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幽閉
第五話
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力を行使できないとは、言ったが。あれは嘘である。誰への嘘か。自分へだ。正確には制御が難しい、である。ようは使えないんだと言い訳したのだ。自分に。むなしいものだ。
自分を騙すなんて出来るわけがないよ。狂ったふりをする、打算とでたらめでできた怠け者の常識人みたいにさ。
僕が女だという受け入れがたい事実もまた、僕の家のルミナへの愛への残滓なのだ。ルミナを愛しく感じてやまない異常な愛。死人を愛しているなんてどうかしている。
魔法で確かに蘇生はした。だが、僕の中にある恋心は偽物でしかないのだ。植えつけられた想いには生ゴミほどの価値しかない。
この胸を焦がしているのは、愛なんかではないのだから。きっと、絶対に。魔術のせいだから。
「累?」
僕を呼ぶ声に振り向けば、黒い……仮面の麗人がいた。
「累。貴様は私の嫁になれ。拐いにきた」
何を言っている? この黒い仮面は。意味がわからない。
「累様。累様は私の旦那様よ」
ルミナ? 異様に綺麗な銀髪のさくら色のルージュの女の子。ルミナがそこにはいた。
ルミナに、黒い仮面の麗人。組合わせが異様だ。なんだこれは。どうなっているのだろうか?
自分を騙すなんて出来るわけがないよ。狂ったふりをする、打算とでたらめでできた怠け者の常識人みたいにさ。
僕が女だという受け入れがたい事実もまた、僕の家のルミナへの愛への残滓なのだ。ルミナを愛しく感じてやまない異常な愛。死人を愛しているなんてどうかしている。
魔法で確かに蘇生はした。だが、僕の中にある恋心は偽物でしかないのだ。植えつけられた想いには生ゴミほどの価値しかない。
この胸を焦がしているのは、愛なんかではないのだから。きっと、絶対に。魔術のせいだから。
「累?」
僕を呼ぶ声に振り向けば、黒い……仮面の麗人がいた。
「累。貴様は私の嫁になれ。拐いにきた」
何を言っている? この黒い仮面は。意味がわからない。
「累様。累様は私の旦那様よ」
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