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第3章 新たな勇者編

決別と旅立ち

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俺と少女の姿のファースト拾った聖剣セカンド封印されていた聖剣は無事、黒龍を倒して素材を入手し、ラッシュ王国に向かっている最中である。

「なぁ、セカンド?」
「どうした?」
「どうして、あの龍は突然現れたんだ?」

俺はセカンドに質問をする。

「····それは····だな」

セカンドは凄く俺を焦らしてくる。それが意図的なのか、それとも答えられないのかは分からないが。

「答えられないなら答えなくて良いよ····」
「そうしてくれると我的にも助かる····とても」

この反応は····こいつ、何か隠し事をしているな?まぁ、良いや。また答えを聞くことにしよう。

「さて!ラッシュ王国に着いたぞ!」

俺たちはラッシュ王国の門から中に入る。相変わらず人はいない。俺はまず最初にあの男のもとに向かった。

「戻ったぞ!」
「おお····よくぞご無事で····」

俺が一番最初に会いに来たのは、俺をこの世界に呼んだ男だ。この人は俺に道を示してくれる頼もしい唯一信頼している人間だ。

「それで····封印されし聖剣は手に入ったのです····か?」
「もちろん!」

そして俺はセカンドを抱き上げる。

「こいつが、封印されし最強の聖剣だ!」
「なんと!既に人化の術が使えるとは····それでそちらの娘さんは?」

男はファーストを指差しながら俺に質問をする。

「こっちは、道端に落ちてた聖剣だ。どうやら前の主が捨てちゃったみたいでさ····」
「なんと!勇者でありながら····聖剣を····」

俺は今、この男について一番気になっていることがある。それは····

「ていうか、俺はあんたの名前をまだ聞いてないと思うんだが?」
「それは失礼しました····私の名前はラッシュ・ウィデュン。ラッシュ王国の現国王だ····」
「へぇ~、あんたが国王か~····って!?」

おいおいマジかよ!?この人がこの国の国王!?

俺は国王の前で跪く。すると国王が俺の肩に優しく手を置く。

「そんなに····畏まらなくて良い····」
「分かりました····でもまさか、この国の王様だったとは····」

というか、国王がこんな所にいて良いのか?

「それよりも····勇者様はそちらの封印された聖剣を持っていても····大丈夫なのですか?」

国王は俺の体を心配してくれた。そういえば、少し体調が悪いような気がするな····

「大丈夫なのですが····少し気分が····」
「恐らくそれは····そちらの封印されていた聖剣に魔力を吸われているから····なのではないでしょうか?」
「セカンド?」

俺はそーっと部屋を出て行こうとしたセカンドを呼び止める。するとセカンドの体がピクッとなる。

「我に····な、何か····よ、用か?」
「図星か····」

こいつまさか、俺に内緒で魔力を吸ってやがったのか!

「どうして俺の魔力を吸っていた?」
「そ、それは····す、全ての聖剣は持ち主の魔力を吸う····も、物なの··だよ」

俺はファーストに目だけで合図を送る。すると、ファーストは首を横に振った。

「ファーストは違うみたいだが?」

俺がセカンドにそう言うと、セカンドの顔にどんどん汗が増えていく。

「まぁ、良いや。ところで国王は何故こんな所に?」

俺は立ち上がり、国王に質問した。すると国王はなぜか涙を流し始めた。

「既に····ラッシュ王国など····無いも同然です····今回現れた魔王は今までよりも遥かに強く····」

ラッシュ王国は既に魔王軍によって滅ぼされていた。しかも数日で。

「今までの····魔王ならば····勇者を魔王城に送り込んで、終わりだったのです····しかし、勇者は魔王城から帰ってこない····もう私たちは····あなたに····がはっ!」

国王は俺の目の前で血を吐きながら倒れてしまった。俺は国王を抱き上げる。すると国王が何かを話していたので、俺は必死に聞き取る。

「勇者様····あなた様ではまだ魔王····を倒すことはできませぬ····隣の国の国王に会いに行くのです····そうすれば····」
「分かりました。とりあえず国王は寝ていてください」
「すまな···················」
「おい!死ぬな!」

国王からの返事が完全に途絶えた。俺は必死に国王に呼び掛ける。

「主、ラッシュ王国国王は····もう」
「くそっ!」

俺は床を叩く。するとあることに気付く。俺がこの世界に召喚されたときに国王と一緒にいた、他の人間の姿がないことに。嫌な予感がした。

「まさか俺を召喚したときに魔力を使いすぎて····」

俺は床に落ちていた本を見つけ、手にとって読む。これは恐らく国王の日記のようなものだろう。

「異世界から····勇者を召喚する方法だと····」

さらに読み進めるとおかしなことが書いてあった。

「勇者召喚の儀式17回目。私たちは約100名の魔道師を集め、勇者召喚を試みる。結果は成功だった。しかし魔道師50名が魔力欠乏症になってしまった。」

ちょっと待て····100人で勇者を召喚した?そのうち50人が病気になった?だとしたら国王たちは俺をどうして勇者召喚を行えたんだ?

「今回召喚された勇者は凄く物分かりがよく、素晴らしい人間である。また、武術も王国騎士副隊長と同等であった。魔法もまた一級魔道師と同等に扱えた。」

すごいな俺の先輩は····

「勇者様は、魔王と相討ちになり、深手を負ってしまった。さらに魔王の呪いにかかり、既に老いてしまっていた。そのため、「ネビュラの森」に家を与えることにした。」

魔王と相討ち?この文章を読むと、今の魔王の強さがどれ程のものなのかわかる気がする。

俺は熱中して国王の日記を読んでしまった。そして俺は部屋を見渡した。そこには····さっきまであったはずの国王の遺体が····無くなっていた。

俺は部屋に国王からもらっていた剣を突き刺し、国王の墓とした

「さぁ!早く強くなって、魔王をぶっとばすとするか!」

俺は国王の言う通り隣の国である「ネクスト連合国」に、向かった。
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