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16ゾーイ
(ゾーイ視点)
「ああ…姉さん。元気そうだね。」
「ええ、おかげさまで。ソフィアさんたちも元気にしているのかしら?」
「ああ、妻も子供たちも元気にしてるよ。母上たちも孫たちの世話で忙しそうだ。」
「そう、じゃあ、もうすぐもっと忙しくさせちゃうわね。」
「姉さん、…悪いんだけどもうここには置いとけないよ。」
「どうしてなの…?」
「フォンテーヌ伯爵から正式に抗議の文が送られてきたよ。…姉さん、離縁の原因を偽ってフォンテーヌ伯爵に伝えてたんだって?同情を買ってまでしてずっと世話になっていたんだろう?新婚のフォンテーヌ伯爵があんなに姉さんに構って…おかしいと思っていたんだ。まさかそんな嘘で伯爵の同情を買って、幼馴染だからとあんなに構ってもらって居た挙句...睡眠薬まで伯爵に盛ったそうじゃないか。」
「そんなことしてないわよ、そんなことするはずないでしょう?」
「証拠は出ているんだよ、姉さん。どうしてなんだ?そのお腹の子供の父親も生まれてくるまで、浮気相手の子か元旦那の子か、どちらの子かわからないんだろう?どうして、こんな問題ばかりを起こすんだ…私だけではもう姉さんを庇い切れない。」
「そんな…じゃあ、私はどうしたらいいの…」
「悪いけどここを出来るだけ早く出て行ってもらう。平民だけど、隣国の商会長が姉さんを娶ってもいいと言ってくれている。」
「平民ですって…?」
「ああ、やっと姉さんを娶ってもいいというひとを見つけたんだ。金は充分あるし、後継もすでにいるらしい。」
「嫌よ…」
じゃあ、どうするっていうんだ?そう言って弟はこぶしを握りしめていた。
それからはよく覚えていない。
気が付けば、もう近寄ってはいけないと言われていたイライジャの屋敷に乗り込んでいた。
あの昔から優し過ぎる以外には、何にでも秀でていて見目もよいあのイライジャを押し切って…あとはグレース様を追い詰めて追い出して…もう少しでイライジャの妻になれたかもしれないのに…
出戻りなんて言えないくらいにイライジャに大切にされて、私を出戻り女と陰で嘲笑ってた女たちの羨望と憧れの的となっていたはずなのに…
どうしてこんなことになってしまったの?あの平民の見目の良い男と少し遊んでみただけなのに…元夫なんて私から隠そうとしていたみたいだったけど、いつもそこら辺の女たちと遊んでいたわ…それなのに…
イライジャの屋敷にたどり着くも、門番が私を入れてはくれなかった。
「ああ、私がやってきたことをイライジャに知らせてあげなければいけなかったのね…」
門の前で大声でイライジャを呼んだ。 喉が枯れそうになったころイライジャがグレース様を伴って現れた。
「…ゾーイ...いや、ベルニー伯爵令嬢。もうここには来ないように伝えたはずだが?」
私を拒絶するイライジャの声が冷え冷えとしていて、これは本当にあの優しかったイライジャと同一人物なのかと錯覚を起こしそうになった。
「…いつも、いつでも私を歓迎してくれていたじゃない…イライジャ?お願い…私を屋敷の中に入れて頂戴?もう私にはいくところがないの…っ」
「....ここでは何ですから…お茶を用意させましょう。庭で宜しければ...このままではお腹のお子様にもよくございませんでしょう?」
「しかし……そうだなグレース。そうしようか。ベルニー伯爵令嬢を案内してくれ。グレース行こうc。」
私を放っておいて、イライジャがグレース様へとエスコートするために腕を差し出している。
二人の視線は絡まって、イライジャの手が自然とグレース様の頬を労わるように優しく撫でた。
思わずという風にイライジャの片腕がグレース様の腰に回り自然と二人が寄り添っていた。
「ああ…姉さん。元気そうだね。」
「ええ、おかげさまで。ソフィアさんたちも元気にしているのかしら?」
「ああ、妻も子供たちも元気にしてるよ。母上たちも孫たちの世話で忙しそうだ。」
「そう、じゃあ、もうすぐもっと忙しくさせちゃうわね。」
「姉さん、…悪いんだけどもうここには置いとけないよ。」
「どうしてなの…?」
「フォンテーヌ伯爵から正式に抗議の文が送られてきたよ。…姉さん、離縁の原因を偽ってフォンテーヌ伯爵に伝えてたんだって?同情を買ってまでしてずっと世話になっていたんだろう?新婚のフォンテーヌ伯爵があんなに姉さんに構って…おかしいと思っていたんだ。まさかそんな嘘で伯爵の同情を買って、幼馴染だからとあんなに構ってもらって居た挙句...睡眠薬まで伯爵に盛ったそうじゃないか。」
「そんなことしてないわよ、そんなことするはずないでしょう?」
「証拠は出ているんだよ、姉さん。どうしてなんだ?そのお腹の子供の父親も生まれてくるまで、浮気相手の子か元旦那の子か、どちらの子かわからないんだろう?どうして、こんな問題ばかりを起こすんだ…私だけではもう姉さんを庇い切れない。」
「そんな…じゃあ、私はどうしたらいいの…」
「悪いけどここを出来るだけ早く出て行ってもらう。平民だけど、隣国の商会長が姉さんを娶ってもいいと言ってくれている。」
「平民ですって…?」
「ああ、やっと姉さんを娶ってもいいというひとを見つけたんだ。金は充分あるし、後継もすでにいるらしい。」
「嫌よ…」
じゃあ、どうするっていうんだ?そう言って弟はこぶしを握りしめていた。
それからはよく覚えていない。
気が付けば、もう近寄ってはいけないと言われていたイライジャの屋敷に乗り込んでいた。
あの昔から優し過ぎる以外には、何にでも秀でていて見目もよいあのイライジャを押し切って…あとはグレース様を追い詰めて追い出して…もう少しでイライジャの妻になれたかもしれないのに…
出戻りなんて言えないくらいにイライジャに大切にされて、私を出戻り女と陰で嘲笑ってた女たちの羨望と憧れの的となっていたはずなのに…
どうしてこんなことになってしまったの?あの平民の見目の良い男と少し遊んでみただけなのに…元夫なんて私から隠そうとしていたみたいだったけど、いつもそこら辺の女たちと遊んでいたわ…それなのに…
イライジャの屋敷にたどり着くも、門番が私を入れてはくれなかった。
「ああ、私がやってきたことをイライジャに知らせてあげなければいけなかったのね…」
門の前で大声でイライジャを呼んだ。 喉が枯れそうになったころイライジャがグレース様を伴って現れた。
「…ゾーイ...いや、ベルニー伯爵令嬢。もうここには来ないように伝えたはずだが?」
私を拒絶するイライジャの声が冷え冷えとしていて、これは本当にあの優しかったイライジャと同一人物なのかと錯覚を起こしそうになった。
「…いつも、いつでも私を歓迎してくれていたじゃない…イライジャ?お願い…私を屋敷の中に入れて頂戴?もう私にはいくところがないの…っ」
「....ここでは何ですから…お茶を用意させましょう。庭で宜しければ...このままではお腹のお子様にもよくございませんでしょう?」
「しかし……そうだなグレース。そうしようか。ベルニー伯爵令嬢を案内してくれ。グレース行こうc。」
私を放っておいて、イライジャがグレース様へとエスコートするために腕を差し出している。
二人の視線は絡まって、イライジャの手が自然とグレース様の頬を労わるように優しく撫でた。
思わずという風にイライジャの片腕がグレース様の腰に回り自然と二人が寄り添っていた。
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