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89 GM権限付与

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魔法を安全に放てる場所が必要よね。
どこのフィールドがいいかしら。
どこも一長一短があって選択しずらいのよね。

あれ?
GMからメッセージが届いている。
何だろう?

「町のお婆ちゃんから話しは聞いています。このゲームの運営会社は町役場の外部団体です。できる限りの便宜をはかるようにとのことでしたので、GM権限を付与しますのでお使い下さい」

お婆ちゃん…すごい!
でも、運営会社が町の外部団体って初めて聞いたよ。
あの町はすごいね!

そういうことなら、魔法の試射場が良さそう。
本当にあるとは思わなかったけれど、あそこなら安心。
モンスターや他のプレイヤー、NPCが出てこないし、MPも消費しないし…あれ何か忘れている気がする。
なんだろう。

目の前にハジメがいることを一瞬忘れそうになってしまったのが、問題だったと思ったが、実は違うのに気がつくのはしばらく経ってからだった。

「それでゲームで試そうとした訳か。ここのゲームがまさか天界でも知って…ああ、私の逆パターンなのか」
「逆パターン?」
「私はゲームから融合異世界へのコンバートみたいなもの。要は、遊びから現実への移行なのに対して、ハジメは現実からゲームへやって来た。ほら、見事の逆パターンだわ」
「なるほど。コア・ブレインが知っていたのも、これがあったからか」
「うーん、ゲーム自体は知っていたと思うのよね。このゲーム、あの町の外部企業が運営やっていたらしくって、さっきGMが挨拶を飛ばしてきた」
「挨拶を飛ばす?」
「メッセージを送ってきたってことよ。まぁ、それはいいとして、魔法の練習か。私も魔法でやりたいことがあったから、魔法の試射場に行きましょう」
「そんな便利なところがあるのか」
「一般プレイヤーは知らないわよ。GM権限でたまにテストプレイなどで使用する場所だから。さっき、権限の移譲があってねって、それはいいや」
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