ

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 金井さんから受け取ったものは現金だった。
 色々と処理しないといけない事情はあるにせよ。ひとまずお金を分配して解散。
 私たちは重畳寺先輩のテレポートで離着地点のダンジョンまで戻ると、各々家へと帰る道についた。
 だから今は1人。

「スマホの画面も元に戻ってる。本当になんだったんだろう」

 ただ、金井さんのことを思えばダンジョン自体かその周囲の環境がキーになっていそうな気もする。
 けど、そのキーを把握するには、多分また別の特殊なスキルが必要になってくる。

 今のところ解明は無理かな?

「あ。メッセージすごい来てる」

 何気なくメッセージの内容を確認しつつ返信を返していたところで、私の指は止まった。

指示厨:いつものダンジョン裏手の路地で待ってます
指示厨:来てください
指示厨:戻ってきてますよね?
指示厨:待ってますから

「えっ」

 りーちゃんとのメッセージではなく、直接に指示厨さんからメッセージが届いている。

 一瞬、思考も動きも止まる。

 あいにく重畳寺先輩とも静奈ちゃんとも別れたばかり。
 いや、幸にもって感じかも。

「何かの罠? もしくはスキルとかマジックアイテム絡みかな?」

 これまでなかった出来事だけに探索したい気持ちが湧いてきてしまう。
 こんなに気になるもの放っておくなんてできっこない。
 未知の探索、それこそが探索者の醍醐味なのだから。





「多分ここだと思うんだけど……」

 私はあまりよく考えることもせず、ソッコーでいつものダンジョン裏手らしい場所まで移動してきた。
 指示厨さんをりーちゃんの知り合いと仮定するなら、見知った姿が目に入ってもおかしくない気がする。
 だけど、それらしい影は見当たらない。

「おかしいな。向こうから呼び出しておいていませんってことはないだろうに」

 メッセージの内容からすると、私が重畳寺先輩のテレポートで帰還した時もどこかから見てたんだと思う。それなら、ダンジョンからそう遠くへは行ってないはずなんだけどな。

 改めて周囲に誰かいないか見回してみると、人らしき背中が視界に入った。

 ただ、見たところ人じゃない。多分、デコイのマジックアイテム。モンスターを撹乱するために使うスキルの応用アイテムだったはず。

「待って!」

「……」

「指示厨さんですよね?」

 私は走り出していた。

 デコイは私につられて逃げるように走っていく。

「デコイのマジックアイテム。それは、使用者の姿をコピーするものだったはず。もしも顔が見えたら誰のお誘いかわかるかもしれない」

 私は周りの人に気を付けながらも走った。
 だけど、デコイにしては足が速い。
 おそらく、移動ルートがあらかじめ指定されているから無駄がないんだ。

「それにしても今まで会ったことがないくらい速い。私と同じくらい速いなんて、通りすがりの探索者とかっていうくらいだから、もしかしてSランクとかなのかな」

 金井さんという開発でSランクの方とも出会えたし、今日はとってもついているかもしれない。

「でも誰だろう。誰なのかな? 見た目は女の子か中性的な男の子? 年齢は同じくらい。でも、重畳寺先輩の例もあるし……うーん。とはいえ私が一番後輩のはずだもんね。あー、挨拶したい! あの! せめて名前だけでも教えてください!」

「……………………」

 ダメだ。交渉モードが完全に削られてる。振り返りさえしない。
 顔を見ることができるかと思ったけど、意思の疎通ができないタイプのデコイだ。
 まるで、私の移動速度の変動を理解しているみたいにほとんど変わらない距離を走るなんて、相当なやり手。

「くっそー。こうなったら絶対捕まえたやる。あいたっ。っててて……」

 木の枝が思ったより低かった。そして太かった。
 曲がり角にこんなのがあるって知らないよ。

 と思ったけど、独特な硬さの障害物はどうやら木の枝ではなかった。
 高さから勝手に脳が保管していたけれど、謎の壁。
 まるでくぐれと言わんばかりの穴を下に設けただけの壁。

「茶室? いや、扉はないし。なにこれ。秘密基地?」

 ちょっとだけワクワクしながら首を突っ込むと制服のスカートが見えた。私の学校と同じものらしい。
 顔を上げると少し薄暗い小部屋のような空間に栗色の髪の女の子。
 りーちゃんだった。

「や。のぞみん」

「りーちゃん……?」

「そうだよ」

 薄く笑うりーちゃんは未だ地面に膝をついた四つん這いの姿勢になって固まっている私に対して上から手を振ってくる。
 小部屋の中には先ほどのデコイはない。
 ただ、行き着く先はここしかなかった。

「指示厨さんは? 見てない?」

「そんなことよりさ。あたし、のぞみんに話したいことがあるんだよ」

「私に話? え、でも」

 どういうことか気にはなったが、私はりーちゃんが差し伸べてくれた手を取ってようやく立ち上がった。
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