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部活勧誘?
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AM7:30
アメは朝のトレーニングから帰ってくると、シャワーを浴びてから居間でストレッチをしていた。
母は台所でご飯の支度をしており、なにかを焼いている音やトーストの匂いがしている。
「お母さん!さっきね、走ってる子がいたの!」
開脚して前に倒れたままアメは嬉しそうに話している。
「珍しいじゃない。知ってる子?」
「ううん、初めて会ったよ。ユキちゃんっていって同級生になるんだってー」
「もう新しい友達できたの?!」
母はいつもアメに驚かされている。
「入学式終わったら一緒に部活見に行ってきていい?」
「うん見てきなさい。朝ごはんできたから運んで-」
「はーい」
朝食はだいたい目玉焼きの乗ったトーストだ。すぐに食べ終えて制服に袖を通した。
「先に行ってるね」アメは意気揚々と駆け出して行った。
さっきは走って学校まで行ったが、自転車通学だ。
いつもは遊ぶ時にしか自転車には乗らなかったから、自転車で学校まで行くのはなんだか不思議な気分だ。
中学校は飾り付けられた門や新品の制服姿の同級生たちの姿でとてもきらきらして見えた。
「ユキちゃんまだ来てないかな」ユキの姿を見つけられないまま、小学校からの同級生たちとクラス分けの表を見て教室に入った。
他の小学校から上がってきた生徒もたくさんいて、少し緊張する。
自分の席に着くと、隣の席の子が話しかけてきた。
「うちヒナタっていうんよ。よろしくな」
肌は小麦色で既に夏の陽気を感じさせる雰囲気だ。
「うんよろしくね。あたしはアメだよ」
「アメは運動部入るん?」
「うん陸上部に入りたいんだー」
「そうなんや!そしたらちょっとお願いがあるんやけど、部活見学一緒に行ってくれんかな?」
ヒナタは申し訳なさそうに笑っているが、アメはまた走る仲間ができるのかと喜んでいた。
すると後ろの席から会話に入ってくる者がいた。
「ヒナタ!先輩たちから逃げるのにアメちゃんを使わないのよ」
ユキだった。
「あれ、ユキちゃん!どこにいたの」
「ずっと後ろにいたけど、気づかないんだもん」
「ユキは影薄いからな」ヒナタが無邪気な笑みを見せたが、ユキはムスッとしていた。
ヒナタとユキは親戚らしく、小さい頃から知っているようだ。
「ヒナタちゃん先輩から逃げてるってどういうこと?」
「あーごめん、うちいろんなクラブの先輩から誘われてるんやけど、どれも入りたくないんよ。それで友達と部活見学行くって言えばアリバイができるやろ思って」
「ヒナタは運動神経はいいけど、どれもホームランなのよね」ユキが軽く皮肉る。
「ん?」アメはよくわからなかった。
「球技は苦手なんよ。それなのに先輩たちは体力あるからって……この学校からボールなくなっても知らんよねえ」
「それはボールがもったいないねえ」
「うちの心配は?!」
アメも変な返しをしていたのでユキは静かにお腹を抱えて笑っていた。
「二人ともドッジボールは得意そうね」
「ん?」二人は首を傾げていた。
しばらくすると先生が教室に入ってきて、入学式のために体育館へ移動する流れになった。
入学式では校長が延々と話している。
今朝見たおじさんに似てるとユキは思っていた。アメはキョロキョロしていたり、ヒナタは寝ていたり、そんな感じで何事もなく式は終わった。
さて、やっと部活見学に行ける。三人は一度家に帰ってジャージで行こうと決め、頃合いをみてグラウンドへ向かった。
ヒナタは何度か先輩たちに呼び止められたが、作戦通り、アメを盾にして難なくかわしていた。
グラウンドには担任がいた。
陸上部が練習しているが、ユキはすぐに気づいた。短距離選手しかいない。
アメを呼び止めようとしたが、目を輝かせている彼女を見ると躊躇してしまった。その間にアメは先生のもとへ走っていってしまう。
「先生!あのあたしたちも練習させてください!」
アメの元気なお願いに、先生も快く返事をしてくれた。
「これ自由に使っていいから」と先生が持ってきたのはスターターブロックだった。
「なにこれかっこいい」ヒナタもアメと一緒に盛り上がっている。
「ちょっと、なんでクラウチングスタートしてんのよ」とユキがつっこむ。
「たしかに、これ使ったことない」アメは真面目な顔でボケている。
「先生、私たち長距離種目がやりたいんですが」ユキが先生にちゃんと説明してくれた。
「おおそうか、でも今は短距離しかいなくて、人数もけっこういるから先生一人だと目が届かないんだよな」
「え、そんなー」アメがしょんぼりしはじめた。
「そうだ、五人いれば部活を作れるし、顧問をつけられるから、人数を集めて駅伝部とか作ったらいいんじゃないかな」先生は一応提案してくれた。
「駅伝部?」
「アメは駅伝知らないの? 何人かでたすきを繋いで競走するのよ。リレーの長距離版ね」ユキが答えた。
「あたしは長い距離走れるならなんでもいいよ」アメはとにかく走れれば何の競技でもいいらしい。
「ならあと2人は集めないとな」
「あらヒナタもやる気なのね」ユキは部活に入りたがらなかったヒナタを見てほくそ笑んでいる。
「アメにも迷惑かけたしな、ここまできて仲間はずれはひどいぞ」ヒナタは少し頬を染めて横目でユキをにらんだ。
「じゃあ明日学校中の人に声をかけよう」アメはもちろんやる気だが、行動が大胆だ。
「まじか、じゃあうちも付き合うよ。ユキもな」
「勝手に決めないでよ。まあ行くけど」
明日からは勧誘活動が始まるようだ。
次の日、ユキは朝から行動が始まるのかなと、内心不安に思っていた。知らない子に声をかけるのは、とても勇気のいることだった。それなのにアメはなんで簡単にやってのけてくれるんだろう。私にも追いかけてまで声を掛けにくるなんて。その行動力が少しうらやましい。
ユキが教室に入ると、意外にもアメは大人しく座ってヒナタと話していた。
「あら、昨日の意気込みはどうしたの?」
ユキは机に鞄を置きながら二人に話しかけた。
「おはよーユキちゃん。うーん、昨日帰ってから考えてたんだけど、一人一人勧誘するのは効率が悪いと思ってね」
「放送ジャックをしに行くのだ」ヒナタが格好つけながら言った。
「え、なにそれ」
「お昼になったら決行するよ」アメは詳しいことは言わなかったが楽しそうだ。
昼休み。
三人は放送室に向かった。
毎日、放送部が音楽をかけたり、お知らせをしているのだが、そこに目をつけた。アメはなぜかプリンを数個もっている。今日の給食のデザートだ。
「お邪魔しまーす」
「はい?」
「部活のお知らせをしたいんですが」
「いいけど、生徒会の書類がいるのよね」
「え、そうなんだ。これでなんとか3分くれませんか」アメがプリンを差し出す。
「え、くれるの! でもなー怒られるかなー」
放送部の子は葛藤しているようだ。
ヒナタがさらに提案した。
「好きな音楽はかけさせてもらえるんだったよね」
指先をCDの穴に突き刺している。
「ええ、それならいいんだけど」
「音楽かけながらマイク借りるのはいいかな」
「プリンもう1つつくよ!」
アメもヒナタと一緒にゴリ押ししている。
「うーんそれならいっか!」
放送部の子はすこし投げやりな感じで言うと嬉しそうにプリンを受け取った。
「私何もしてなかったけどいいのかな」
ユキは自分の仕事がなかったようで申し訳ないような気がした。
「こういうのは人数でゴリ押すのがいいんだよ」
ヒナタは明るくそう言いながらCDを入れてすぐにマイクのスイッチを入れた。
「あれ、音量どれだ?」
音楽が流れ始める。
「あ、これ知ってるー」
「アメちゃん、部活紹介しないと」
「わぁそうだった。こんにちは。駅伝部です。あ、まだ駅伝部じゃないんだけど、人数を集めて部活を作ろうと思ってます。私たちと走りたいよっていう人は一年一組の向風アメに声をかけてくださいね。担任の谷川先生でもいいですよ。ユキちゃんなんかあればどうぞ!」
職員室では谷川先生がお茶を吹いていた。
「えっいきなり振るの?えぇーと、は、走るのが遅くても大丈夫です。最初から速い人なんてそうそういないし、長距離は特にそう。毎日の積み重ねはきっとあなたを成長させてくれるわ」
だんだん熱が入ってくる。
「逆に何日か走らなければすぐに素人逆戻りよ!一人で走り続けられる程、私たちは強くない。だから仲間と一緒に走るの。これが私たちが部活を作る理由」
「え、そうなの?」
「アメー、台無しになってるよー」ヒナタが小声でささやいた。
「ということで、みなさんよろしくお願いします」ヒナタが締めた。
「ちょっと私恥ずかしいこと言ったみたいじゃない」
「かっこよかったよ」
「マイクきって!」
数分の放送だったが、いつもと違うぐだぐだの放送に学校中の人が耳を傾けていた。
その中の一人に登坂フウがいた。
アメは朝のトレーニングから帰ってくると、シャワーを浴びてから居間でストレッチをしていた。
母は台所でご飯の支度をしており、なにかを焼いている音やトーストの匂いがしている。
「お母さん!さっきね、走ってる子がいたの!」
開脚して前に倒れたままアメは嬉しそうに話している。
「珍しいじゃない。知ってる子?」
「ううん、初めて会ったよ。ユキちゃんっていって同級生になるんだってー」
「もう新しい友達できたの?!」
母はいつもアメに驚かされている。
「入学式終わったら一緒に部活見に行ってきていい?」
「うん見てきなさい。朝ごはんできたから運んで-」
「はーい」
朝食はだいたい目玉焼きの乗ったトーストだ。すぐに食べ終えて制服に袖を通した。
「先に行ってるね」アメは意気揚々と駆け出して行った。
さっきは走って学校まで行ったが、自転車通学だ。
いつもは遊ぶ時にしか自転車には乗らなかったから、自転車で学校まで行くのはなんだか不思議な気分だ。
中学校は飾り付けられた門や新品の制服姿の同級生たちの姿でとてもきらきらして見えた。
「ユキちゃんまだ来てないかな」ユキの姿を見つけられないまま、小学校からの同級生たちとクラス分けの表を見て教室に入った。
他の小学校から上がってきた生徒もたくさんいて、少し緊張する。
自分の席に着くと、隣の席の子が話しかけてきた。
「うちヒナタっていうんよ。よろしくな」
肌は小麦色で既に夏の陽気を感じさせる雰囲気だ。
「うんよろしくね。あたしはアメだよ」
「アメは運動部入るん?」
「うん陸上部に入りたいんだー」
「そうなんや!そしたらちょっとお願いがあるんやけど、部活見学一緒に行ってくれんかな?」
ヒナタは申し訳なさそうに笑っているが、アメはまた走る仲間ができるのかと喜んでいた。
すると後ろの席から会話に入ってくる者がいた。
「ヒナタ!先輩たちから逃げるのにアメちゃんを使わないのよ」
ユキだった。
「あれ、ユキちゃん!どこにいたの」
「ずっと後ろにいたけど、気づかないんだもん」
「ユキは影薄いからな」ヒナタが無邪気な笑みを見せたが、ユキはムスッとしていた。
ヒナタとユキは親戚らしく、小さい頃から知っているようだ。
「ヒナタちゃん先輩から逃げてるってどういうこと?」
「あーごめん、うちいろんなクラブの先輩から誘われてるんやけど、どれも入りたくないんよ。それで友達と部活見学行くって言えばアリバイができるやろ思って」
「ヒナタは運動神経はいいけど、どれもホームランなのよね」ユキが軽く皮肉る。
「ん?」アメはよくわからなかった。
「球技は苦手なんよ。それなのに先輩たちは体力あるからって……この学校からボールなくなっても知らんよねえ」
「それはボールがもったいないねえ」
「うちの心配は?!」
アメも変な返しをしていたのでユキは静かにお腹を抱えて笑っていた。
「二人ともドッジボールは得意そうね」
「ん?」二人は首を傾げていた。
しばらくすると先生が教室に入ってきて、入学式のために体育館へ移動する流れになった。
入学式では校長が延々と話している。
今朝見たおじさんに似てるとユキは思っていた。アメはキョロキョロしていたり、ヒナタは寝ていたり、そんな感じで何事もなく式は終わった。
さて、やっと部活見学に行ける。三人は一度家に帰ってジャージで行こうと決め、頃合いをみてグラウンドへ向かった。
ヒナタは何度か先輩たちに呼び止められたが、作戦通り、アメを盾にして難なくかわしていた。
グラウンドには担任がいた。
陸上部が練習しているが、ユキはすぐに気づいた。短距離選手しかいない。
アメを呼び止めようとしたが、目を輝かせている彼女を見ると躊躇してしまった。その間にアメは先生のもとへ走っていってしまう。
「先生!あのあたしたちも練習させてください!」
アメの元気なお願いに、先生も快く返事をしてくれた。
「これ自由に使っていいから」と先生が持ってきたのはスターターブロックだった。
「なにこれかっこいい」ヒナタもアメと一緒に盛り上がっている。
「ちょっと、なんでクラウチングスタートしてんのよ」とユキがつっこむ。
「たしかに、これ使ったことない」アメは真面目な顔でボケている。
「先生、私たち長距離種目がやりたいんですが」ユキが先生にちゃんと説明してくれた。
「おおそうか、でも今は短距離しかいなくて、人数もけっこういるから先生一人だと目が届かないんだよな」
「え、そんなー」アメがしょんぼりしはじめた。
「そうだ、五人いれば部活を作れるし、顧問をつけられるから、人数を集めて駅伝部とか作ったらいいんじゃないかな」先生は一応提案してくれた。
「駅伝部?」
「アメは駅伝知らないの? 何人かでたすきを繋いで競走するのよ。リレーの長距離版ね」ユキが答えた。
「あたしは長い距離走れるならなんでもいいよ」アメはとにかく走れれば何の競技でもいいらしい。
「ならあと2人は集めないとな」
「あらヒナタもやる気なのね」ユキは部活に入りたがらなかったヒナタを見てほくそ笑んでいる。
「アメにも迷惑かけたしな、ここまできて仲間はずれはひどいぞ」ヒナタは少し頬を染めて横目でユキをにらんだ。
「じゃあ明日学校中の人に声をかけよう」アメはもちろんやる気だが、行動が大胆だ。
「まじか、じゃあうちも付き合うよ。ユキもな」
「勝手に決めないでよ。まあ行くけど」
明日からは勧誘活動が始まるようだ。
次の日、ユキは朝から行動が始まるのかなと、内心不安に思っていた。知らない子に声をかけるのは、とても勇気のいることだった。それなのにアメはなんで簡単にやってのけてくれるんだろう。私にも追いかけてまで声を掛けにくるなんて。その行動力が少しうらやましい。
ユキが教室に入ると、意外にもアメは大人しく座ってヒナタと話していた。
「あら、昨日の意気込みはどうしたの?」
ユキは机に鞄を置きながら二人に話しかけた。
「おはよーユキちゃん。うーん、昨日帰ってから考えてたんだけど、一人一人勧誘するのは効率が悪いと思ってね」
「放送ジャックをしに行くのだ」ヒナタが格好つけながら言った。
「え、なにそれ」
「お昼になったら決行するよ」アメは詳しいことは言わなかったが楽しそうだ。
昼休み。
三人は放送室に向かった。
毎日、放送部が音楽をかけたり、お知らせをしているのだが、そこに目をつけた。アメはなぜかプリンを数個もっている。今日の給食のデザートだ。
「お邪魔しまーす」
「はい?」
「部活のお知らせをしたいんですが」
「いいけど、生徒会の書類がいるのよね」
「え、そうなんだ。これでなんとか3分くれませんか」アメがプリンを差し出す。
「え、くれるの! でもなー怒られるかなー」
放送部の子は葛藤しているようだ。
ヒナタがさらに提案した。
「好きな音楽はかけさせてもらえるんだったよね」
指先をCDの穴に突き刺している。
「ええ、それならいいんだけど」
「音楽かけながらマイク借りるのはいいかな」
「プリンもう1つつくよ!」
アメもヒナタと一緒にゴリ押ししている。
「うーんそれならいっか!」
放送部の子はすこし投げやりな感じで言うと嬉しそうにプリンを受け取った。
「私何もしてなかったけどいいのかな」
ユキは自分の仕事がなかったようで申し訳ないような気がした。
「こういうのは人数でゴリ押すのがいいんだよ」
ヒナタは明るくそう言いながらCDを入れてすぐにマイクのスイッチを入れた。
「あれ、音量どれだ?」
音楽が流れ始める。
「あ、これ知ってるー」
「アメちゃん、部活紹介しないと」
「わぁそうだった。こんにちは。駅伝部です。あ、まだ駅伝部じゃないんだけど、人数を集めて部活を作ろうと思ってます。私たちと走りたいよっていう人は一年一組の向風アメに声をかけてくださいね。担任の谷川先生でもいいですよ。ユキちゃんなんかあればどうぞ!」
職員室では谷川先生がお茶を吹いていた。
「えっいきなり振るの?えぇーと、は、走るのが遅くても大丈夫です。最初から速い人なんてそうそういないし、長距離は特にそう。毎日の積み重ねはきっとあなたを成長させてくれるわ」
だんだん熱が入ってくる。
「逆に何日か走らなければすぐに素人逆戻りよ!一人で走り続けられる程、私たちは強くない。だから仲間と一緒に走るの。これが私たちが部活を作る理由」
「え、そうなの?」
「アメー、台無しになってるよー」ヒナタが小声でささやいた。
「ということで、みなさんよろしくお願いします」ヒナタが締めた。
「ちょっと私恥ずかしいこと言ったみたいじゃない」
「かっこよかったよ」
「マイクきって!」
数分の放送だったが、いつもと違うぐだぐだの放送に学校中の人が耳を傾けていた。
その中の一人に登坂フウがいた。
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