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160回目 真実の愛姫

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愛しているぞーーーー

誰にも見せたくないぞーーーー

うぉーーーー

「はぁ。もはや言葉もないのか~」

海に向って叫んでいるのは、我が父。

ため息をつくのは、その父の子である私。

真実の愛…の女の子だったから、あいひめ。

愛姫と名付けられた。

はっきり言って、母からは父などの回収係りを任されている。

「うぉーーーー」

そんな声が海の向こうから聞える。

「はぁぁぁぁぁぁぁあ~」

ため息も深くなるものだ。

この後、父だけではなく、海向こうにポコポコ生まれた弟どもを回収しなければならないのだ。

「不幸だ」

創造神の父は、その行動で神をポコポコ生まれさせ、

破壊神の母は、その父のポコポコ神をばっさばっさと消滅させる。

実に、夫婦神。

役割がはっきりしている。

ただし、夫婦の契で生まれたのは、私だけ。

そろそろ、ポコポコ以外の弟神もほしい。
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