婚約破棄請負人

夜空のかけら

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あなたの代わりに言います

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倉庫街であちこちが暗闇が点在される場所。
普通、こんなところに来る女性はいない。

ただ、私はちょっと特殊なのよ。
目の前から歩いてくる男に言い放つ。

「ちょっとそこのバカ。エリーさんがあなたと婚約破棄したいそうですよ」

「お前は誰だ。知らない人にバカ呼ばわりされる筋合いはない」

「エリーさん、知っているわよね」

「あ?俺の婚約者だ。それがどうした」

「あなたはバカ?エリーさんと婚約破棄しなさい」

「なぜ従う必要がある。バカはそっちだ」

そういうと、ひっひっひと嫌らしい笑いをした。

「婚約破棄しないと、あなたの悪事が世の中に溢れるわよ」

「ふん。金づるを逃す訳ないだろ」

やっぱりそうなったか。
なら1枚手札を出しましょう。

「これ、知ってる?」

やれやれという感じで見て固まる男。

「ど、どうしてこれが…、何を何を知ってる」

「いろいろ知っているわよ」

もう1枚

「ぐごぉおぉぉ。こ、これは…」

「どうする?これを公表…表も裏もするなら…」

「分かった。分かった。エリーとは婚約破棄する。これで良いか。だから公表は勘弁してくれ」

渡された物を見て、2本指を上げる。

「これで頼む」

「まぁいいわ」

男は、逃げる様に去って行く。
目的を達した私は、エリーさんの所へ。

「3本もらったわ。2本でいい?」

「ええ、ありがとう。次も頼むわ」

「はぁ、本当にあなた度胸あるわ。私じゃ真似できない」

「またまたぁ、あなたに助けられています。いつも」

エリーとはシェア仲間。

ちょっと大きいかなという家に住んでいる。

2人の関係?

察すれば良い。

ふふ。

「何しているの、お風呂入るわよ」

「はいはい」
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