異分子マンション

カナデ

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「ハルくんがいつも住人のことを第一に考えてくれて、頼りがいのある優しい人だってことは分かってます。でもちょっぴり冷たいところもあると言いますか、笑顔の裏で全然違うことを考えていそうと言いますか……。不思議な人だなーって感じるシーンも度々あるんですよね」

「変わり者の叔父に何となく似ちゃったんですかね?」

「そういえばシュンスケくんも、ノブおじさんのこと『変わってる』とか言ってましたけど。私はそんなふうに思ったことないですねぇ」

 アンズから見たノブユキは、息子と娘を可愛がるお父さんそのものというイメージらしい。人によって感じ方は様々のようだ。

「ノブおじさんがユイカちゃんの昔の話をしてくれたときなんて、まさに〝娘にデレデレのお父さん!〟って表情でしたよ。ハルくんは投資について教えてもらったり、服をプレゼントしてもらったりしてると聞きましたし――そうそう、ハルくんの髪にお洒落なメッシュが入ってるでしょう? あれもノブおじさんのセンスらしいです。ゲームキャラみたいで格好いいですよねぇ」

「なんかイメージと違うんですけど……。あたしの知ってるノブおじさんと同一人物なのか疑問に思えてきた」

「実は叔父さんの方が、入れ替わりの双子だったりして!?」

 くいっと指で眼鏡を持ち上げたアンズの瞳は、マンガに出てくる名探偵キャラのように煌めいている。呆れつつ「ありえないって」と返した。

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