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39 転職

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帰ってきて早々、ともえ様とハジメが話している。
今日の感想を聞いているようだ。

しかし、私はこのままなのかな。
ゲームからキャラクターのまま、この世界に来て、さらに融合異世界まで行ってしまった。
思えば、融合異世界もゲームではなく現実の世界で、この世界樹もゲームではなく現実。
しかし、私はゲームのままの設定・格好・身分?
せめて、自分の身体に戻りたいな。
疲れたし。

「ともえ様、私はこのままですか?」

2人の会話の邪魔をするのは、気が引けたけれど、ここで聞かないと私は休めないと思った。
それに明日は出勤だし。
しかし…

「いちいち現実に戻るのも面倒くさいかと思っていたのだけど、戻る?」
「戻りたい。でも、明日は仕事だし」
「転職したわよ」
「え?」
「転職して、あなたの世界にある私の関連企業に移籍したから」
「聞いていない」
「少しだけ話したわよ」
「全部言ってくださいよ。すると明日は…?」
「泊付きの出張扱いになっているわ」
「はぁぁぁぁ~~~」

聞いていないよ。
全然、そんなこと言った?
思わず深いため息が出た。

「あ、社宅どうしよう」
「そっちは事情を説明して、1ヶ月以内に引っ越すことで話がついているわ」
「あああああ…」

もはや意味のある言葉が出ない。
あの会社、気に入っていたのに…。
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