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3人は出会わないw

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異世界転移。

それは、一部の人のあこがれだ。

今日も、どこかの世界から喚ばれる人がいるに違いない。

*

「…なぁ、この人、前に召喚されなかったか?」

「1ヶ月くらい前…かしら?消えていなくなったはずね」

目の前にある召喚陣から出てきた人物は、以前召喚で来てくれた人。

「お久しぶりです。また、ここに来ました」

「ええ、お久しぶりですが、ここからいなくなりましたよね?」

「そうですね。他からも喚ばれたらしくて、そちらへ行っていました」

「他から喚ばれた?」

「私の前に喚ばれた女性が、突然いなくなったとかで、追加で喚ばれたのですよ」

召喚が終わって、ほっとしているところへのその発言で、魔法師団長がびっくりした顔をしている。

「女性の名前…分かりますか?」

「ええと、詩織さん…だったかな」

詩織とは、この男性の前に召喚した女性の名前だ。

その詩織さんも召喚した後に突然消えていた。

「そういえば、他から喚ばれたときも同じ事、聞きました。あと、詩さんという方が、詩織さんの前に召喚されたと聞いています」

その名前に二度びっくり。

「これって、どういうこと?」

「3人で、出たり消えたりしているってことでしょうな」

詩さん、詩織さん、男性。

召喚後、しばらくすると突然消えてしまい、また召喚すると順番のように召喚される人たち。


だからだろうか…

「召喚される異世界には、3人しかいない!」

と誤解されたのは。

3人で出会うことがあるのだろうか…

今のままだと難しいな。

まるで“ところてん”のようだし。
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