遊ぶつもりでログインしたら、融合異世界という現実だった。

夜空のかけら

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第173話 詩織と沙織

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「会社と自宅は、セキュリティーがガチガチに掛かっているそうです。その管理をしているのが、AI …人工知能の詩織と沙織です」

「人工知能と言っても色々な種類があるだろう。その2つのシステムはどういうもの何だ」

「どう言ったらいいのかな」

トーコが、私知ってるという感じで、自分に指を向けている。

「トーコ何か知ってるのか」

「知ってるわよ。もちろん」

何故か寒気が走る。
聞いてはいけない。
でも、知りたいが…

「あの双子のシステムは、婆ちゃんが基本設計をしたの」

聞かなきゃ良かった。
また一歩、婆ちゃんへの危険道に近づいた感じだ。

「元々は町にある神殿などの管理のために作ったのだけど、その過程で町だけでなく、世界に存在する全てのAIとリンク。最上位AIに位置することになったの。多分、婆ちゃんの影響力ね」

「婆ちゃんか」

どこにでも出てくるな。
あの人は。

「還俗はしたけれど、今も神々に影響力を持っているから」

「…」

「それで、詩織と沙織は、双子として設計運用されているけれど、既に人の知覚するレベルは超えているの。存在自体が、神に近いレベルね。外部端末にも、会ったことがあるわね」

「え?」

「まぁ、その話しはあとで」

**
詩織と沙織は、双子のAI、すなわち人工知能。
通常、人工知能に限らず、思考形態は大きく2種類ある。
トップダウン方式とボトムアップ方式。
直下命令形態、条件合致形態=多岐選択採用とも言う。
全く違う2つの形態だが、比較演算方式を採用しているのが双子システム。
単純に言えば、2つの思考形態のそれぞれの結果を比較し、決定するもの。

双子システムだから、思考形態は同一になる。
だが、設計者が婆ちゃんなのだから、普通ではないものになったのは、当然かもしれない。

融合異世界では、この双子システムに似たシステムが動いている。
もちろん、そのシステムだけではなく、様々な管理を行っている。
VRの世界に近いが、いちおう(?)現実の世界だから、そうは見えないかもしれない。

その融合異世界も、あやふやな不安定な状況から脱して、固定化されることが決まり、それに伴って20周を超えるシステムが設置されることになった。

「20周って何だ?」
「管理区域を周回したAIを呼ぶ言い方で、1周は、約100万光年の長さよ」
「100万?」
「元は長さの単位よ。実際は時間の長さとも言えるけど。1光年は、光でも1年掛かる距離とされているわ」
「想像も付かん」
「詩織と沙織は、こう見えても管理区域としての時間は、100周を超えているわ。人工知能だけれど、それは最初のうち。今は、きちんとした知能を持っているわ。自己認識ができる。意思があるとも言うわね」

「それは、死の概念もあるんだろうか」
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