6 / 28
一章 菖蒲(ショウブ)
焦燥
しおりを挟む
昼。
いつものように習いが終わって、爾比は少年たちの幾人かの姿が見えないことに気が付いた。もう少し後ろの方まで並べられていた筈の座布団が、今では随分と前の方へと固まっている。途中から小班に分かれてしまった為に(翼殿とも此の時に別班へと別れてしまった)、今まで気付け無かったようだった。
気付いた途端に爾比の心はざわついた。
ひょっとして何人かは既に見込まれて、先へと進んだのでは無いだろうか?
爾比は家紋屋敷でも覚えが悪いと叱られる事が度々あった。ひょっとしたら、此処でも爾比は上手く出来ないのではないか。
爾比は居室に戻っても落ち着かず、何度も何度も指南書を繰った。
其の日、爾比の部屋は遅くまで明りが点いていた。
いつものように習いが終わって、爾比は少年たちの幾人かの姿が見えないことに気が付いた。もう少し後ろの方まで並べられていた筈の座布団が、今では随分と前の方へと固まっている。途中から小班に分かれてしまった為に(翼殿とも此の時に別班へと別れてしまった)、今まで気付け無かったようだった。
気付いた途端に爾比の心はざわついた。
ひょっとして何人かは既に見込まれて、先へと進んだのでは無いだろうか?
爾比は家紋屋敷でも覚えが悪いと叱られる事が度々あった。ひょっとしたら、此処でも爾比は上手く出来ないのではないか。
爾比は居室に戻っても落ち着かず、何度も何度も指南書を繰った。
其の日、爾比の部屋は遅くまで明りが点いていた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
14
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる