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【始まりの物語】

【Cantarella_Eden 】禁忌の果実 【始まりの物語】

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その昔とある国が戦乱狂乱の坩堝に
人々は扇動されていた、
扇動していたのは
【初代皇帝 鮮乱公 】
【ヒュッケバイン=エルシュナイデ】

彼の者は
人々が愚鈍に英舞に、正常に異常に
狂気に正気に
侵攻し争い壊し破壊の限りを尽くす様を
其の眼に映し、歪に歪んだ微笑みを浮かべて
こう述べた

『確と其の愚かな耳を!目を!私に向け
無様に這いつくばって聴くがいい!
愚かな人間共よ!!!』

其の声は高らかに
其の声色は安らかに
其の顔は唯前を向き

『私は争いも戦も愛している!お前達が
私に見せた【其の狂気に満ちた奇劇】は
素晴らしかった!……だが私は退屈したのだ
戦をして争い何が残るのか…?
最後まで演じ切った舞台の後には
何が有るのか?何がお前達に残る
お前達は何のために戦い
【命を捧げる】と言うのだ??

だから、私は考えた
こうしようじゃ無いか…っ!
お前達には【国王の座】詰まり私の座に
座する権利をやろう!!
貧民、凡人、天才、貴族、華族、人種
そんな物関係ない、
お前達は【自分の望】の為!!争い合うのだ

【お前達の望み】はなんだ?
永劫なる生か?失った者の再生か?
財力か?復讐か?愛を求めるか?
殺戮を楽しみたいか?何だっていい!!
何でもいい、私に魅せてくれ!私の望む
私が楽しめる新たなる舞台を!!!

さぁ!!次期皇帝の座を!覇者となる事を!
望め!願え!進め!自分の欲望の為だけに
私の袂まで来い!!!
そして次期皇帝、そうだな…願いを叶える為
手にする為に、自らの手を血に染め行く
お前達に似合う言葉…
【鮮血の戦聖帝】としてな。
正にお似合いじゃあないか!自己の為
愛しい者の為、人を殺戮し、
何千何万の屍の上に立つ皇帝に相応しい!

さぁ!
己の【魅力】【資力】【財力】【権力】
【智力】【統率力】【勢力】持てる全てを
使い尽くし!恐れ、ひれ伏せ降伏させ
全ての駒を使い私を殺しに来い!!!
始めよう!!愚かで愚鈍、英邁で優れた
其の頂点御する為に!!覇者になれ!』

そう皇帝が言うと、続けて皇帝は再度言った

『皇帝に座する権利があるのは
【鮮血の戦聖帝】の権利は子供達にやろう
子供達には未来とやらがあるらしい
面白いじゃないか…?其の子供達が
殺戮に手を鮮血に染めていくなんてな』

此れが此の国の皇帝
エルシュナイデの最期の言葉となった
エルシュナイデは笑いながら最後を迎えた
次期皇帝に殺害されたと言う

そうして何百年間も此の国の制度とし
15年に一度の年数で選定戦が行われてきた
最も優れた者が皇帝の玉座に座る

そして、其の者の願いは
例え死者を甦らす事だとしても、
叶わないことはないのだと言う

これが此の呪われた国のハジマリのお話
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