運命のいたずら世界へご招待～

61 高いのか？

すると、

「これって高いのか？」

ああ、そこからか。
確かに分からないわよね。
そういえば、この世界もどれくらいなのか聞いたことなかったわ。

誰に聞く？

「ええ、高いわよ。おまけにスキルの数も多いの」

そうだ。
この空いた時間を使ってハジメにいくつかのスキルを持ってもらいましょう。

「俺のスキルはどうなんだ」
「たぶんないと思うから、スキルをいくつか取ってみましょう」
「そんなに簡単に取れるものなのか？」
「ものは試し。やってみるわよ」

いくつか簡単に取れる暗視とかをやってみた。
私も意外に思ったのだけど、取ること自体は簡単だった。
問題はスキルレベルのこと。
スキルは、スキルレベルによって出来ることが違ってくる。
高ければ高いほど高度な、そして使いやすく優秀なスキルになっていく。
基本レベルの４を考えて教えていく。

教えていく中で、スキル安静を取った時にハジメが質問してきた。

「さっき、スキル安静のところで数字が付かなかった。なぜだろう」
「ああそれはね、スキルレベル４、５，６は基本レベルだからレベル数は言わないの。７になった時にはまた言うようになるけれど、ほとんどの場合は基本レベル止まり。問題はないわ。ほとんど」
「ほとんどか」

結果、ハジメのスキルはこうなった。

安静（多分４）、暗視３、集中3、気配察知2、予測１

なんだか効率が悪いわね。
やっぱり。
実戦ではないズルをしている感じがあるからだろうか。
予習という感じで考えたのだけど、これにも問題がある。