今更あなたから嫉妬したなんて言われたくありません。

梅雨の人

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プリシアの絶望

産まれてきた男児は容貌、肌や瞳、髪の色までも、全てがルーカスともプリシアとも明らかに異なった。 

プリシアはその現実に愕然とし青ざめ震えだし、必死にルーカスに縋りついた。

しかしルーカスはその事実に怒りを湛えていたのか、縋りつくプリシアを取り払った。

仮面を取り払った素のルーカスを初めて目の当たりにしたプリシアは、頭の中でどう言い逃れをするか思考を巡らせるしかなかった。

しかしすぐに調査が行われ、その子の父親がプリシアが贔屓にしていた商会の下っ端の男だという事が判明したのだった。 

更なる調査で、プリシアはその商人以外の多くの男たちと関係を持っいたと判明し、まだエルザと婚約していた時、ルーカスが奪ったとされる純潔さえ、実際は既に失っていたと判明してしまった。 


プリシアの男爵家は成り上がりとはいえ潤沢な資産をため込んでおり、プリシアの不貞の事実が発覚しないよう莫大な口止め料を関係者たちにばらまいていたという証言まで出てきた。 

その事実は国王にすぐに報告され、その事実にさすがの王でさえも頭を抱えた。

結果その事実は王家の威信を失墜させてしまうと考えた国王は、王太子妃プリシラの不貞の事実を伏せ、生まれた子は死産したことにして修道院に預けることになった。


「信じてルーカス!!!」 

「黙れ!お前のような女の何を信じろというのだ。王太子妃教育もせず、馬鹿みたいに民の税を無駄に使い遊び惚け、私とエルザの幸せを奪ったお前の何を信じるのだ。これ以上たやすく私の名前を呼ぶことは許さない。不快だ。エルザを不幸にした上に、王家をこのような形でだましていたとはな。はははっ。お前のような女に踊らされた私自身を呪うよ、全く。」 

このルーカスの怒りの声を受けたプリシアは震えが止まらず、そこにはこれまでのようにエルザを嘲笑い自信に満ちていた姿は跡形もなくなっていた。

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