103 / 175
第102話 階段の降り方
しおりを挟む
「瞑想は各々で獲得してもらうが、レベルやランクが上がっても、回復上限は変わらないから注意だ。そして、今の微少魔法は、瞑想と逆の集中力が必要だ。あらかじめ、魔法行使の時間を定めておくからな」
「魔法行使の時間ですか?」
「…そうだ。朝日君」
「アーサーという名前なんですが」
「言いにくい」
視界の端にいたトーコも頷いている。
名前で呼ばれることが少ないのはそのせいか。
まぁ、トーコの場合は“お兄ちゃん”呼びをしたいのだろうけど、夫婦になってもその呼び方は、誤解の元だからな。
呼び名として、何か考えることにしようか。
「考えます」
「何を?」
「名前を。それはそうとして、魔法行使の時間とは何ですか」
「そのままの意味だ」
「いやまぁそうでしょうけれど、魔力操作との関係が分かりません」
「魔法行使の始点と終点を魔力操作で決めて、その後に必要な形へと変える。氷の針は、針の形状の固定と火の縄の造形・移動・熱伝播の抑制を決めている。もちろん慣れないと、魔法行使もそうだがMPが足らなくなる」
「先生。この中…鉢の中だとそんなに大した魔法を発動できるとは思えないのですが」
「まぁ、慣れだな慣れ。ランクが上がるということは、こういうことも出来るということだ。慣れないと、個別の魔法発動となってしまい、MPの過剰使用であっという間にMPが切れるぞ」
「まだ、私たちにはこの魔法を使えないっということですか」
「魔力操作ができれば、こうなるという一例だな」
「個別発動でMP枯渇も分からないです」
「あ~、そうだなぁ…。階段を降りるに、必要なものはなんだ?」
「え?階段を降りるだけじゃないのですか」
「質問を質問で返してどうする。もっと、良く考えろ」
「え。でも、階段を降りるですよ。他に考えようもありません」
「魔法、使えなくなるぞ。まぁ、いい。答えは、まず段差手前に“移動する”、段差上から下へ“身体を降ろす”、下の段差に着地する前に“減速する”、段差に身体を完全に“置く”…どうだ?」
「言われれば、そうですけれど、意識していませんよ」
「無意識だと言うのかも知れないが、無意識なのは“そういう風に動くと簡単”だから。脳の処理能力にも問題があってな、無意識だと脳の処理に負担が掛からない。意識的に物事をしようとすると、どうしても処理能力を圧迫するからだが、問題は集中して物事を行うことと似ていないか?」
思い返す。
階段の降り方。
無意識。
脳の処理能力。
集中して物事を行う?
「魔法行使の時間ですか?」
「…そうだ。朝日君」
「アーサーという名前なんですが」
「言いにくい」
視界の端にいたトーコも頷いている。
名前で呼ばれることが少ないのはそのせいか。
まぁ、トーコの場合は“お兄ちゃん”呼びをしたいのだろうけど、夫婦になってもその呼び方は、誤解の元だからな。
呼び名として、何か考えることにしようか。
「考えます」
「何を?」
「名前を。それはそうとして、魔法行使の時間とは何ですか」
「そのままの意味だ」
「いやまぁそうでしょうけれど、魔力操作との関係が分かりません」
「魔法行使の始点と終点を魔力操作で決めて、その後に必要な形へと変える。氷の針は、針の形状の固定と火の縄の造形・移動・熱伝播の抑制を決めている。もちろん慣れないと、魔法行使もそうだがMPが足らなくなる」
「先生。この中…鉢の中だとそんなに大した魔法を発動できるとは思えないのですが」
「まぁ、慣れだな慣れ。ランクが上がるということは、こういうことも出来るということだ。慣れないと、個別の魔法発動となってしまい、MPの過剰使用であっという間にMPが切れるぞ」
「まだ、私たちにはこの魔法を使えないっということですか」
「魔力操作ができれば、こうなるという一例だな」
「個別発動でMP枯渇も分からないです」
「あ~、そうだなぁ…。階段を降りるに、必要なものはなんだ?」
「え?階段を降りるだけじゃないのですか」
「質問を質問で返してどうする。もっと、良く考えろ」
「え。でも、階段を降りるですよ。他に考えようもありません」
「魔法、使えなくなるぞ。まぁ、いい。答えは、まず段差手前に“移動する”、段差上から下へ“身体を降ろす”、下の段差に着地する前に“減速する”、段差に身体を完全に“置く”…どうだ?」
「言われれば、そうですけれど、意識していませんよ」
「無意識だと言うのかも知れないが、無意識なのは“そういう風に動くと簡単”だから。脳の処理能力にも問題があってな、無意識だと脳の処理に負担が掛からない。意識的に物事をしようとすると、どうしても処理能力を圧迫するからだが、問題は集中して物事を行うことと似ていないか?」
思い返す。
階段の降り方。
無意識。
脳の処理能力。
集中して物事を行う?
0
あなたにおすすめの小説
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界召喚は7回目…って、いい加減にしろよ‼︎
アノマロカリス
ファンタジー
『おぉ、勇者達よ! 良くぞ来てくれた‼︎』
見知らぬ城の中、床には魔法陣、王族の服装は中世の時代を感じさせる衣装…
俺こと不知火 朔夜(しらぬい さくや)は、クラスメートの4人と一緒に異世界に召喚された。
突然の事で戸惑うクラスメート達…
だが俺はうんざりした顔で深い溜息を吐いた。
「またか…」
王族達の話では、定番中の定番の魔王が世界を支配しているから倒してくれという話だ。
そして儀式により…イケメンの正義は【勇者】を、ギャルっぽい美紅は【聖戦士】を、クラス委員長の真美は【聖女】を、秀才の悠斗は【賢者】になった。
そして俺はというと…?
『おぉ、伝承にある通り…異世界から召喚された者には、素晴らしい加護が与えられた!』
「それよりも不知火君は何を得たんだ?」
イケメンの正義は爽やかな笑顔で聞いてきた。
俺は儀式の札を見ると、【アンノウン】と書かれていた。
その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
HOTランキングで6位になりました!
6月23日
HOTランキングで4位になりました!
昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
HOTランキングで2位になりました!
皆様、応援有り難う御座いますm(_ _)m
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国辺境でただ静かに生き延びたいだけの少年・ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、母が遺したノートに記された、物理法則を応用した「高圧魔力」の理論と、徹底した費用対効果至上主義だけだ。
敵国三千の精鋭が灰燼城に迫る絶望的状況。ヴァンは剣を振るわず、心理戦と補給線攪乱だけで、たった三日で敵軍を撤退させる。
この効率的すぎる勝利は帝国の中枢に届き、彼は最高峰の帝国軍事学院への招待状を手に入れる。
「英雄になりたいわけじゃない。ただ、母の死の真相と父の秘密を知るため、生き残らなきゃならないだけだ」
無口最強の仮面メイド・シンカク、命を取引に差し出した狼耳少女・アイリ。彼は常にコスパの高い道を選び、母の遺したノートの謎、そして生まれて一度も会ったことのない父・帝国大元帥のいる帝都の闇へと踏み込んでいく。
正義も英雄も、損をするなら意味がない。合理主義が英雄譚を侵食していく、反英雄ミリタリー学園ファンタジー。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる