魔法少女に就職希望！

第十一章 負けられない戦いが

第一話 街中怪人パニック！？

新人たちはあの後、ボロボロのまま帰宅していった。
各々入社するまで鍛錬するそうだ。

「たいへんだ！！！」

いつも通りの平和な日常。
ここ数日はなりを潜めていた魔法少女たちの腕時計が一斉に警報を鳴らした時だった。

「全世界で異常な数の怪人が大量発生して暴れているんだ。全員今すぐに出動してくれ」

駆け込んできたエグチは告げる。

「わ、わかりました」

魔法少女たちは全員、協会の外へと飛び出し、街にはびこる怪人を倒すべく駆けだした。

…

「アミ、行くわよ」

「う、うん」

「ミヅキ」

「うん、行こう」

四人も同じ方向へ走り出す。

…

エグチが言っていたようにそこら中に怪人があふれている。

「げはははは。ぐはっ」

怪人に名乗る隙すら与えずに彼女たちは何体も倒していく。
最初は魔法で一気に何体も倒していたアズやミヅキも、だんだんと身体が絶えられなくなってきたようだ。

「ああ、キリがないっ！」

魔法少女協会を出てまだ一丁も進んでいないが、アズやミヅキは次から次へと現れる怪人に翻弄されている。

「どっからわいてくんのよっ」

「そんなに魔法を使っていたら体力消耗しちゃう」

「ロットで殴ればいけるから！」

一方、アミとユリは修行中に一日に数え切れないほどの怪人を相手にしていた。
その経験を生かして魔法を節約して怪人を倒していく方法が身についていたので、省エネモードで進んでいる。

「修行の、成果？」

アズは行き絶え絶えに尋ねる。

「そうともいうっ」

アミは強化したロットで次々に怪人を叩き潰す。

「大丈夫？」

「ありがと」

ユリもミヅキの背後にいた怪人を蹴り倒す。

「さぁ、先を急がないと」

「ええ」

「でもあいつ…どこにいるのかしら」

「大体の怪人はあっちの方向から現れるから、たぶんあっちの方角にあるどこかに巣っていうか…味と見たいのがある気がするの」

ミヅキがとある方向を指さす。

「この前会った、あの自称ボス。どうやら怪人を生み出す能力があるみたいだし、もしかしたらあいつが怪人を次々生み出して街中に放ってるんじゃ！」

「早く止めないと！」

「大変なことになるわ」

「あっちに急ぎましょ！」

四人はあの日遭遇したボスを探して怪人の大量発生を止めるべく、怪人を倒しながら進み続けるのだった。