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第1章 始まりの壁
プロローグ
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JSIA (Japanese Secret Investigating Authority)
正式名称は日本機密捜査機関であり、警視庁では手に負えない魔法犯罪を取り締まる独立組織であり設立されて間もないが実績を出している組織である。
その組織を設立させたのが警視総監であり10名の優秀な人材を集めて身近な犯罪から大きな事件の犯罪の被害を最小限に抑えている。
「皆、忙しい中集まってくれて本当にありがとう。日々起きる数多くの犯罪の取り締まりの方もお疲れ様。こうして自分を含め住民の安全を守ることは極めて大切なことであり、これからもそれを忘れずに任務に取りかかるように。それから面白いことも出来るだけ忘れないように」
会議室で目の前で話をしていたこの男性は180cm以上あり、プロ野球選手並みのガッシリとした体格で最後の一言さえなければよかったものの、それをとり壊してしまう豊かな性格をした警視庁最高位におく馬堂鉄茂である。
「私からは以上だが質問のある人は?」
「「は~い」」
「どうぞ」
「「お家に帰ってお菓子が食べたいです」」
「はっはっは。会議はもう終わりだから後は好きに行動して構わないぞ」
(そんなのでいいのか⁉)
時光が内心ツッコミを入れる。
声を揃えて同じ発言をしたこの2人は双子姉妹の倉ノ葉志穂と美穂である。
小柄でショートボブの髪型で前髪を右に分けている方が姉の志穂、左に分けている方が妹の美穂である。
「私は警視庁に戻って会議があるのでこれにて失礼するよ」
鉄茂は椅子から立ち上がり会議室を後にした。
「お疲れの顔をしているようだね時光クン」
隣から声をかけてきたこの女性は、下鶴舞香で少し高めの背丈でポニーテールの髪型をしている。
「そりゃそうさ。最後の一言さえなければいいのに、どうしていつも余計なことを言うのかなと思ってさ」
「アハハッ。でももの凄く厳しいことを言ってくるよりはまだいいんじゃないかな」
「それを言われたらそれまでだけど」
舞香の言うことに否定し切れず時光は少しだけモヤモヤする。
「トキちゃん、そんな疲れた顔をすると幸せが逃げちゃうよ」
「トキ君、もっとリラックスだよ」
ここで志穂と美穂が時光の背中に寄りかかって来る。
「2人とも家に帰ってお菓子が食べたかったんじゃなかったのか?」
時光が少し気だるそうに言うと、
「正確にはトキちゃんと遊んでそれからだよ」
「さあトキ君、何して遊ぶ?」
時光が口を開く前に鋭い声が飛んで来る。
「志穂さん、美穂さん、先輩が迷惑がっていますから自重されてはいかかですか!」
肩のあたりまで伸ばした黒色の髪で人形のような整った顔をしたこの女性、中野院恵でメンバーの中で唯一の年下であり、しっかりした性格をしている。
「メグミちゃんだって本当はトキちゃんと遊びたいくせに」
「本当のことを言ったらどうなの?」
2人の反論に対して正面から切り返す。
「遊びではなく話をしたいことは否定しませんが、人の気持ちを考えずに自分の考えや行動を一方的に押し付けるのはどうかと思いますよ。もう少し考えたらどうですか!」
注意された2人は不満気に愚痴る。
「メグミちゃんのケチ!」
「あ~あ、遊ぶ気なくなっちゃったよ。トキ君また今度ね」
「ああ考えておくよ」
「「じゃあね」」
声を揃えて2人は会議室を後にした。
それが確認出来て時光が恵に告げる。
「ありがとう恵さん、助かったよ」
「いえ、私は思ったことを言わせていただいたまでです。それから先輩、もう少しハッキリと「NO」と言える人になりましょう。優しすぎは時に自分の首を絞めますからね」
「恵の言う通りよ時光、ハッキリしない人は嫌われるわよ」
恵の後に間を空けずに辛辣な言葉をかけてきたこの女性、夕里真奈で恵と同様に小柄で肩のあたりまで伸ばした程よく黒味のある髪色でキリッとしたキレ長の目をした時光の幼馴染である。
「まあ怒らずに誰にでも分け隔てなく優しくしてくれるところが時光くんの良さでもあるからね」
真奈の後に優しくフォローを入れたこの男性、池波修助で時光よりも少し背が高くほんのり茶色の髪色をした穏やかな性格をしている。
「皆に言われたことを忘れないように自分を見直すよ」
「本当に?」
「まあまあ真奈そこまでにしよう」
時光の発言にジーッと訴えるような目で時光に目を凝らすと、舞香がそれを優しく宥めると同時に話を変える。
「この後だけど皆はどうするの?」
「私はオペレート室で通信魔法のメンテナンスを。何があっても対応出来るようにしておくためにもね」
「俺も真奈さんと同じくオペレート室で索敵魔法に不具合がないように調整して帰るよ」
「それじゃあ」と言って真奈と修助は椅子から立ち上がり会議室を後にした。
「若弥クンはどうするの?」
席から離れてメンバーのやり取りを見ていたこの男性、小堂若弥でメンバーの常識人で少し大人びた雰囲気をした人である。
「少し早いけど、このまま家に帰って休ませてもらうよ。それじゃあ」
椅子から立ち上がり、会議室にいるメンバーが「お疲れ様」と言って見届ける。
「さて残っているのは私たちだけになったけどどうする?」
「俺はもう少しゆっくりしてそれから帰ることにするよ」
「私は先輩ともう少し話が出来ればと思っています」
「私は時光ちゃんとえっちな――」
「ストップ綾菜さん!全部言っていないけどそれ以上言わなくていい!」
若弥同様に時光たちのやり取りを見ていたこの女性、松法綾菜でダークブラウンの髪色にセミロングヘア―で軽くウェーブのかかった、口を開けば色々と危な発言をするおっとりした人である。
「もう時光ちゃん、人の話を最後まで聞こうよ。私は時光ちゃんとえっちなことじゃなくて最近気になることについて話をしようって言おうとしたんだよ」
「それだったら最初の余計な一言を言わないで欲しかったよ!」
「ん?それともえっちなことを期待していたとか?」
「違うよ!」
綾菜のエロボケに時光が全力でツッコミを入れる。
「それじゃあ舞香ちゃん、私と――」
「何故私に話を振った綾菜!私はえっちなことはしないよ!」
「もう~舞香ちゃんまで。私はまだ何も言っていないよ。今度一緒にお買い物に行こうねって言おうとしたのに舞香ちゃんはえっちなことがしたいの?」
「そうじゃない!雰囲気からして、そう言いかねないから先に釘を打っただけで私はえっちなことは望んでいないよ!」
「皆そう言わなくても~。じゃあ恵ちゃん――」
「綾菜さん、私も先輩と舞香さん同様えっちなことはしませんよ!見境のないエロ魔人ですかあなたは!」
「ひどいな~。まだ名前しか呼んでいないのに。そんなに私とえっちなことをするのが嫌なのかな皆は」
「「「行きつくところが結局そこか!」」」
その日の締めくくりが綾菜のエロボケに3人が全力でツッコミを入れる形で終わった。
♦
マンションの一室
部屋は薄暗くカーテンが日の光を遮り、それだけに留まらず部屋の中も一見普通のようだが少し違和感があった。
「お呼び立てした上に待たせるようなことをして申し訳ございません。改めてお越しいただきましてありがとうございます」
「気にすることはありません。それにこの部屋に何か施してありますね?」
「はい、外部から音を傍受、逆探知されない「音響反射」とその音や声を変換させる「音響振波」を施してあります。また姿や形を割り出されない「変換操作」も完備しています。こちらに指紋認証していただければ、認証と解除が可能となっています」
「それは面白いですね」
呼び出した人物がスマホを手にして説明すると、呼び出された人物の方は関心する。
「これに認証させておきますか?」
「いえ、このままで」
外部から見れば2人の会話は呼び出した人物がボイスチェンジャーのような濁った声で姿は黒いシルエット状態、呼び出された人物はありのままの姿で会話をしている。
「ここまで手の込んだことをするからには目的をハッキリと話していただきますよ」
「もちろんですよ。単刀直入に申し上げますと、JSIA本部を潰すことですよ」
「ほう、これはまた大きく出ましたね」
思っていた以上にハッキリとした動機で少し驚いたようにみせる。
「貴方からいただいたデータを拝見しましたが、一人一人欠点はあるものの優秀な人材が揃っているのに、何処か不満でもありますか?」
「欠点がわかっていて直そうとしないタチの悪さ故に風紀が緩すぎるのですよ。かつて貴方が現役の頃だった組織のような締まりのある風紀が良いのです」
それを聞きフッと笑い口を開く。
「失礼、面白いことを言うのですね。まさかそのような言葉が返って来るとは思いませんでした」
「話を続けさせていただきますと、貴方以外のメンバーにも力を貸していただきたいと考えています。図々しいことは承知の上ですがメンバーの情報をいただけますか?」
「構いませんよ。ただしこの情報は少し古いものなので今もその情報が正しいという保障はありませんが」
自分のスマホに保存してあるデータを呼び出した人物のスマホに転送した。
「ありがとうございます。これで計画が進められそうです」
「それは何よりです。私の方からも確認のため、本当にこれでよろしいのですか?」
強く念を押すように尋ねると、
「はい、もう迷いはありません」
「わかりました。そこまで言うのなら何も問いません。私も遠慮なくやらせていただきます」
「そうしていただけると助かります。早速このデータをもとに貴方の同期と会って話をつけてきます」
その言葉を残し部屋を後にする。
身近に起きる犯罪はもちろん、時光たちにとってこれから起きる戦いを知るのはまだ先のことである。
♦
高層ビル屋上
そこに立てば見渡す限りの数多くの建物が見られて景色としても悪くない。
天気が良く、涼しい風が流れている日は特に自然と嫌なことが忘れられそうな、そんな光景が目の前に広がる。
たかが建物、されど建物、そんなものでも見入られてしまうものがあるその中に膝下くらいの水色コートを着た青年がいた。
「少し早い気がしますが、今日は切り上げて明日に備えるとしますか。久々に早く帰っても罰は当たらないでしょう。天気も良かったことですし」
そう自分に言い聞かせたところで、ブブッとスマホが鳴りメッセージが届いた。
それに気付きメッセージの内容を確認してフッと笑い告げた。
「もう既に達成しましたが、これから起こりうることがあっても対応出来るように数を増やしておきますか」
再び自分に言い聞かせて「確かに承りました」とメッセージの送り主に返信する。
「最悪な結果を招かないように遂行するとしましょう」
そう言い残しその場から立ち去った。
正式名称は日本機密捜査機関であり、警視庁では手に負えない魔法犯罪を取り締まる独立組織であり設立されて間もないが実績を出している組織である。
その組織を設立させたのが警視総監であり10名の優秀な人材を集めて身近な犯罪から大きな事件の犯罪の被害を最小限に抑えている。
「皆、忙しい中集まってくれて本当にありがとう。日々起きる数多くの犯罪の取り締まりの方もお疲れ様。こうして自分を含め住民の安全を守ることは極めて大切なことであり、これからもそれを忘れずに任務に取りかかるように。それから面白いことも出来るだけ忘れないように」
会議室で目の前で話をしていたこの男性は180cm以上あり、プロ野球選手並みのガッシリとした体格で最後の一言さえなければよかったものの、それをとり壊してしまう豊かな性格をした警視庁最高位におく馬堂鉄茂である。
「私からは以上だが質問のある人は?」
「「は~い」」
「どうぞ」
「「お家に帰ってお菓子が食べたいです」」
「はっはっは。会議はもう終わりだから後は好きに行動して構わないぞ」
(そんなのでいいのか⁉)
時光が内心ツッコミを入れる。
声を揃えて同じ発言をしたこの2人は双子姉妹の倉ノ葉志穂と美穂である。
小柄でショートボブの髪型で前髪を右に分けている方が姉の志穂、左に分けている方が妹の美穂である。
「私は警視庁に戻って会議があるのでこれにて失礼するよ」
鉄茂は椅子から立ち上がり会議室を後にした。
「お疲れの顔をしているようだね時光クン」
隣から声をかけてきたこの女性は、下鶴舞香で少し高めの背丈でポニーテールの髪型をしている。
「そりゃそうさ。最後の一言さえなければいいのに、どうしていつも余計なことを言うのかなと思ってさ」
「アハハッ。でももの凄く厳しいことを言ってくるよりはまだいいんじゃないかな」
「それを言われたらそれまでだけど」
舞香の言うことに否定し切れず時光は少しだけモヤモヤする。
「トキちゃん、そんな疲れた顔をすると幸せが逃げちゃうよ」
「トキ君、もっとリラックスだよ」
ここで志穂と美穂が時光の背中に寄りかかって来る。
「2人とも家に帰ってお菓子が食べたかったんじゃなかったのか?」
時光が少し気だるそうに言うと、
「正確にはトキちゃんと遊んでそれからだよ」
「さあトキ君、何して遊ぶ?」
時光が口を開く前に鋭い声が飛んで来る。
「志穂さん、美穂さん、先輩が迷惑がっていますから自重されてはいかかですか!」
肩のあたりまで伸ばした黒色の髪で人形のような整った顔をしたこの女性、中野院恵でメンバーの中で唯一の年下であり、しっかりした性格をしている。
「メグミちゃんだって本当はトキちゃんと遊びたいくせに」
「本当のことを言ったらどうなの?」
2人の反論に対して正面から切り返す。
「遊びではなく話をしたいことは否定しませんが、人の気持ちを考えずに自分の考えや行動を一方的に押し付けるのはどうかと思いますよ。もう少し考えたらどうですか!」
注意された2人は不満気に愚痴る。
「メグミちゃんのケチ!」
「あ~あ、遊ぶ気なくなっちゃったよ。トキ君また今度ね」
「ああ考えておくよ」
「「じゃあね」」
声を揃えて2人は会議室を後にした。
それが確認出来て時光が恵に告げる。
「ありがとう恵さん、助かったよ」
「いえ、私は思ったことを言わせていただいたまでです。それから先輩、もう少しハッキリと「NO」と言える人になりましょう。優しすぎは時に自分の首を絞めますからね」
「恵の言う通りよ時光、ハッキリしない人は嫌われるわよ」
恵の後に間を空けずに辛辣な言葉をかけてきたこの女性、夕里真奈で恵と同様に小柄で肩のあたりまで伸ばした程よく黒味のある髪色でキリッとしたキレ長の目をした時光の幼馴染である。
「まあ怒らずに誰にでも分け隔てなく優しくしてくれるところが時光くんの良さでもあるからね」
真奈の後に優しくフォローを入れたこの男性、池波修助で時光よりも少し背が高くほんのり茶色の髪色をした穏やかな性格をしている。
「皆に言われたことを忘れないように自分を見直すよ」
「本当に?」
「まあまあ真奈そこまでにしよう」
時光の発言にジーッと訴えるような目で時光に目を凝らすと、舞香がそれを優しく宥めると同時に話を変える。
「この後だけど皆はどうするの?」
「私はオペレート室で通信魔法のメンテナンスを。何があっても対応出来るようにしておくためにもね」
「俺も真奈さんと同じくオペレート室で索敵魔法に不具合がないように調整して帰るよ」
「それじゃあ」と言って真奈と修助は椅子から立ち上がり会議室を後にした。
「若弥クンはどうするの?」
席から離れてメンバーのやり取りを見ていたこの男性、小堂若弥でメンバーの常識人で少し大人びた雰囲気をした人である。
「少し早いけど、このまま家に帰って休ませてもらうよ。それじゃあ」
椅子から立ち上がり、会議室にいるメンバーが「お疲れ様」と言って見届ける。
「さて残っているのは私たちだけになったけどどうする?」
「俺はもう少しゆっくりしてそれから帰ることにするよ」
「私は先輩ともう少し話が出来ればと思っています」
「私は時光ちゃんとえっちな――」
「ストップ綾菜さん!全部言っていないけどそれ以上言わなくていい!」
若弥同様に時光たちのやり取りを見ていたこの女性、松法綾菜でダークブラウンの髪色にセミロングヘア―で軽くウェーブのかかった、口を開けば色々と危な発言をするおっとりした人である。
「もう時光ちゃん、人の話を最後まで聞こうよ。私は時光ちゃんとえっちなことじゃなくて最近気になることについて話をしようって言おうとしたんだよ」
「それだったら最初の余計な一言を言わないで欲しかったよ!」
「ん?それともえっちなことを期待していたとか?」
「違うよ!」
綾菜のエロボケに時光が全力でツッコミを入れる。
「それじゃあ舞香ちゃん、私と――」
「何故私に話を振った綾菜!私はえっちなことはしないよ!」
「もう~舞香ちゃんまで。私はまだ何も言っていないよ。今度一緒にお買い物に行こうねって言おうとしたのに舞香ちゃんはえっちなことがしたいの?」
「そうじゃない!雰囲気からして、そう言いかねないから先に釘を打っただけで私はえっちなことは望んでいないよ!」
「皆そう言わなくても~。じゃあ恵ちゃん――」
「綾菜さん、私も先輩と舞香さん同様えっちなことはしませんよ!見境のないエロ魔人ですかあなたは!」
「ひどいな~。まだ名前しか呼んでいないのに。そんなに私とえっちなことをするのが嫌なのかな皆は」
「「「行きつくところが結局そこか!」」」
その日の締めくくりが綾菜のエロボケに3人が全力でツッコミを入れる形で終わった。
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マンションの一室
部屋は薄暗くカーテンが日の光を遮り、それだけに留まらず部屋の中も一見普通のようだが少し違和感があった。
「お呼び立てした上に待たせるようなことをして申し訳ございません。改めてお越しいただきましてありがとうございます」
「気にすることはありません。それにこの部屋に何か施してありますね?」
「はい、外部から音を傍受、逆探知されない「音響反射」とその音や声を変換させる「音響振波」を施してあります。また姿や形を割り出されない「変換操作」も完備しています。こちらに指紋認証していただければ、認証と解除が可能となっています」
「それは面白いですね」
呼び出した人物がスマホを手にして説明すると、呼び出された人物の方は関心する。
「これに認証させておきますか?」
「いえ、このままで」
外部から見れば2人の会話は呼び出した人物がボイスチェンジャーのような濁った声で姿は黒いシルエット状態、呼び出された人物はありのままの姿で会話をしている。
「ここまで手の込んだことをするからには目的をハッキリと話していただきますよ」
「もちろんですよ。単刀直入に申し上げますと、JSIA本部を潰すことですよ」
「ほう、これはまた大きく出ましたね」
思っていた以上にハッキリとした動機で少し驚いたようにみせる。
「貴方からいただいたデータを拝見しましたが、一人一人欠点はあるものの優秀な人材が揃っているのに、何処か不満でもありますか?」
「欠点がわかっていて直そうとしないタチの悪さ故に風紀が緩すぎるのですよ。かつて貴方が現役の頃だった組織のような締まりのある風紀が良いのです」
それを聞きフッと笑い口を開く。
「失礼、面白いことを言うのですね。まさかそのような言葉が返って来るとは思いませんでした」
「話を続けさせていただきますと、貴方以外のメンバーにも力を貸していただきたいと考えています。図々しいことは承知の上ですがメンバーの情報をいただけますか?」
「構いませんよ。ただしこの情報は少し古いものなので今もその情報が正しいという保障はありませんが」
自分のスマホに保存してあるデータを呼び出した人物のスマホに転送した。
「ありがとうございます。これで計画が進められそうです」
「それは何よりです。私の方からも確認のため、本当にこれでよろしいのですか?」
強く念を押すように尋ねると、
「はい、もう迷いはありません」
「わかりました。そこまで言うのなら何も問いません。私も遠慮なくやらせていただきます」
「そうしていただけると助かります。早速このデータをもとに貴方の同期と会って話をつけてきます」
その言葉を残し部屋を後にする。
身近に起きる犯罪はもちろん、時光たちにとってこれから起きる戦いを知るのはまだ先のことである。
♦
高層ビル屋上
そこに立てば見渡す限りの数多くの建物が見られて景色としても悪くない。
天気が良く、涼しい風が流れている日は特に自然と嫌なことが忘れられそうな、そんな光景が目の前に広がる。
たかが建物、されど建物、そんなものでも見入られてしまうものがあるその中に膝下くらいの水色コートを着た青年がいた。
「少し早い気がしますが、今日は切り上げて明日に備えるとしますか。久々に早く帰っても罰は当たらないでしょう。天気も良かったことですし」
そう自分に言い聞かせたところで、ブブッとスマホが鳴りメッセージが届いた。
それに気付きメッセージの内容を確認してフッと笑い告げた。
「もう既に達成しましたが、これから起こりうることがあっても対応出来るように数を増やしておきますか」
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