遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第7話 トーコ怒る*

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「ともえ様?帰ったんじゃないですか?」

 そういうトーコ。
 さっきまでの状態と違って、肝が冷えるような重い声だ。

「世界融合事件でね、いやいや大変なことになっちゃったこと、話さないとね」
「誰にですか?私は知っていますから、アーサーには後で話そうと思っていたのですが?」
「他にも居るから、気にしなーい」

 その言葉に続き、ふふふふと笑うともえ様

「ともえ様。笑い事じゃないですよ。ともえ様担当の2つの世界が1つになったんですよ。世界融合事件なんて、今まで誰も経験したことがない大事件ですよ」

 世界融合事件?
 また、とても不穏な言葉が。

「トーコ、ちょっと静かに。世界融合事件なんて言っているけれど、そんなたいしたことないのよ。2つの世界をまぜちゃったっていうだけだから」

 ともえ様の話をトーコがまとめ、それはまとめるとこうなった。

 ともえ様の趣味で育てていた(?)世界のうちの2つを誤って混ぜ合わせたことが今回の事件。
 元々、世界は無数にあり、その中では今回と同じような融合事件は頻繁に怒っている。
 融合事件によって、世界が崩壊したり、通常ではあり得ない間力世界になったり、並列化されて複数の世界や子世界、孫世界が生まれてしまったり、間力溜まりによって生命の発露や怪物・ありえない植生ができてしまったりする。

 今回の事件は、この融合事件の中で大事件になってしまったのは、ともえ様の過剰な対応にあった。

 世界が融合した直後に、融合によって生じた膨大な間力で世界が崩壊するのを防ぐため、中心世界である地球から250億光年より外を真っさらにしてしまった。
 全てを無に帰した。宇宙の広がる先を消してしまった。
 宇宙は拡大から収縮を始めることになってしまった。
 つまり、ともえ様が自然(という名の放置)に任せていれば、ここまで問題にならなかった。

 「でも、これで世界が崩壊する可能性は、ぐぐぐっと低くなったの。ただ、完全になくなった訳じゃなかったから、15分くらい後にもう一度、ぐぐぐっーーっと抜いたのよ。200億光年分」

 そう、1時間にも満たない時間に、1つの世界の約80%近くをともえ様が食べた。
 世界は、間力による崩壊は防げた。

 が…

「まさか、吸い過ぎているとは思わなかったわ。だから、両方の世界で種族融合が起きてしまった。魔法と科学の融合だけじゃなくて、種族の融合を始めとする秩序崩壊。他方同士で争いが始まってもおかしくなかったの。だから、私はアレを作ったの」

 アレというのは、
 魔法世界と科学世界の融合で生まれてしまい、ともえの過剰行動により生まれた融合異世界を教材にして作られた、広域娯楽施設。

 憧れの中世王国…通称ともえ天国。

 そこでは、実在の人だけではなく、ゲームのつもりで暮らしている人もいるという。
 現実と虚実が存在する世界。

 それが、融合異世界という現実になっているという。

「まぁ、今はまだ融合異世界の現実面にいるということ。だから、死なないでね。復活なんてこと、虚実側にならないとできないから」

 トーコがその後を継いで

「ともえ様は、ああ言っているけれど。気にしないで。私が全力で守るから」
「そうね。トーコならそう言うわね。まぁ、そんな訳で、これ以上ごちゃごちゃにしないようにって、大量の人員が各界から送り込まれてきたの。神族だけじゃなくて、神格持ちとか」
「私も、そのうちの1人よ。まぁ、他にもいろいろあるけれど」

 そこで開きなおるともえ様は、爆弾投下。

「融合異世界になった直後、一時的にオアシスが機能不全になってしまって」

 ?オアシス?

「オアシスは、全ての神の誕生の場所って言われている場所でね。場所は秘密という建前で、本当は誰でも知っている場所。そこで、機能不全になった原因が、ともえ様がやっちゃった急激な間力移行が影響しているって結果が出てきたの」
「知らなかったわよ。余剰間力がオアシス経由で行き来しているなんて」
「はいはい。それで、主神がこの融合異世界を暫定故郷指定みたいなのにしてしまったの」

「…段々難しくなってきたとしか」

「神々の故郷。それが融合異世界!」
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