遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第169話 融合異世界の移動

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「この魔法学校があるのは、融合異世界の仮想側なの」
「仮想?」

「そう、現実ではなくて、仮想世界。すなわち、バーチャルリアリティーの世界。でも、現実世界にも同じ場所はあって、そこと仮想世界はある所は重なり、ある所は別の施設や家屋があるの。複雑だけれど、そこに住む人達は、どちらにも存在する。個々の動きは、仮想世界にあるシステムによって制御されている訳ではない。現実の動き」

混乱しそうだ。
何々、仮想世界のこの世界は、現実にもあって…なんだって?

「簡単に言ってしまえば、現実世界には仮想世界と同じ物があるということ。魔法ももちろんあるわ」
「融合異世界になってからだろ」
「確かにそう。そうなんだけれど、科学技術を極めていた文明は、精神文明という名の文明に昇華しそうになっていた時に、魔法技術を極めつつあった文明が、それを強引に昇華させてしまった。精神文明は、あらゆる物に宿る精神をあるときは利用し、あるときは排除して自らをさらなる高みを目指すもの。本当なら、順序を経て昇華するものが突然来て、科学側はこのままだと絶滅の危険性があったの。だから、現実と似ている世界を作って、そこに科学側の者を送り込んだ。順序立ててかつ高速で進化させるために」
「でも、最初はゲームにログインして…まさか」
「ゲームと言っても、VRの世界は現実と変わらないものを作り出すことは容易だわ。現実にある施設をそのまま使えばいいのだから。そして、魔法は科学側の者にとっては未知の領域。ライトノベルとかで魔法の存在を知っていても、それを扱える人は、ほとんどいないわ」

確かに魔法の存在は知っている。
しかし、それだけだ。
使い方など知らない。
その使い方を知るには、知っている人に教えてもらうか、学校などで教えてもらうということ。
そう、ここが魔法学校であるように。

「科学側の人に、魔法を教える。魔法学校か」
「この魔法学校は、ほぼ重なるように、いくつかの学校が存在しているわ。これも魔法によるものだけど、その魔法や各学生の能力の底上げを行っている魔力は、ある場所から供給されている。そのある場所が、魔力との親和性が高い天界よ」
「天界…天使が住まう場所か?」
「天使はいないけれど、その天界であっているわよ」

「しかし、誠と真名ちゃんがここにいるのは、なぜだ」

「この子たちのお父さんが行方不明になったの。いくつかの証拠を重ねれば、こちら側の世界へ、そのままの状態で運ばれたと思われるの」
「そのままの状態?」
「電子情報体ではなくて、生身でVR世界に連れてこられたということよ」
「そんなことが可能なのか?」
「普通はダメね。だから、今後の事も考えて、融合異世界の移動を早めて実行する予定よ」
「融合異世界の移動?」
「そう、異世界という不安定な状態を固定する。全ての世界を管理している層状世界の近くへ、地界第540層、それが目的地よ」
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