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18,番外編(王妃視点)
「パンデルム帝国から宣戦布告されました。」
・・・とうとうこの時が来た。
シンシアをアルベートが刺して、シンシアをはじめとしたパンデルム帝国一行は我が王宮を出立した。
それと同時に我が王宮に働いていた者達も10人程度が姿を消した。
全員がここ数ヶ月で雇った者たちではない。雇って数ヶ月の者もいたが、数年間働いていた者も何人かいたようだ。
そして、パンデルム帝国の間諜が全員姿を消したとは思わない。残った者もいるだろう。
恐ろしい国だ。
★★★
「父上、私はライラールと結婚すると決めています。プロポーズの返事も貰いました。今から変更なんて出来ません。」
陛下から政略結婚を命じられた息子は、臣下の前で堂々と反対意見を言う。命令に背く事に何の恐れもないように……。
「ライラールはあくまでも婚約者候補であって正式に婚約したわけではない。この国の現状では武力強国であるパンデルム帝国の後ろ楯が不可欠。ましてや先の飢饉では民のために援助も受けた。お主も王族なら政略結婚は避けられぬぞ。」
「ライラールは成績優秀で、マナーにおいても王太子妃に相応しい。これ以上の令嬢はいない筈です。良い国母となるでしょう。」
話が通じない。こんな子だったかしら?
学園に通い側近達との交流で影響を強く受けてしまった。
「そういう問題ではない。これは王命である。パンデルム帝国王女のシンシアとの結婚を命じる。」
「父上、父上、」
アルベートは尚も渋り、文官からも説得され、漸く政略結婚に応じた。
結婚した後のアルベートの態度は酷いものだった。
その側近達の行動も目に余る。
侍女達からアルベートが初夜に酒を煽り、泥酔した状態で閨に訪れ、あろうことか、直ぐに出てきたと報告があった。
我が子だとしても同じ女性として許しがたい。
「陛下、アルベートやロイ達の行動は酷いものです。異国から嫁いできたシンシアに対しての配慮が足りません。」
そう言って陛下に進言しても
「皆と話したが、国母にはライラールが相応しいと本当に思っているのだ。本気で国を思う若者の意見を無下にはできんのだ。」
陛下は困り果てた顔でそんな事を言う。
・・・この人は施政者に向いて無いのだ。
優しく、人の意見を聞き過ぎる。
結婚してからもずっと優しく、大切にしてもらった。
幸せだったと思う、けれど国を思うと・・・
幸いシンシアは善良な良い王女だった。自分の役割を理解しているのだろう。酷い扱いにも文句を言うことはない。
王族としての自覚の圧倒的な差
王妃として出来る事をしてあげたい。
シンシアにライレットの瞳を渡し、社交界での評判を上げることに尽力した。
けれどもそれが原因でアルベートは問題を起こしてしまった。
もうこの国はおしまいだ。
いっそ、パンデルム帝国で統治して貰った方が国民は幸せかもしれない。
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