76 / 175
第75話 全身打撲
しおりを挟む
いきなり叩きつけられた。
何が起こったのか分からない。
全身が痺れているのか、硬直して動かない。
命の危機が迫っているかのような焦りが生まれる。
しかし、身体が動かない。
いつもなら、力を入れれば動けるはずなのに、全く力も入らない。
いや、そもそも身体の感覚も怪しくなってきた。
身体が動かないということは、呼吸も怪しい。
気がつけば、ほんの少しだけの呼吸になっていた。
苦しい、もっと呼吸をしたい。
そう思っても身体は動かず、目の前が真っ暗になり始めた。
何が起きているかの判別もできなくなってきた。
呼吸をしよう、しようという焦りと混乱のまま意識が消えてい…った?
気がつくと、ともえ様が隣に。
「はい。全身打撲からの臨死体験。どうだった?」
「…生きてる」
「もうちょっとで、死んでいたけれどね」
「…生きている」
「次のに、行きましょう」
「生きてる?死ぬ?え??」
「はぁ~。生きているし、自由だから落ち着いて」
すぅ~、はぁ~、すぅ~、はぁ~
呼吸ができる。
今まで呼吸を意識したことなかった。
身体も同じ。
こう動かそうと思った通りに動く。
当たり前のことができるのが、こんなにも嬉しいものだとは思わなかった。
自分の思ったとおりにできると思って感動したのも少しの時間が経つと気持ちが変わり始めた。
自然にできる呼吸も意識しなくなったし
自分の思い通りに動く身体にも意識が向けられなくなった。
その代わり、心の復活が遅れているのが分かる。
そう、また同じ事になったら、どうしようかという恐怖心だ。
死にそうになった以前
記憶封鎖される前の自分に戻ることも
さらに、死にそうなことをまた体験するなど、
自らの心が壊れてしまうのではないかというくらい、恐怖心が湧き上がってくる。
荒い呼吸を繰り返したり、身体に力を入れたりと、生きている事を確認している間、何も言わずに見ていたともえ様が
「落ち着いた?」
そう尋ねてくる。
「あまり」
これだけでも、やっと返すことができた言葉。
「まぁ、最初はみんな同じよ。神族になっても、神族特典というものはなくて、唯一の特典は、長命種っていうことだけね。不老不死でもないから、老いていくし」
神族の実態?について、聞いたのは初めてだった。
何かの特典?があるのかと思っていたが、違ったらしい。
「でも、神族になってからすぐに、この儀式だけはしておかないと」
「神族、止められませんか」
そう、聞いてしまうのは仕方の無いこと。
「神族になったのが、幼かったトーコにも同じ…もっとひどい死に方をしているのよ。これくらい乗り越えなさい。記憶封鎖!」
ともえ様の言葉により、自らの記憶が封鎖、自分自身が何者かも忘れて、次の…
何が起こったのか分からない。
全身が痺れているのか、硬直して動かない。
命の危機が迫っているかのような焦りが生まれる。
しかし、身体が動かない。
いつもなら、力を入れれば動けるはずなのに、全く力も入らない。
いや、そもそも身体の感覚も怪しくなってきた。
身体が動かないということは、呼吸も怪しい。
気がつけば、ほんの少しだけの呼吸になっていた。
苦しい、もっと呼吸をしたい。
そう思っても身体は動かず、目の前が真っ暗になり始めた。
何が起きているかの判別もできなくなってきた。
呼吸をしよう、しようという焦りと混乱のまま意識が消えてい…った?
気がつくと、ともえ様が隣に。
「はい。全身打撲からの臨死体験。どうだった?」
「…生きてる」
「もうちょっとで、死んでいたけれどね」
「…生きている」
「次のに、行きましょう」
「生きてる?死ぬ?え??」
「はぁ~。生きているし、自由だから落ち着いて」
すぅ~、はぁ~、すぅ~、はぁ~
呼吸ができる。
今まで呼吸を意識したことなかった。
身体も同じ。
こう動かそうと思った通りに動く。
当たり前のことができるのが、こんなにも嬉しいものだとは思わなかった。
自分の思ったとおりにできると思って感動したのも少しの時間が経つと気持ちが変わり始めた。
自然にできる呼吸も意識しなくなったし
自分の思い通りに動く身体にも意識が向けられなくなった。
その代わり、心の復活が遅れているのが分かる。
そう、また同じ事になったら、どうしようかという恐怖心だ。
死にそうになった以前
記憶封鎖される前の自分に戻ることも
さらに、死にそうなことをまた体験するなど、
自らの心が壊れてしまうのではないかというくらい、恐怖心が湧き上がってくる。
荒い呼吸を繰り返したり、身体に力を入れたりと、生きている事を確認している間、何も言わずに見ていたともえ様が
「落ち着いた?」
そう尋ねてくる。
「あまり」
これだけでも、やっと返すことができた言葉。
「まぁ、最初はみんな同じよ。神族になっても、神族特典というものはなくて、唯一の特典は、長命種っていうことだけね。不老不死でもないから、老いていくし」
神族の実態?について、聞いたのは初めてだった。
何かの特典?があるのかと思っていたが、違ったらしい。
「でも、神族になってからすぐに、この儀式だけはしておかないと」
「神族、止められませんか」
そう、聞いてしまうのは仕方の無いこと。
「神族になったのが、幼かったトーコにも同じ…もっとひどい死に方をしているのよ。これくらい乗り越えなさい。記憶封鎖!」
ともえ様の言葉により、自らの記憶が封鎖、自分自身が何者かも忘れて、次の…
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー
白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。
その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。
人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。
異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ
主人公はあまり戦ったりはしません。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる