魔法少女に就職希望!

浅上秀

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第十章 後輩の教育も楽じゃない

第四話 新人戦スタート

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「新人戦?」

「本来は入社してから行うものなんだけどね」

エグチがパネルを操作すると部屋がどんどんと変化していく。

「ねぇユリ、私たち受けた?」

「ううん、受けてない」

アミとユリは小声で確認しあう。

「それじゃあ部屋の中に入って変身してみてくれ」

三人分、一部屋ずつ割り当てられる。
どの部屋も体育館ほどの広さがある。

「はい」

「はい」

「はーい」

アヤネはおどおどと部屋に入った。
サヤカとリサは堂々と入っていく。

「エグチさん、私たちはやらなかったですよね?」

アミが確認する。

「アミ、これは新人の鼻っぱしを折るためにやるものなの。だからあなたたち二人には必要なかった。修行がしたいと成長することに邁進していたからね」

エグチではなくアズが答える。

「そうなんだ。今年の子たちは癖が強いから・・・早めに出る杭は打たないとね」

エグチの眼鏡が怪しく反射した。



「皆、変身は完了したかな」

モニターには変身してコスチュームに身を包んだ三人の魔法少女が映し出されている。

「ではまず最初は簡単。目の前の壁を壊してくれ」

彼女たちの目の前にコンクリートでできた大きな壁が現われる。

「よーい、スタート」

アヤネは風魔法、サヤカは土魔法、リサは電気魔法を使うようだ。

「へぇ、中々やるわね」

三人ともすぐに壁を粉砕した。

「次は仮想怪人を倒してくれ」

奥からクローン技術で作り上げた怪人もどきが現われる。

「はじめ」

怪人が三人をそれぞれ攻撃するが、サヤカとリサは簡単に避ける。
アヤネは苦労して避けている。

「サヤカさんとリサさんは手際が良いわね」

二人のモニターを見ていたユリがつぶやく。

「どっかの誰かさんとは大違い」

アズがからかう。

「誰のことよ」

アミはむくれた。



「次で最後だ。これから出てくる人物と戦ってもらう。倒して変身を強制解除させた方が負けだ」

「強制解除?」

アヤネがつぶやく。

「変身を維持できないほどに身体と精神が摩耗した時に起こるんだよ」

エグチがマイクを通して説明する。

「さぁ行こうか」

「変身完了」

「チェンジフィニッシュ」






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