51 / 60
第51話 新アイテム使用チャンス!
しおりを挟む
ドロップアイテムを回収し、再びボス部屋目指して移動を再開した。
だが、思うように進めたとしても、ボス部屋にはなかなかたどり着けない。
ダンジョンは、下の層へと行けば行くほど、広さを増していく。
上層ほど狭く、中層、下層と降りるほどに広くなるため、深層ともなれば、ボス部屋まで移動するだけで一苦労だ。
「にしても、深層だけで闘技場みたいな場所が複数あるなんてね」
「え? しょうちゃんのその言い方だと、この二つ目で終わりじゃないの?」
「俺が見えてる限りだと、まだいくつかあるみたいだよ? もちろん、全部が全部、今まで戦ってきたみたいな、中ボスとセットの場所かどうかまではわからないけどね」
「談笑しているところ悪いが、ここはその、中ボスがいる部屋みたいだが?」
「そうだね。気を引き締めていこう!」
部屋に入るなり、前回の闘技場に入った時と同じような炎の演出が巻き起こる。
だが、動き出した大型のモンスターは、前回とは違い、ウシではなかった。
さながら、トリ戦士とでも言ったところか。ウシと同じような金ピカの鎧を身にまとった、大型のモンスター。
中層のボスとして出てきたという話は聞いていない。別に、ボスモンスターと関連するモンスターがいる、というわけではないみたいだ。
:他の場所でも鳥みたいなボスっていたっけ?
:ヤッベェ。初見じゃね?
:深層は、これまでのの亜種だと思ってた!
コメント欄の様子からしても、どうやら、このトリ戦士と同類のボスの情報はないらしい。
つまり、ヒントも何もない中での戦闘となる。
「さて、どう出てくるかな? うっ!」
またしても突風。
しかし、今回は、オノによるものではなく、翼によって起こされた強風。
だが、風が吹いてきた瞬間こそ、体がふわりと浮く感覚があったが、オノで起こされた風ほど強くない。踏ん張らなくとも立っていられる。
「全然問題ない感じ?」
「確かにそうかも。耐性かな?」
「風に耐性もないと思うが」
「となると、この装備じゃない?」
新しく拾ったアイテム類の効果か。
元々の装備でも、丈夫さなら劣らないだろうが、確かに、こういう状況への対処となると、特殊な効果がものをいいそうな気がする。
:マジックアイテムパネー!
:風無効って、トリさん涙目?
:もっと風がんばれよ!
なんか変なコメントも見えた気がしたが、今は無視だ。
「このまま一気に接近しよう! 『ウィンド』!」
便利な初級魔法で、全員をトリ戦士へ向けて射出!
必死に吹き飛ばそうと羽ばたいていたからか、トリ戦士も疲れてきていたらしく、動きがどんどん鈍くなっている。
それもあって、風圧なんて関係なく、俺たちの体はスイスイと前進していく。
「今の剣なら、いける!」
すれ違いざまに一撃。
「クワア!」
鎧ごと切り裂いた。これはいける。
「わたしも、こんなグローブを拾ったんだから!」
「ここで魔法を放つ。いいじゃないか!」
「しょうちゃんの剣が効くなら、あたしのヤリだって!」
上級者たちの三連撃が見事に決まり、トリ戦士は簡単にチリと化した。
「やったねしょうちゃん! いえーい!」
「いえい!」
「ずいぶんと余裕だったな」
「油断は禁物だけどね」
「はい。でも、新しい装備が使えることが確認できたのは、とてもよかったです」
「そうだね。わたしもこれがあった方がいいかな」
またしても、猫のモンスターでもいたのか、えりちゃんのグローブは猫の手の形をしていた。
:学習していくスタイル!
:さすがすぎて、もう他の言葉が見つからない!
:なんか、どんどん人間辞めてない?
「人間は人間だと思いますよ?」
:今なら壁を壊して進めるのでは?
「確かに! しょうちゃんちょっとやってみてよ」
「みんなにできなくて俺にできるかな?」
まあ、ものは試しだ。
やるだけならタダ。それに、拾ったアイテムは一つだけじゃない。ここで壊れても取り返しがつく。
「せーのお! うぅ、うあっ!」
思い切り溜めて切りつけてみたが、まるでそういう加工でもされてるように跳ね返された。
「しょうちゃんでも跳ね返されちゃうんだ……」
「ショートカットは無理なようだね」
「切り替えていきましょ。確実に近づいていることは確かなんだから」
「そうですね。あと少しです。行きましょう」
そこからの道中は、特に苦戦することなく進めた。
新しい装備を使うことにも慣れてきて、深層のモンスターでも対処できるようになっていた。
そして、しばらく歩いていると、とうとう、装飾の施された壁が見えてきた。ボス部屋までの通路だ。
自ら発光しているようなかがやきは、思わず心奪われる美しさを秘めている。
「帰るには、この先のボスを倒さないといけない」
「そうだね。でも、今のわたしたちならできるよ」
「やるまではわからないがな」
「ゆいちゃん! 縁起でもないこと言わないでよ!」
「やるまではわからないんだ。いや、ワタシたちに他の選択肢はない。やらないと帰れないんだからな」
「そうね。関さんの言うとおりだわ。あたしたちはそうやって、窮地を抜けてきたんだもの」
そう思うと、俺は他のみんなよりも戦歴が短い。
その分だけ、今回の戦いへの覚悟は弱いかもしれない。
でも、決して足手まといにはならない。
「しっかり準備して……。あれ、何か音しませんか?」
「音?」
俺たちの来た方向から、何かが砕けるような音が、連続して響いてくる気がするのだが……?
耳に手を当ててよーく聞いてみると……。
うん。聞き間違いじゃなさそうだ。確実に何かが迫ってきている。
「あれは、つらら!? だけじゃない。暴風とか、斬撃まで飛んできてる? は、早く行こう!」
だが、思うように進めたとしても、ボス部屋にはなかなかたどり着けない。
ダンジョンは、下の層へと行けば行くほど、広さを増していく。
上層ほど狭く、中層、下層と降りるほどに広くなるため、深層ともなれば、ボス部屋まで移動するだけで一苦労だ。
「にしても、深層だけで闘技場みたいな場所が複数あるなんてね」
「え? しょうちゃんのその言い方だと、この二つ目で終わりじゃないの?」
「俺が見えてる限りだと、まだいくつかあるみたいだよ? もちろん、全部が全部、今まで戦ってきたみたいな、中ボスとセットの場所かどうかまではわからないけどね」
「談笑しているところ悪いが、ここはその、中ボスがいる部屋みたいだが?」
「そうだね。気を引き締めていこう!」
部屋に入るなり、前回の闘技場に入った時と同じような炎の演出が巻き起こる。
だが、動き出した大型のモンスターは、前回とは違い、ウシではなかった。
さながら、トリ戦士とでも言ったところか。ウシと同じような金ピカの鎧を身にまとった、大型のモンスター。
中層のボスとして出てきたという話は聞いていない。別に、ボスモンスターと関連するモンスターがいる、というわけではないみたいだ。
:他の場所でも鳥みたいなボスっていたっけ?
:ヤッベェ。初見じゃね?
:深層は、これまでのの亜種だと思ってた!
コメント欄の様子からしても、どうやら、このトリ戦士と同類のボスの情報はないらしい。
つまり、ヒントも何もない中での戦闘となる。
「さて、どう出てくるかな? うっ!」
またしても突風。
しかし、今回は、オノによるものではなく、翼によって起こされた強風。
だが、風が吹いてきた瞬間こそ、体がふわりと浮く感覚があったが、オノで起こされた風ほど強くない。踏ん張らなくとも立っていられる。
「全然問題ない感じ?」
「確かにそうかも。耐性かな?」
「風に耐性もないと思うが」
「となると、この装備じゃない?」
新しく拾ったアイテム類の効果か。
元々の装備でも、丈夫さなら劣らないだろうが、確かに、こういう状況への対処となると、特殊な効果がものをいいそうな気がする。
:マジックアイテムパネー!
:風無効って、トリさん涙目?
:もっと風がんばれよ!
なんか変なコメントも見えた気がしたが、今は無視だ。
「このまま一気に接近しよう! 『ウィンド』!」
便利な初級魔法で、全員をトリ戦士へ向けて射出!
必死に吹き飛ばそうと羽ばたいていたからか、トリ戦士も疲れてきていたらしく、動きがどんどん鈍くなっている。
それもあって、風圧なんて関係なく、俺たちの体はスイスイと前進していく。
「今の剣なら、いける!」
すれ違いざまに一撃。
「クワア!」
鎧ごと切り裂いた。これはいける。
「わたしも、こんなグローブを拾ったんだから!」
「ここで魔法を放つ。いいじゃないか!」
「しょうちゃんの剣が効くなら、あたしのヤリだって!」
上級者たちの三連撃が見事に決まり、トリ戦士は簡単にチリと化した。
「やったねしょうちゃん! いえーい!」
「いえい!」
「ずいぶんと余裕だったな」
「油断は禁物だけどね」
「はい。でも、新しい装備が使えることが確認できたのは、とてもよかったです」
「そうだね。わたしもこれがあった方がいいかな」
またしても、猫のモンスターでもいたのか、えりちゃんのグローブは猫の手の形をしていた。
:学習していくスタイル!
:さすがすぎて、もう他の言葉が見つからない!
:なんか、どんどん人間辞めてない?
「人間は人間だと思いますよ?」
:今なら壁を壊して進めるのでは?
「確かに! しょうちゃんちょっとやってみてよ」
「みんなにできなくて俺にできるかな?」
まあ、ものは試しだ。
やるだけならタダ。それに、拾ったアイテムは一つだけじゃない。ここで壊れても取り返しがつく。
「せーのお! うぅ、うあっ!」
思い切り溜めて切りつけてみたが、まるでそういう加工でもされてるように跳ね返された。
「しょうちゃんでも跳ね返されちゃうんだ……」
「ショートカットは無理なようだね」
「切り替えていきましょ。確実に近づいていることは確かなんだから」
「そうですね。あと少しです。行きましょう」
そこからの道中は、特に苦戦することなく進めた。
新しい装備を使うことにも慣れてきて、深層のモンスターでも対処できるようになっていた。
そして、しばらく歩いていると、とうとう、装飾の施された壁が見えてきた。ボス部屋までの通路だ。
自ら発光しているようなかがやきは、思わず心奪われる美しさを秘めている。
「帰るには、この先のボスを倒さないといけない」
「そうだね。でも、今のわたしたちならできるよ」
「やるまではわからないがな」
「ゆいちゃん! 縁起でもないこと言わないでよ!」
「やるまではわからないんだ。いや、ワタシたちに他の選択肢はない。やらないと帰れないんだからな」
「そうね。関さんの言うとおりだわ。あたしたちはそうやって、窮地を抜けてきたんだもの」
そう思うと、俺は他のみんなよりも戦歴が短い。
その分だけ、今回の戦いへの覚悟は弱いかもしれない。
でも、決して足手まといにはならない。
「しっかり準備して……。あれ、何か音しませんか?」
「音?」
俺たちの来た方向から、何かが砕けるような音が、連続して響いてくる気がするのだが……?
耳に手を当ててよーく聞いてみると……。
うん。聞き間違いじゃなさそうだ。確実に何かが迫ってきている。
「あれは、つらら!? だけじゃない。暴風とか、斬撃まで飛んできてる? は、早く行こう!」
10
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】元ゼネコンなおっさん大賢者の、スローなもふもふ秘密基地ライフ(神獣付き)~異世界の大賢者になったのになぜか土方ばかりしてるんだがぁ?
嘉神かろ
ファンタジー
【Hotランキング3位】
ゼネコンで働くアラフォーのおっさん、多田野雄三は、ある日気がつくと、異世界にいた。
見覚えのあるその世界は、雄三が大学時代にやり込んだVR型MMOアクションRPGの世界で、当時のキャラの能力をそのまま使えるらしい。
大賢者という最高位職にある彼のやりたいことは、ただ一つ。スローライフ!
神獣たちや気がついたらできていた弟子たちと共に、おっさんは異世界で好き勝手に暮らす。
「なんだか妙に忙しい気もするねぇ。まあ、楽しいからいいんだけど」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる