不眠症魔術師の添い寝婦として雇われました

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10.住み込み4日目




ね、眠れなかった………。

お尻にギャビンのモノが当たっていているし、背後で時々息を荒くしているし……。
お腹に回されたいた手はモゾモゾと動いて、時々擽るように指を動かすから声を堪えるのに必死だった。
「今日はもうしない。」って言ってたのに、何だか未練を感じてしまう。

あんなにずっとごそごそ動いてたんだもん。
きっとギャビン様だって眠れていない……よね。

それにしてもーーーー

「す、凄かった………。」

キスだけで頭がぼーっとして何も考えられなくなった。キスってあんなに気持ち良いの?

「今日はもっと凄いってことかしら?」

昨日みたいなキスをされてしまったら、身体の力が抜けて動けなくなる。
あっ!?大変!!
これでは、噂の『マグロ』になっちゃう。

「どうしよう。『マグロ』だと男の人に嫌われるって聞いたわ。」

折角好きな人が出来たのに一晩で嫌われたく無い。
女官同士、休憩中の会話ではみんな赤裸々に自分たちの事を話していた。年頃の女官が集まると皆が恋の話ばっかり。恋人のいない私は主に聞き役だった。
そこで仕入れた知識。
男性は『マグロ女』を嫌うらしい。ちょっと積極的な女性がいいそうだ。

「あっ!ブルックならきっと閨のことも詳しいわ。ブルックに聞いてこようっ!」

去年王宮を辞めた女官仲間のブルックは親友と呼べるぐらい親しかった。
同じ王宮で働く文官と結婚したのだが、その相手の旦那さまは遊び人で有名だった。
彼女自身もサバサバした性格で恋多き女。
けれど二人とも結婚してからはすっかり落ち着いたみたい。

ブルックなら近くに住んでるし助けてくれるかも……。
私は午前中で家事を終えると、ブルックの家へと急いだ。

~~~~~

「ブルックーーー!!助けて。一生のお願い。」

「ど、どうしたの?いきなり来て……。お願いなんて珍しいわね。」

突然尋ねてきた私に驚きつつも、ブルックは優しく迎えてくれた。妊娠中の彼女は少し顔立ちが優しくなっていて、幸せそう。

「ごめんね。突然。人生のピンチなの。助けて。」

「何よ?深刻ね。話なら聞くわよ。」

苦笑いを浮かべつつも私の話を聞いてくれる。
彼女はいつもみんなから頼られてた姉御肌。
私はブルックに今までのことを洗いざらい打ち明けた。

~~~

「……要はマグロになって嫌われくないのね。」

「そうなのっ!ギャビン様のキスって全然身体に力が入らなくなっちゃうの。」

「そんなに上手いんだ。」

「他の人を知らないから上手いかなんて分かんないわ。けど、気持ち良くってふにゃふにゃになるの。あのキスをされたらおしまいだわっ!!絶対に『マグロ』になっちゃうもの。初めての恋人なのよ。嫌われたくないわっ!」

「そんな心配しなくても、話を聞く限り、ギャビン室長は貴女のことかなり好きだと思うわよ。そうじゃないと普通そこまで我慢しないもの。」

「そうかしら?昨日は我慢するのが辛そうだったけど、それまでは普通に寝てたわよ。兎に角、『マグロ』にならないためにどうすれば良いかな?」

「…………。……分かったわ。クラリッサ、先手必勝よ。先に攻めちゃえば?」

「……先に……攻める??」

「ふふ。そうよ。」

「ど、どうすればいいの?」

ゴクリと唾を飲み込んで真剣に尋ねる私に、ブルックは妖艶に微笑んだ。

「それはね………。」

ブルックは初心者の私にも分かりやすく、その方法を伝授してくれた。


~~~~~


今日の夕食は昨日の残りの『すっぽん』を唐揚げにした。
可愛い下着も手に入れたし、香油も買ってきた。
香油はちょっと値段が高いものを奮発した。
だって肌はすべすべがいいもんね。

後はギャビン様を待つだけだ。

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