全知全能の知的謙遜

夜空のかけら

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全知全能の知的謙遜

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 「おまえすごいな。なんでも知っているって、みんなそんなことを言うのは納得するよ」

 「いやいや、そんなことないって」

 「またまたぁ~、謙遜しなくてもいいよ。おまえだけじゃない、嫁さんもすごいって聞いてるぞ」

 「嫁さんはすごいぞ。俺よりもすごいぞ」

 「ずいぶん、嫁さんを持ち上げるんだな」

 「そりゃあ、そうさ。俺のこと全部分かっているんだぞ」

 「そりゃすごいな。ちなみに、どんなことを分かってるんだ?」

 「今日、話をした女の姿形から何を話していたかまで…」

 「…おまえ、覚えてる?」

 「…俺は、何でも知っている訳じゃないと実感させられるよ」

 「何か違うような気がするぞ」

 「気のせいだ…」
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