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二章 柳(ヤナギ)
迷い人
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其の日、右衛門は起き出すと直ぐに書室に籠り、夕餉に合わせて部屋に戻ろうと廊下を歩いていた。
前夜は気を遣っている間に御前屋敷の居室に運ばれていた。
常の道を通り抜けようとした時に、常ならぬものを視界の隅に見つけて、右衛門は立ち止まった。
御前屋敷の家人のお仕着せで無い裃の其の男は、連なる襖絵の前、顔を近づけたり遠退けたりと熱心に鑑賞して居る様だった。
「其処な。迷い人かえ?」
「あ、此れは。失礼を」
弾かれた様に振り返った中年と壮年の間程の年嵩の男は柔和な顔に申し訳なさそうな色を浮かべて頭を下げた。
聞けば、親族に連れられて屋敷に参上し、如何やら置いて行かれたらしい。
「さ迷う内に、余りに素晴らしき襖絵に惹かれてしまい、思わず座り込んで仕舞いました」
男は惚れ惚れと襖絵を見た。
奇妙。
「貴公、何処ぞのご当主か?」
「あ、はい。鵜ノ宮家に婿に入りまして」
「嫁御は」
「随分前に。娘を産んだ肥立ちが悪く其のまま」
随分昔の事ですがと、俯きほろ苦く笑う男の脳裏に浮かぶのは昔日の良人(つま)であろうか。
「嫁御から御前屋敷については?」
「いえ、一度も。嫁が生きて居る頃から生活が厳しく、此の頃ようやっと楽に為って来まして。其れを知った親戚方が誘って下すったのです」
右衛門と話しながらも、男の視線は襖絵の方へと泳いだ。
「此れは何に御座いましょうね?虎では無さそう。もっと恐ろしやかな。獅子_否、饕餮等の幻想種」
譜代が御前屋敷に参上するは有る事だが、屋敷内で迷わせるとは不穏。屋敷の家人に見つかれば恐らく逃れられぬ。
右衛門は、尚も襖絵を見つめる男の腕を掴むと、門へと走った。
重い門を押し開け、男の背中を強く押した。勢い、たたらを踏んで男は外に出た。
「二度と来るな。親戚衆とも縁を切るが善かろう」
__此処は夜の国ぞ。
男を吐き出した門は直ぐに閉じた。
「右衛門や」
閉じた門の前に棒立つ右衛門の後ろ、現れた御前は右衛門を上から下まで見て笑った。
「お前は優しい子だね」
そして、腕を引いた。
「優しい子には褒美を遣らぬとな」
※
御前は、右衛門の尻たぶに挟んだ雄根の亀頭の段差を後穴の縁に引っ掛けては、こそぐ様に其の表面を摩擦した。
裏筋にぢゅばぢゅばと吸い付く後穴。
右衛門は後穴で感じる御前の雄根の血管の凹凸や亀頭の張り出しの悪辣さに啜り泣いた。
腹の奥が勝手に蠢く。何とか悦を貪ろうと尻を雄根に擦り付ける。何時かの少年が右衛門に媚びた其のままの姿に 浅ましさを自覚して、右衛門は顔を朱に染めた。
御前の雄根に尻穴擦り付けて、強請る。
ぬるい体温が其処に触れてゆっくりと圧し拓く。じわりじわりと肉の輪が広がり、
「…ぅ…ぁッ…」
軋んだ。
何時もは直ぐに内迄押し込まれ、良い処を叩かれて押し流される痛みが、じわりと進まれては身に堪え、右衛門の身体は強張った。萎える悦の徴。冷や汗。
結局の所、右衛門の体は然程には成長せず、御前の一番の太さを受け入れるには実は些か小さい。閉じている処を御前の雄根で割り拓かれる時は、此れ程の頻度で拓かれていても少し軋みがある。
御前は身を守る様に手足を胴に寄せる右衛門を見下ろすと、ふっと笑みを零し、
「…!?お!…おん!」
一突きで亀頭を圧し込め、右衛門の内の良い処を強く亀頭で突き、痼を雁首に引っ掛けては圧し潰して苛めた。
途端に嬌声を上げる右衛門は、肉の内の良い処をすっかり躾けられている。内の何処を擦られても気持ち良く、右衛門の身体は一気に体温を上げた。
小さい故に腹の道も長くない右衛門は、御前の雄根を如何にか腹に全て呑める様に成ったものの、御前の雄根は余りに容易く境界を越える。情け容赦なく尻たぶに下生えが擦れる程に突き込まれて可愛がられれば腰が抜け、翌一日は褥に伏した。
後背位で攻め立てられて、喘ぐ右衛門は膝裏を両の手で掬われた。
背面座位。慌てて畳に足を着いて深さを調節しようとするのを、御前の手に払われる。両足を開いて寝かされた間に胡坐した御前の膝がある。骨盤周りを御前の手が掴み、力ずく_。
「んごぉ!?」
濁声、御前の膝の上、尻たぶに感じる下生えと布地の感触。
まるで粗相の様に子種を垂れ流して白目を剥き、閉じる事も叶わず「あ」の形に固まった口。嘔吐く程に深くまで侵入され塞がれて、吸い出された舌は舌で絡ませたり甘く噛んだり、くちりくちりと遊ばれる。
其のまま短くとも半刻は、御前の手が跡が付きそうな程に力を込めて、臼を使う様に右衛門の尻たぶを御前の下腹に圧し付けては回し擦った。
右衛門は極彩の極楽に頭の先まで浸かった。
前夜は気を遣っている間に御前屋敷の居室に運ばれていた。
常の道を通り抜けようとした時に、常ならぬものを視界の隅に見つけて、右衛門は立ち止まった。
御前屋敷の家人のお仕着せで無い裃の其の男は、連なる襖絵の前、顔を近づけたり遠退けたりと熱心に鑑賞して居る様だった。
「其処な。迷い人かえ?」
「あ、此れは。失礼を」
弾かれた様に振り返った中年と壮年の間程の年嵩の男は柔和な顔に申し訳なさそうな色を浮かべて頭を下げた。
聞けば、親族に連れられて屋敷に参上し、如何やら置いて行かれたらしい。
「さ迷う内に、余りに素晴らしき襖絵に惹かれてしまい、思わず座り込んで仕舞いました」
男は惚れ惚れと襖絵を見た。
奇妙。
「貴公、何処ぞのご当主か?」
「あ、はい。鵜ノ宮家に婿に入りまして」
「嫁御は」
「随分前に。娘を産んだ肥立ちが悪く其のまま」
随分昔の事ですがと、俯きほろ苦く笑う男の脳裏に浮かぶのは昔日の良人(つま)であろうか。
「嫁御から御前屋敷については?」
「いえ、一度も。嫁が生きて居る頃から生活が厳しく、此の頃ようやっと楽に為って来まして。其れを知った親戚方が誘って下すったのです」
右衛門と話しながらも、男の視線は襖絵の方へと泳いだ。
「此れは何に御座いましょうね?虎では無さそう。もっと恐ろしやかな。獅子_否、饕餮等の幻想種」
譜代が御前屋敷に参上するは有る事だが、屋敷内で迷わせるとは不穏。屋敷の家人に見つかれば恐らく逃れられぬ。
右衛門は、尚も襖絵を見つめる男の腕を掴むと、門へと走った。
重い門を押し開け、男の背中を強く押した。勢い、たたらを踏んで男は外に出た。
「二度と来るな。親戚衆とも縁を切るが善かろう」
__此処は夜の国ぞ。
男を吐き出した門は直ぐに閉じた。
「右衛門や」
閉じた門の前に棒立つ右衛門の後ろ、現れた御前は右衛門を上から下まで見て笑った。
「お前は優しい子だね」
そして、腕を引いた。
「優しい子には褒美を遣らぬとな」
※
御前は、右衛門の尻たぶに挟んだ雄根の亀頭の段差を後穴の縁に引っ掛けては、こそぐ様に其の表面を摩擦した。
裏筋にぢゅばぢゅばと吸い付く後穴。
右衛門は後穴で感じる御前の雄根の血管の凹凸や亀頭の張り出しの悪辣さに啜り泣いた。
腹の奥が勝手に蠢く。何とか悦を貪ろうと尻を雄根に擦り付ける。何時かの少年が右衛門に媚びた其のままの姿に 浅ましさを自覚して、右衛門は顔を朱に染めた。
御前の雄根に尻穴擦り付けて、強請る。
ぬるい体温が其処に触れてゆっくりと圧し拓く。じわりじわりと肉の輪が広がり、
「…ぅ…ぁッ…」
軋んだ。
何時もは直ぐに内迄押し込まれ、良い処を叩かれて押し流される痛みが、じわりと進まれては身に堪え、右衛門の身体は強張った。萎える悦の徴。冷や汗。
結局の所、右衛門の体は然程には成長せず、御前の一番の太さを受け入れるには実は些か小さい。閉じている処を御前の雄根で割り拓かれる時は、此れ程の頻度で拓かれていても少し軋みがある。
御前は身を守る様に手足を胴に寄せる右衛門を見下ろすと、ふっと笑みを零し、
「…!?お!…おん!」
一突きで亀頭を圧し込め、右衛門の内の良い処を強く亀頭で突き、痼を雁首に引っ掛けては圧し潰して苛めた。
途端に嬌声を上げる右衛門は、肉の内の良い処をすっかり躾けられている。内の何処を擦られても気持ち良く、右衛門の身体は一気に体温を上げた。
小さい故に腹の道も長くない右衛門は、御前の雄根を如何にか腹に全て呑める様に成ったものの、御前の雄根は余りに容易く境界を越える。情け容赦なく尻たぶに下生えが擦れる程に突き込まれて可愛がられれば腰が抜け、翌一日は褥に伏した。
後背位で攻め立てられて、喘ぐ右衛門は膝裏を両の手で掬われた。
背面座位。慌てて畳に足を着いて深さを調節しようとするのを、御前の手に払われる。両足を開いて寝かされた間に胡坐した御前の膝がある。骨盤周りを御前の手が掴み、力ずく_。
「んごぉ!?」
濁声、御前の膝の上、尻たぶに感じる下生えと布地の感触。
まるで粗相の様に子種を垂れ流して白目を剥き、閉じる事も叶わず「あ」の形に固まった口。嘔吐く程に深くまで侵入され塞がれて、吸い出された舌は舌で絡ませたり甘く噛んだり、くちりくちりと遊ばれる。
其のまま短くとも半刻は、御前の手が跡が付きそうな程に力を込めて、臼を使う様に右衛門の尻たぶを御前の下腹に圧し付けては回し擦った。
右衛門は極彩の極楽に頭の先まで浸かった。
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