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2.好感度回復を目指す!
しおりを挟む「俺、かなり酷いことしてきたなーー。」
今までの行いを振り返ると、冷や汗が止まらない。もう遅いかも……。
俺はエヴェリーナが隣国ジョンブレ王国から嫁いできた初日にこう言ったんだ。
「はんっ!無表情で愛想の無い女だ。既に後宮には俺の気に入った女が何人もいるのだ。お前の元へ通うことなど無いだろう!」
確か、吐き捨てるように言った。
俺の馬鹿っ!
確かに俺なんだけど………。
あの時の俺は、この国より豊かなジョンブレ王国から嫁いできたエヴェリーナが気に入らなかったんだ。
ちっぽけなプライド。
ケツの穴の小さい男………それが俺!
少し考えれば分かる。
政略結婚で来てくれたエヴェリーナにそんな冷遇はあり得ない。
母国を離れ、何人かの護衛と侍女だけを連れて来たエヴェリーナはとっても不安だったはずなんだ!
なのにあんなセリフ……。
何度でも言うよ!
俺の馬鹿っ!!!
でも、俺、いまから挽回出来る??
前世の俺は交際経験も無い、童貞。
恋愛小説のヒーローみたいなこと、とても出来る気がしないよー。
今だって身分が高いから女性たちが俺にすり寄ってくるだけなんだと思う。
でも………
ベッドから出て鏡の前に立つ。
顔やスタイルは前世よりは断然良い!
金髪碧眼、整った顔立ち。
女癖は悪いけど、一応書類の処理は早いと評判。
今まで、影で俺のために努力してくれたエヴェリーナに今度は僕が尽くすんだ!!
今まで後宮に何人もの女を侍らせ遊んできた自覚はある。
20才の時に父上の急逝によって慌ただしく即位した俺は執務の忙しさを女遊びで紛らわせていた。
だからといってエヴェリーナを冷遇して言い訳じゃない。
俺は何を履き違えていたんだろう。
嫁いできた当初はエヴェリーナも俺との交流を深めようと、お茶や食事に誘ってくれた。
けれど、俺はその誘いに応じることも無かった。
それどころか、一度も閨を共にしていない。
「ここはジョンブレ王国では無い!王妃だとて、ここで大きな顔をすることは許さん!俺の寵愛する妃を優先してもらう!」
とか言った記憶もある。
エヴェリーナ付きの護衛と侍女に凄い顔で睨まれたっけ。
俺はそれすら生意気だと怒ったのだ。
俺は頭が腐ってたのかな?
そうに違いない。
今では自分の過去の言動が全く理解出来ないもん。
公式行事以外では食事を共にした事すら無い。
王宮どころか全ての貴族が、俺たちは仮面夫婦だって知っている。
あー、
エヴェリーナはどんな気持ちで過ごしていたんだろうか……。
針の筵だっただろうな。
俺は本当にエヴェリーナと仲良くなることが出来るのかな?
小説には『ざまあ』のタグがついていて、俺はきっとざまあ対象。
最後まで読んで無いけど……。
そして、エヴェリーナには隣国に幼馴染が待っていた……と思う。
でも彼女が帰ってから後悔したくない。
今出来る限りの誠意を見せよう。
よし!
まずは、頭が擦り切れるほどの土下座だ!
それしか出来ることが思い浮かばないや。
情けないけど、口説き落とすようなテクニックは持ち合わせていない。
そんなことを考えていたら、俺の部屋の扉が開いた。
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