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第1話、スペシャルデイ
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「人生まんざらじゃないね」
テレビを見ながら呟いた。久しぶりに朝の占い番組で誕生星座が一位だった。
今まで市川晶子の人生二十八年間、良い事と悪い事のどちらが多かったか? と聞かれたら「悪です」と即答できる位の経験をしてきた。
だから占いは、いつも信じないと心に決めていた。
でも天気予報を見るついでに、どうしても目に入る。今までは大抵、晶子の星座うお座は最下位だったり、BADという感じだった。十二星座が均等に幸せを割り振られているようには思えない。おとめ、ふたごといった可愛い系と、しし、おうし、おひつじ、やぎとかイメージ良さげな動物は、運勢の良い時、悪い時がドラマチックに演出されている。てんびん、みずがめ、いて、といった良く分からないモノ系は、逆に占い制作チームが「忘れてませんアピール」で上位に置きがち。そして、その他の共感しようのない生き物系、かに、さそり、うおあたりは、空いたところに適当にはめているに違いない。
でも、今朝は違う。恋愛運星三つ、金運星三つというスペシャルデイ。
「新しい出会いにワクワクする一日です」
過去にアイドルとの密会写真を撮られていた女子アナからの、明るいサービストークまでついてきた。
悪い気はしない。新しい出会いって、何だろう。
ちょっとワクワクしながら、朝の込み合う通勤電車に乗り込もうとすると、ドア横を占拠してスマホのゲームに没頭する小太りの中年に、ぶつかられた。目があった小太り中年は、チッ、と舌打ちすると、またキャラゲームに目線を戻した。
何だよ、感じ悪い。
途中駅で車内は空いてきた。見渡すと、白髪交じり、メガネ、ユニクロっぽい服を着た、何かだらしない感じのするオジサンたちが、満遍なく座席を占拠していた。若い男性が一人も乗ってない車両に乗り合わせてしまった。
今朝の占いは何だったのか。
完全にプチワクワク感は消失した。
改めて思う。町は元気な老人と疲れた四、五十代で溢れている。テレビのバラエティや情報番組を見ると、どれも「早く、世の中の煩わしいものから自由になっておばさんになりなさい」とメッセージを出している感じがする。こんな世の中で晶子は将来の不安を抱えて、友人関係に悩んで、お金のことに心配して、髪型とメイクに不満を抱えて、込み合った電車で老人達ににらまれる毎日を過ごさなければならない。
人生ですごく損をしている気がしてきた。
そんな時に限って、電車の扉近くに貼られている自己啓発本のコピー『金持ちがやらない十の習慣』、『自己肯定感低い人は損をする』が目に入って来る。
晶子の思考が負のスパイラルに入りそうになる。
やだやだ、気分転換に、週末どっか旅行にでも行かないとやっていられない。
モヤモヤとした嫌な気分を抱えて千葉中央駅を出ると、今度は飲食店のゴミ置き場からの腐ったような匂いが漂い。そして、春の埃っぽい空気と花粉に鼻がむずむずする。眼鏡が曇る、目がかゆい、揃えた前髪の感じがいつもと違う、肩も凝る。職場である千葉県警本部に着いて制服に着替えてからも、気分が重く、頭がボーッとして、くしゃみが出てくる。
でも、晶子の仕事は正面受付勤務。外からの来客を迎えるだけに、花粉の侵入からは逃げられない。
「感染病ですか?」
時節柄、問題のあることを平気で言える、隣に座っている茶髪のアイメイク濃い目の娘は、デリカシーゼロな後輩・野田真紀だ。
晶子と同じ派遣職員で、自分では要領が良いつもりだが、なぜか付き合う男はみんな自衛官という変わり者で一途な子。現在は習志野レンジャー部隊の猛者と付き合っている。
朝の忙しい時間が過ぎると、変化の無い、居るだけ業務が続く。
こうして私の二十代後半は、砂時計の砂のように止めようもなく過ぎ去っていくのか。
ワクワク感メーターは限りなくマイナスなり、包み込むのは重い気持ちだけになった。
「俺も花粉症になっちまったよ」
疲れた笑みを浮かべて、正面から現れたのは窓際警察官・防犯課次長の舟橋保男。
白髪交じりの長めの髪を分けて、グレーのスーツにノーネクタイ、黒いペラッペラッのスタジャンを着てダラダラとやってくる。
この人も晶子を取り巻く疲れた世界の一員だ。
「久しぶりだな」
今日はいつも以上に、くたびれた影を背負っているように見えた。
いつも舟橋はヒマらしく、受付横の休憩スペースに寄るついでに現れては無駄話をしていく。晶子がミステリードラマ好きと知ってからは、舟橋自身の刑事時代の話や、最近起こった事件の筋読みなどをして、時間をつぶしていく。出世のラインから外れた公務員ほど、うらやましい職業はない。
「私は、毎日ここにいますけどね。最近、舟橋さん見かけなかったですね。どこか行ってたんですか?」
晶子が聞くと舟橋は口を緩めた。
「ちょっとね、バカンス。休みを貰ってね」気取ったポーズでボケた。
何がバカンスだよ、毎日暇なくせに。
「それって定年前の有給消化ですね」希望通りに突っ込むと、嬉しそうにニヤリとする舟橋。
「そんなわけないだろう。あと三年は残っている。行った場所知りたい? ヒントは、まぁまぁ近場ということかなぁ」
「で、結局どこ行ったんですか?」
「木更津」
「おもいっきり千葉じゃないですか」
「はい、これバカンスのお土産」
舟橋から『上総名物のびわ煎餅』と書かれたお菓子を渡された。
「びわの実が擦りこまれているらしい」
このお土産どこかで見たことあると、晶子はパッケージの裏を見た。
「工場は千葉市内になっていますね」
「えっ、お土産屋の叔母ちゃん木更津名物って言ってたけどな」
舟橋は素朴に意外そうな顔をした。
「これ、千葉駅の売店で良く見ます」
話していても花粉で頭がボーッとして来る
「相変わらず市川の観察力はスゴイね。今の捜査課の連中より、よっぽど刑事に向いてるよ、受付に置いてくのは勿体ないね」
「私は、今の仕事でいいです」
過去に晶子はアルバイトとして、舟橋の未解決事件の捜査を手伝ったことがある。が、どれもビターすぎる結末になり、良い思い出は一つもない。
「今度、木更津に行ったら採れたてのアサリをお土産に買って来るから、楽しみにしてよ」
「スーパーで、普通にむき身を安く売ってますから、いらないです」
「そうだ、そろそろ昼休みだけど、この後時間ない? 不思議な話があるんだけど」
舟橋はそれが本題だったと見えて眉毛を少し上げた。
「おじさんの不思議話を聞くほど、私は暇じゃないですから」晶子は冷たく突っぱねた。
「いや、そういうファンタジーじゃなくて、リアルな話。しかも難事件が絡んでいるかもしれないやつだよ」
そう言われると晶子も気になってしまう。
小学生の頃から図書館で星新一と江戸川乱歩を交互に読み漁り、家では二時間サスペンスの再放送のファンとなり、自由帳に『事件関係者相関図』を作って楽しんでいた。そのおかげで、今もラブストーリー映画を見るより、ミステリーかアウトロー映画を見る方が落ち着く。
晶子の興味を察知した舟橋は、「じゃあ、話はこの後ということで」と軽いノリでまとめて来た。
「どこで話します?」
「あえて、十階の食堂とかどう?」
「全然、いつもどおりじゃないですか」
提案に意外性が無さすぎるだろ。
テレビを見ながら呟いた。久しぶりに朝の占い番組で誕生星座が一位だった。
今まで市川晶子の人生二十八年間、良い事と悪い事のどちらが多かったか? と聞かれたら「悪です」と即答できる位の経験をしてきた。
だから占いは、いつも信じないと心に決めていた。
でも天気予報を見るついでに、どうしても目に入る。今までは大抵、晶子の星座うお座は最下位だったり、BADという感じだった。十二星座が均等に幸せを割り振られているようには思えない。おとめ、ふたごといった可愛い系と、しし、おうし、おひつじ、やぎとかイメージ良さげな動物は、運勢の良い時、悪い時がドラマチックに演出されている。てんびん、みずがめ、いて、といった良く分からないモノ系は、逆に占い制作チームが「忘れてませんアピール」で上位に置きがち。そして、その他の共感しようのない生き物系、かに、さそり、うおあたりは、空いたところに適当にはめているに違いない。
でも、今朝は違う。恋愛運星三つ、金運星三つというスペシャルデイ。
「新しい出会いにワクワクする一日です」
過去にアイドルとの密会写真を撮られていた女子アナからの、明るいサービストークまでついてきた。
悪い気はしない。新しい出会いって、何だろう。
ちょっとワクワクしながら、朝の込み合う通勤電車に乗り込もうとすると、ドア横を占拠してスマホのゲームに没頭する小太りの中年に、ぶつかられた。目があった小太り中年は、チッ、と舌打ちすると、またキャラゲームに目線を戻した。
何だよ、感じ悪い。
途中駅で車内は空いてきた。見渡すと、白髪交じり、メガネ、ユニクロっぽい服を着た、何かだらしない感じのするオジサンたちが、満遍なく座席を占拠していた。若い男性が一人も乗ってない車両に乗り合わせてしまった。
今朝の占いは何だったのか。
完全にプチワクワク感は消失した。
改めて思う。町は元気な老人と疲れた四、五十代で溢れている。テレビのバラエティや情報番組を見ると、どれも「早く、世の中の煩わしいものから自由になっておばさんになりなさい」とメッセージを出している感じがする。こんな世の中で晶子は将来の不安を抱えて、友人関係に悩んで、お金のことに心配して、髪型とメイクに不満を抱えて、込み合った電車で老人達ににらまれる毎日を過ごさなければならない。
人生ですごく損をしている気がしてきた。
そんな時に限って、電車の扉近くに貼られている自己啓発本のコピー『金持ちがやらない十の習慣』、『自己肯定感低い人は損をする』が目に入って来る。
晶子の思考が負のスパイラルに入りそうになる。
やだやだ、気分転換に、週末どっか旅行にでも行かないとやっていられない。
モヤモヤとした嫌な気分を抱えて千葉中央駅を出ると、今度は飲食店のゴミ置き場からの腐ったような匂いが漂い。そして、春の埃っぽい空気と花粉に鼻がむずむずする。眼鏡が曇る、目がかゆい、揃えた前髪の感じがいつもと違う、肩も凝る。職場である千葉県警本部に着いて制服に着替えてからも、気分が重く、頭がボーッとして、くしゃみが出てくる。
でも、晶子の仕事は正面受付勤務。外からの来客を迎えるだけに、花粉の侵入からは逃げられない。
「感染病ですか?」
時節柄、問題のあることを平気で言える、隣に座っている茶髪のアイメイク濃い目の娘は、デリカシーゼロな後輩・野田真紀だ。
晶子と同じ派遣職員で、自分では要領が良いつもりだが、なぜか付き合う男はみんな自衛官という変わり者で一途な子。現在は習志野レンジャー部隊の猛者と付き合っている。
朝の忙しい時間が過ぎると、変化の無い、居るだけ業務が続く。
こうして私の二十代後半は、砂時計の砂のように止めようもなく過ぎ去っていくのか。
ワクワク感メーターは限りなくマイナスなり、包み込むのは重い気持ちだけになった。
「俺も花粉症になっちまったよ」
疲れた笑みを浮かべて、正面から現れたのは窓際警察官・防犯課次長の舟橋保男。
白髪交じりの長めの髪を分けて、グレーのスーツにノーネクタイ、黒いペラッペラッのスタジャンを着てダラダラとやってくる。
この人も晶子を取り巻く疲れた世界の一員だ。
「久しぶりだな」
今日はいつも以上に、くたびれた影を背負っているように見えた。
いつも舟橋はヒマらしく、受付横の休憩スペースに寄るついでに現れては無駄話をしていく。晶子がミステリードラマ好きと知ってからは、舟橋自身の刑事時代の話や、最近起こった事件の筋読みなどをして、時間をつぶしていく。出世のラインから外れた公務員ほど、うらやましい職業はない。
「私は、毎日ここにいますけどね。最近、舟橋さん見かけなかったですね。どこか行ってたんですか?」
晶子が聞くと舟橋は口を緩めた。
「ちょっとね、バカンス。休みを貰ってね」気取ったポーズでボケた。
何がバカンスだよ、毎日暇なくせに。
「それって定年前の有給消化ですね」希望通りに突っ込むと、嬉しそうにニヤリとする舟橋。
「そんなわけないだろう。あと三年は残っている。行った場所知りたい? ヒントは、まぁまぁ近場ということかなぁ」
「で、結局どこ行ったんですか?」
「木更津」
「おもいっきり千葉じゃないですか」
「はい、これバカンスのお土産」
舟橋から『上総名物のびわ煎餅』と書かれたお菓子を渡された。
「びわの実が擦りこまれているらしい」
このお土産どこかで見たことあると、晶子はパッケージの裏を見た。
「工場は千葉市内になっていますね」
「えっ、お土産屋の叔母ちゃん木更津名物って言ってたけどな」
舟橋は素朴に意外そうな顔をした。
「これ、千葉駅の売店で良く見ます」
話していても花粉で頭がボーッとして来る
「相変わらず市川の観察力はスゴイね。今の捜査課の連中より、よっぽど刑事に向いてるよ、受付に置いてくのは勿体ないね」
「私は、今の仕事でいいです」
過去に晶子はアルバイトとして、舟橋の未解決事件の捜査を手伝ったことがある。が、どれもビターすぎる結末になり、良い思い出は一つもない。
「今度、木更津に行ったら採れたてのアサリをお土産に買って来るから、楽しみにしてよ」
「スーパーで、普通にむき身を安く売ってますから、いらないです」
「そうだ、そろそろ昼休みだけど、この後時間ない? 不思議な話があるんだけど」
舟橋はそれが本題だったと見えて眉毛を少し上げた。
「おじさんの不思議話を聞くほど、私は暇じゃないですから」晶子は冷たく突っぱねた。
「いや、そういうファンタジーじゃなくて、リアルな話。しかも難事件が絡んでいるかもしれないやつだよ」
そう言われると晶子も気になってしまう。
小学生の頃から図書館で星新一と江戸川乱歩を交互に読み漁り、家では二時間サスペンスの再放送のファンとなり、自由帳に『事件関係者相関図』を作って楽しんでいた。そのおかげで、今もラブストーリー映画を見るより、ミステリーかアウトロー映画を見る方が落ち着く。
晶子の興味を察知した舟橋は、「じゃあ、話はこの後ということで」と軽いノリでまとめて来た。
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