【完結】いわゆる婚約破棄だったが、見ているだけではない。

夜空のかけら

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72 諦める者→公爵令嬢⑯ 悪役令嬢では、なくなる日。

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「どうした?」

「い、いえ。ちょっとトイレへ…」

なんという、ベタな返し方。

「同行しよう」

線の細い方。

「うむ、人数が多い方がいい」

…№2?

「あ?」


王太子が困惑しているが、それを無視して王太子側取巻き男3人退場。

その時には、平民娘の取巻きは全員いなくなっていて、

「ごめーん、友だちが呼んでいるから、いってくるね」

という言葉をかけて、王太子の周りには人がいなくなった。


文字通りの孤立無援。


それでいて、誰かに、いやかなりの圧迫感がある。

これを、さも誰かに見られているという。


断罪劇は、劇というだけあって、誰かに見せるものだと思う。

観客が必要なのだ。

その観客が、その登場人物を熱く(?)させ、感情の高まりとともにクライマックスに流れ込む。

そんな感じ。


で、


「ふん、事実は変わらん」

「なんの事実でしょうか?学園に行っていない私には、平民娘に対して何も出来ませんし、そもそもそんな人がいたなんて知りませんよ」

これは、ウソ。

学園にいなくても、情報は入ってくる。

名誉学長は、おじさま。

つまり、王宮経由ということだけど、王太子は忘れているわね。

「王太子…すなわち、この王国の次期王は俺だ。俺の言うことには間違いがなく、おまえの言い分を聞く者などいるわけがない。おまえは、自分が善人だと思っているようだが、間違いなく悪人。悪役令嬢だ」

悪人令嬢じゃなく、悪役という点がミソ。

そう、演じているの。

これまでの悪役令嬢も同じ。

根っからの悪役令嬢は、そう言われない。

悪人とか極悪人とか、令嬢なんて言葉も使われない。


「失礼ですわね。先ほど、次期王の指名も受けましたのに…」


さきほど、王妃に抱きつかれ、それを見たおじさまから直接でした。

正式な発表は、まだですが。

「何を言っている。王の子どもは他にはいないのだぞ」

「私も、王の一族ですのよ」

「ふん、公爵家は過去に王族から離れた者たちだ。今の王とは違う」


…あなたのお父様は、私のお父様の弟よ。


忘れているわね。
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