遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第73話 ともえ様からのお願い

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この町に帰ってきた5人。
厳密には違うのだろうけど、面倒だからという投げやりな話で歓迎会が開かれることになった。
ただし、参加者は各家の当主と静野家、朝日家に限るもの。

歓迎会というには、ちょっと堅苦しい感じ。
ともえ様は、婆ちゃんの説教で撃沈されて、落ちているらしく、ここにはいない。

誰も話さないという歓迎会はどうかと思うけれど、四姉妹は話さなくても通話可能だし、当主や塔子も、にやにやしているところを見ると別手段での意思疎通方法があるのかもしれない。
…知らないけれど。
後で教えてもらえば良いか。

隣に座っていた春が、腕に触れてきた。
すると、四姉妹の会話が流れ込んできた。

「お兄さん、呼んじゃいました~」
「「おお」」

賛同したのは、夏と秋。
冬は、何も言わないが、いつものこと。
賛同はしているんだろうな。

「ねぇねぇ、兄ちゃんは塔子さんの心を打ち抜いたんだよね?」

と秋が言えば、

「違うよ~、塔子さん。始めから狙っていたよ~」

と、秋が言う。
しかし、…どうして、そんなこと知っているのだろうか?

「今さっき、本人から聞いた。いや、伝わってきた……、はい!余計なことは言いません」

ん?
話していないのに、読まれてる??

「ここにいる時は、心の声は隠せないの。だから、さっきから独り言は漏れ聞いているわ。あと、塔子さんとは…内緒。分かるかも知れないけれど」

春がこっそり教えてくれる。

なるほど。
今までの会話が筒抜けなんだな。

「お兄さんとは、物理接続しているから会話が可能なの。普通は、塔子さん辺りが知っていると思うから、教えてもらえば…と思うわ」

歓迎会は、表向き厳粛に行われたが、入り乱れる(?)心の会話で、騒がしく終了した。

その夜。
ともえ様が朝日家に尋ねてきた。
今までどこにいたのかは、分からないが。

「お願いがあります」

いきなりなんだ?

「つい最近、融合異世界に旅立ってしまった婆ちゃんの家族がいます。神宮家に連なる者ですが、この人のサポートをして欲しいのです。現時点では、ミコトがサポートについていますが、長時間は難しいので」
「その人は?」
「この町の出身ですが、神宮家に婿入り…した男性です。表向き家業は、ゲーム会社ですが、当人はゲーム世界に入り込んだと思っています。とても、危険な状況です」
「危険、危険、危険?」
「あなたが塔子と会った世界です。ゲームと違い、死ぬと復活できない世界」

あれ?
あの世界は、ゲームだろ?
ログアウトしたよな、おかしいな。

「…ログアウト前でも、死んでいれば、こちらでも死亡…よ」

はぁ~?
なんだそれは。
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