【完結】いわゆる婚約破棄だったが、見ているだけではない。

22 損得感情者→大商人の息子編④ 生徒会で会計をするのは、お約束なのか？。

学園に入学する際に、学園長からお願いされたのが、生徒会という名の学生互助会組織の入会だった。



しかも、会計という役職の。



ただし、名ばかり会計という。



主な仕事は、雑用。



なんだ、今までやってきたことと変わらないじゃないか。



お願いを受託することと、そのお礼として次年度に留学させてほしいと言ったところ、意外とすんなり要望が通った。



入学前から考えていたのは、他国への留学。



前世は、なんだかんだ言っても、国内で終わってしまったので、周りを見る余裕がなかったのだと思う。





そんなこんやで、入学と同時に生徒会入り。



生徒会長は、同時入学の王族…王太子だ。



ここまでは、前世と同じだが、公爵令嬢との婚約はないところが大きな違い。



その王太子から、御用達にと打診があったが、断った。



前と違い、すでにお店で働いていて、特別扱いされていないことも一因としてあった。





約1ヶ月遅れで、男爵令嬢が編入学されてきた。



なぜか、王太子は前日に男爵令嬢を連れて園内を案内するから生徒会は欠席すると言ってきた。



それはいい。



むしろ、いない方が仕事がはかどる。



王太子に決裁してもらうものもあるが、基本的に何もしない。



そのため、生徒会担当講師に相談して王太子を通さずに、各持ち場の書類は自らのところで専決権…自らの権限において、決裁しても構わないとなった。



生徒会長なのに、名ばかりで何も仕事がないという。



そんな生徒会長が、やらかしてくれた。



“男性進入禁止エリア侵入事件”である。



女性のほとんど－生徒も講師も来賓者も－が、単独かつ無断で入ったと大騒ぎしている。



王太子は、男爵令嬢に連れてきてもらったと言っていたが、男爵令嬢は『今日』編入学。

学園内施設などは、分からないところも多いはずで、王太子を発見した者に言い訳をしたものの即座に否定されていた。