自由への道 ゲーム化した現実で姫を味方につけての勇者冒険(chatGPT 利用作品）

第一幕その1

　人見知りで友達を作るのが苦手な俺は、ＭＭＯＲＰＧに癒やしを感じていた。
　ゲームの中では、俺は中村アキラではなくて、冒険者だった。
　部屋とも学校とも違う、魔法と冒険の世界は俺の現実逃避の場だ。
　アニメだってゲームだって、６畳の俺の部屋にあるゲーミングＰＣで事足りた。
　学校と部屋の往復だけで問題は無いし、いつも同じような日々の繰り返しだ。

　しかしその日は違った、お気に入りのMMORPGで遊んでいるうちに、すべてが変わってしまった。
　突然、景色が変わった。グィと視界がディスプレイに引き込まれた。すぐに、視界だけではなくて自分自身が転移しているのだと気がついた。
　ゲームと同じような異世界に飛ばされてしまったらしい。
　最初は不具合か夢かと思った。ところが、周囲を見渡すと、深い森にポツンと立つ俺は、もはやただのプレイヤーではなく、この世界の住人だった。

　わけもわからず俺は森を散策する。

「ステータス……」

　なにげにステータスオープンと言おうとしたら言うまでもなかった。
　思考するだけで自分のステータスが数値でわかる。
　俺が育てていたキャラと同じステータスらしい。
　ゲーム廃人の俺には都合が良い状況だ。
　不思議なパワーと自信が湧いてくる。手を上げて力を込めると、なんと指先から魔法のエネルギーが飛び出してきた。魔法を使ったわけだ。もちろん、こんなことは初めてだ。

　俺は、自分の身に起こっていることが信じられなかった。
　これは現実なのだろうか？
　ファンタジーの世界の魔法なのか？　大好きなゲームの世界にいるというのは悪い気がしない。
　無意識に俺は笑っていた。とりあえず森を歩くことにした。

「またゴブリンかよ」

　苦労は無かった。森で出会う魔物は弱いヤツばかりで、片手間に倒すことができた。
「やれやれ」とぼやいた俺は魔法で魔物を一掃した。

　森は半日もしないうちに抜けることができた。森をぬけて、草原を歩き、城下町へと入ることができた。
　どうやら本当にゲームの中らしい。俺は脳裏に描いた地図どおりに城下町にたどりついたことで、それを確信した。

　俺は賑やかな城下町を歩き回り、あらゆる光景を目に焼き付ける。
　この町は国で最も賑やかな町のひとつだ。そして、その期待は裏切られなかった。焼き肉やお菓子の匂いが充満し、売り子が大声で商品を売り、人々は用事や仕事で忙しく行き来していた。

　お金にも余裕があってぶらぶらと気楽な散策中のことだ。突然「助けて」という大きな叫び声が聞こえた。
　その音を辿っていくと、小さな路地に出た。女の子が、荒っぽい男たちに声をかけられていた。

「助けてください」と叫びながら、彼女は俺を見た。