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95回目 聖女と魔女

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「ローズ、お前は魔女だな。俺は聖女と結婚する。お前は、婚約破棄と同時に国外追放だ」

「確かに、私は魔女ですが、聖女でもあるのですよ」

「ミミーは、聖女だと言っていた。ミミーと結婚する。魔女はいらん」

おかしいわね。
魔女にならないと聖女にもなれないのだけれど。

そもそも聖魔術という魔法の一つだし。

「そのミミーという聖女は、どちらに?」

「なんだ魔女という者が見えていないのか、さすがに魔女だな」

王子に纏わり付く猫が1匹。

これか?

猫好きな王子だ、何か狂って…いやいや、後追いは危ない。

「いえ、分かりました婚約破棄を受けます。国外追放も」

「そうか、ならさっさと国外へ行け。戻ってくるな」

城から城へ通じる廊下を歩きながら、

「国外追放と言っても、隣国とは壁を隔てて隣。歩いて1分で国境なんだけれど」

そのまま、自城へ。

「ただいま」

「お帰りなさいませ」

「国外追放を受けたわ」

「それは、おめでとうございます。では」

「ええ、こっち側は閉めておいて」

これで、アホな王子から逃れることができたわ。

猫好き魔女嫌いでよかったわ。
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