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第17話 上層最強のレアモンスター!
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音につられてやってきたモンスター。
ますは冷静に観察してみよう。
カチャカチャと鳴らしていたのは、甲冑のようなメカメカしい体だろうか。
機械のような見た目のそのモンスターは、目のようにくぼんだ闇の、ただ一点を赤く光らせ、こちらを見るようにすると動きを止めた。
「あれって?」
「上層最強と名高いモンスター、キラー・アイアンだよ」
:キラー・アイアン!?
:どんな引きだよ
:キラー・アイアンって強いの?
:滅多に現れないうえにボスより強くて討伐報告ほとんどないやつだって!
「そんなのヤバいんじゃないの?」
「ホントのホントに初めてなら、死を覚悟する相手だけど、しょうちゃんなら、魔法の小手試しになりそうだね」
規模感がよくわからない。
俺の素人加減は、先ほど剣の素振りで指摘されたばかりだと思うのだが……。
「え?」
背中を押され、えりちゃんのサムズアップ。
一人でやれってことか?
それはキツいって。
「がんばれ!」
「うぅ。やるかぁ」
何だか少し幼くなった気がする精神にムチを打って、自分の意思で一歩前に出る。
機械的な見た目だけあり、分析でも終わったのか、キラー・アイアンはくぼみから放たれる赤い光を、一際強く光らせると、重そうな見た目とは裏腹に俊敏に動き始めた。
「速っ! 怖っ!」
と、とりあえずこのままでは腕についた剣で首を切り落とされてしまう。
風魔法は使ったことあるし、時間稼ぎに。
「『ウィンド』!」
今度こそ前に出す。スカートはめくれていないはず。
だが、えりちゃんのように壁にぶつけるほどの威力はまだ出せない。
:いや、進んでないように見えるんだが?
:本当に基礎レベルの魔法の威力か?
:やっぱりいいのんが目をつけるわけだよなぁ
「そうでしょ? そうでしょ? みんなもしょうちゃんの実力がしっかりわかってきたでしょ? でも、しょうちゃんはこれからだよ?」
何だか俺を差し置いて楽しそうに話しているが、意識をそらせば命取りだ。
足止めはできているから、この風に乗せて炎をぶつけてみるか。
「『ファイア』!」
ただの熱風ではなく、炎の旋風が機械に届く。
だが、耐熱仕様らしく炎だけでは動きを止める様子はない。
:いや、何よあの威力
:もう、悔しがるの諦めたわ
:あれで倒れないって、俺なら死んでるわ
「決着はこれから!」
熱してダメなら、一気に冷やすまで!
「『ウォーター』!」
炎を止め、水流を飛ばす!
今まで動きを止めなかったキラー・アイアンが、水をかけられたことでやっと動きを鈍らせた。
しかし、プシュープシューとかビリビリといった音を鳴らしながら、まだ前進する動きは止まらない。
ダメージを与えられたみたいだが、なかなかしぶとい。
ここでの接近は危険。自爆されれば耐えられない。
「この水に乗せて、サンダー! あれ、出ない。『サンダー』! うおっ」
床の湿り気に乗せようとしてもダメだったが、風の代わりに雷のような電撃が手から放たれた。
バリバリと空気を裂きながら直進していき、キラー・アイアンに当たると、
ボカンッ!
部品らしきものをそこらじゅうに撒き散らしながら、キラー・アイアンは爆発した。
足元まで転がってきたナットのようなものは、パーツだったのかアイテムなのか。
「お見事!」
:完璧だわ
:お手上げ
:こんなんすごすぎて褒めざるを得ない
:粗探しに来たけど、これからも頑張ってほしいわ
「いやー、基礎魔法でのキラー・アイアン攻略法として、わたしも今のやり方が最適解だと思うよ」
拍手しながらえりちゃんはそんなことを……。
「そうなの?」
「うん!」
そんなものがあるならせめて教えてほしかったのだが……。
なんとかなったからよかったけども、少し前に魔法を使う練習をしてなかったら、一人で倒すのなんて無理だっただろうし。
「ほら、見てみて」
「見てみるって……?」
言われるがままえりちゃんのスマホ画面をのぞいてみる。
そこには俺の配信が流されていて……。
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ……さっきから百倍くらい?」
「もうちょっとかな。まあ、今回は配信だしね。でも、世界中の人が見てるみたいだね。一千万なんてわたしでもないなぁ。しょうちゃんの注目度鰻登りだね」
「ヒェ……」
どうして俺の配信を見ているのか。
いや、えりちゃんを見に来て、でも、今、ないって……。
だ、ダメだ。納得できる論理が頭の中で展開できない……。
フラフラする。
「新しいこといっぱいでちょっと疲れちゃった?」
「ま、まだ大丈夫。探索はまだ始まったばかりだ!」
「どう見ても空元気なんだけど」
:仕方ない
:先輩止めてやってください
:これ初配信だもんな
「そうだねー。ってわけで、後ほどしょうちゃんとのツーショットでも他のSNSにあげるからそっちも見てね。今日は責任をもって、探索者の先輩であるわたしが、しょうちゃんをダンジョンから連れ帰ります。挨拶は勘弁ね。それじゃね!」
:お疲れ様でしたー
:よかった
:これは歴史的瞬間
:神回!
「ああっ!」
俺の代わりにまたしてもスマホを操作してえりちゃんは配信を終わらせたようだ。
「ダンジョン探索は余裕がある間に切り上げる。これは基本だよ」
「いや、まだ大丈夫だって」
「無理しない。体力的に無理じゃなくても、今日教えたことを定着させるためにも休息は必要だからね」
「……うん」
「素直でよろしい」
実際、俺としては今新しいことを入れられたら簡単にこぼれ落としそうなほど脳内で情報が渦巻いていた。
まだまだスキルによる負荷というものに、体が追いついていないらしい。
驚きも多くて、昨日ほどではないが精神の疲労もある。メンタル面でもまだまだ課題はあるか。
「それじゃ、今日の一枚!」
「え?」
ぽかんとした俺の写真を撮ると、えりちゃんは満足そうな顔で、またしてもスマホをいじり出した。
遠くで何か光ったように見えたのは疲れてるせいかな?
ますは冷静に観察してみよう。
カチャカチャと鳴らしていたのは、甲冑のようなメカメカしい体だろうか。
機械のような見た目のそのモンスターは、目のようにくぼんだ闇の、ただ一点を赤く光らせ、こちらを見るようにすると動きを止めた。
「あれって?」
「上層最強と名高いモンスター、キラー・アイアンだよ」
:キラー・アイアン!?
:どんな引きだよ
:キラー・アイアンって強いの?
:滅多に現れないうえにボスより強くて討伐報告ほとんどないやつだって!
「そんなのヤバいんじゃないの?」
「ホントのホントに初めてなら、死を覚悟する相手だけど、しょうちゃんなら、魔法の小手試しになりそうだね」
規模感がよくわからない。
俺の素人加減は、先ほど剣の素振りで指摘されたばかりだと思うのだが……。
「え?」
背中を押され、えりちゃんのサムズアップ。
一人でやれってことか?
それはキツいって。
「がんばれ!」
「うぅ。やるかぁ」
何だか少し幼くなった気がする精神にムチを打って、自分の意思で一歩前に出る。
機械的な見た目だけあり、分析でも終わったのか、キラー・アイアンはくぼみから放たれる赤い光を、一際強く光らせると、重そうな見た目とは裏腹に俊敏に動き始めた。
「速っ! 怖っ!」
と、とりあえずこのままでは腕についた剣で首を切り落とされてしまう。
風魔法は使ったことあるし、時間稼ぎに。
「『ウィンド』!」
今度こそ前に出す。スカートはめくれていないはず。
だが、えりちゃんのように壁にぶつけるほどの威力はまだ出せない。
:いや、進んでないように見えるんだが?
:本当に基礎レベルの魔法の威力か?
:やっぱりいいのんが目をつけるわけだよなぁ
「そうでしょ? そうでしょ? みんなもしょうちゃんの実力がしっかりわかってきたでしょ? でも、しょうちゃんはこれからだよ?」
何だか俺を差し置いて楽しそうに話しているが、意識をそらせば命取りだ。
足止めはできているから、この風に乗せて炎をぶつけてみるか。
「『ファイア』!」
ただの熱風ではなく、炎の旋風が機械に届く。
だが、耐熱仕様らしく炎だけでは動きを止める様子はない。
:いや、何よあの威力
:もう、悔しがるの諦めたわ
:あれで倒れないって、俺なら死んでるわ
「決着はこれから!」
熱してダメなら、一気に冷やすまで!
「『ウォーター』!」
炎を止め、水流を飛ばす!
今まで動きを止めなかったキラー・アイアンが、水をかけられたことでやっと動きを鈍らせた。
しかし、プシュープシューとかビリビリといった音を鳴らしながら、まだ前進する動きは止まらない。
ダメージを与えられたみたいだが、なかなかしぶとい。
ここでの接近は危険。自爆されれば耐えられない。
「この水に乗せて、サンダー! あれ、出ない。『サンダー』! うおっ」
床の湿り気に乗せようとしてもダメだったが、風の代わりに雷のような電撃が手から放たれた。
バリバリと空気を裂きながら直進していき、キラー・アイアンに当たると、
ボカンッ!
部品らしきものをそこらじゅうに撒き散らしながら、キラー・アイアンは爆発した。
足元まで転がってきたナットのようなものは、パーツだったのかアイテムなのか。
「お見事!」
:完璧だわ
:お手上げ
:こんなんすごすぎて褒めざるを得ない
:粗探しに来たけど、これからも頑張ってほしいわ
「いやー、基礎魔法でのキラー・アイアン攻略法として、わたしも今のやり方が最適解だと思うよ」
拍手しながらえりちゃんはそんなことを……。
「そうなの?」
「うん!」
そんなものがあるならせめて教えてほしかったのだが……。
なんとかなったからよかったけども、少し前に魔法を使う練習をしてなかったら、一人で倒すのなんて無理だっただろうし。
「ほら、見てみて」
「見てみるって……?」
言われるがままえりちゃんのスマホ画面をのぞいてみる。
そこには俺の配信が流されていて……。
「ひぃ、ふぅ、みぃ、よぉ……さっきから百倍くらい?」
「もうちょっとかな。まあ、今回は配信だしね。でも、世界中の人が見てるみたいだね。一千万なんてわたしでもないなぁ。しょうちゃんの注目度鰻登りだね」
「ヒェ……」
どうして俺の配信を見ているのか。
いや、えりちゃんを見に来て、でも、今、ないって……。
だ、ダメだ。納得できる論理が頭の中で展開できない……。
フラフラする。
「新しいこといっぱいでちょっと疲れちゃった?」
「ま、まだ大丈夫。探索はまだ始まったばかりだ!」
「どう見ても空元気なんだけど」
:仕方ない
:先輩止めてやってください
:これ初配信だもんな
「そうだねー。ってわけで、後ほどしょうちゃんとのツーショットでも他のSNSにあげるからそっちも見てね。今日は責任をもって、探索者の先輩であるわたしが、しょうちゃんをダンジョンから連れ帰ります。挨拶は勘弁ね。それじゃね!」
:お疲れ様でしたー
:よかった
:これは歴史的瞬間
:神回!
「ああっ!」
俺の代わりにまたしてもスマホを操作してえりちゃんは配信を終わらせたようだ。
「ダンジョン探索は余裕がある間に切り上げる。これは基本だよ」
「いや、まだ大丈夫だって」
「無理しない。体力的に無理じゃなくても、今日教えたことを定着させるためにも休息は必要だからね」
「……うん」
「素直でよろしい」
実際、俺としては今新しいことを入れられたら簡単にこぼれ落としそうなほど脳内で情報が渦巻いていた。
まだまだスキルによる負荷というものに、体が追いついていないらしい。
驚きも多くて、昨日ほどではないが精神の疲労もある。メンタル面でもまだまだ課題はあるか。
「それじゃ、今日の一枚!」
「え?」
ぽかんとした俺の写真を撮ると、えりちゃんは満足そうな顔で、またしてもスマホをいじり出した。
遠くで何か光ったように見えたのは疲れてるせいかな?
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