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第3章 新たな勇者編

ネクスト騎士団

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俺はギルドの試験に無事に合格した。そしてアリスたちが紹介してもらった宿に泊まることにした。今は宿のベッドで俺は夢を見ている。
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「翔よ····」

誰だ、俺を呼ぶのは?

「我はアストラル····」

アストラル?お前はいったい何者だ!

「我は魔王の魂の欠片····」

魔王の魂だと?お前はセカンドに封印されている魔王の力なのか?

「あれは我とは別の魔王の力だ····」

じゃあ、お前は何なんだ?

「我の魂は····お前に元々宿っている物だ····」

元々?どういうことだ!

「いずれ分かるときが来る····」

待て!まだ話は····
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「終わってない····」

いったい、アイツは····それに元々魔王の魂が宿っているだと?俺はつい最近まで普通の高校生だったんだぞ!
俺は何故か、この夢がただの夢ではないと分かってしまった。

「悪寒がするぜ····」

俺はベッドから起き上がり、顔を洗う。そして、アリスたちが待っている食堂に向かった。
ここの宿はとても大きいから非常に廊下が長い。さすが冒険者ギルドがある階層の宿だ。

「みんな····おはよう····」

俺は食堂に着いてからすぐにテーブルに並べられた椅子に座っていた4人に朝の挨拶をする。

「おはようございます」
「おはようですわ」
「おは····よう····」
「おはようなのです!」

俺は全員から返事を貰い、椅子に座る。するとすぐにマナが話を始める。

「翔さんは結局、騎士団に入団するんですの?」
「そうすることにしたよ」

俺は昨日、ずっと考えていた。そして30分の苦悩の末、結論を導き出せたのだ!

「また一人、仲間が増えるのですよ!」
「これから楽しみ····です」

リーとカーマが祝福する。そしてアリスは立ち上がると叫ぶ。

「さぁ、騎士団本部に行こう!」
「本部もここにあるのかよ!」

普通は1番上の階層に重要な物を置くと思うんだが····この世界では考え方が少し違うのかも知れないな····
俺はアリスたちに連れられ、騎士団本部に向かった。

「騎士団ってそんなに簡単に入れるものなのか?」
「実力さえあれば大丈夫よ!」

ん?実力?

「もしかして入団試験とかあるのか?」
「もちろん!」

ってことは、この前のカインのような精鋭と戦うことになるのか····

「この前のギルドの試験のような実戦じゃないから安心して!」
「分かった····」

アリスがそう言うなら、大丈夫なんだろう。

「ここがネクスト騎士団本部よ!」

俺たちはネクスト騎士団本部に到着した。やはり本部という名に合った大きさだった。冒険者ギルドの数倍はある。

「翔さん!急ぐのです!」

騎士団本部の大きさを目にし、口を開けたままにしていた俺をカーマが呼ぶ。

「すまん!」

俺は走ってカーマたちの所に戻る。これじゃあ小学生みたいだな····俺。
俺たちは騎士団本部の中に入る。そして、アリスたちが1人の女性と話していた。そしてアリスたちとの会話を終えたその女性が俺に話しかけてきた。

「新しく入団される方ですね?大体の事情はアリスから聞いています、こちらへどうぞ」
「ありがとうございます」

一旦アリスたちと別れ、その女性が俺を試験会場へ案内してくれた。その途中、廊下を見たが、やっぱり綺麗だ。ちゃんと掃除が行き届いている。

「綺麗だな····」
「毎日、掃除をしていますから」

しまった、独り言が聞こえていたか····
案内役の女性について行くと、ひとつの部屋にたどり着いた。そこには入団試験者室と書かれていた。どうやら俺の他にも騎士団に入る人がいるようだ。

「こちらでお待ちください····」

そう言うと女性はその場を去る。俺はその部屋の扉を開け、中に入る。

「失礼します····」

部屋の中を見るととても面白い光景が広がっていた。男がいなかったのだ····俺以外の男が。

「マジかよ····」

俺は部屋の中にあった空いている椅子に座り、ドキドキしていた。

(おいおい····可愛い女の子たちに囲まれてるぞ?)

正直、心臓が破裂しそうだった。俺にはもはやこの光景が前の世界でやっていたギャルゲーみたいにみえてしまっていた。

「緊張しなくても大丈夫ですよ?」
「は!はい····」

俺は突然近くに座っていた女の子に話しかけられて大きな声を出してしまった。俺はしばらくこの女性と話す事にした。

「あの····どうして女性ばかりなんですか?」

俺は騎士団といえば男がたくさんいるイメージだったんだが····どうして男が絶滅危惧種みたいになってるんだ?
俺はそう不思議に思ったので、その女の子に質問してみる。

「男性の方はみんな、ダンジョンなどに行ってしまっていて、騎士団には来ないんです····」
「そうですか····俺、場違いですね····」
「そんなことはないですよ」

いや、そんなことあるだろ!ていうか、俺の心臓がもう限界なんだが?早く呼びに来い!
そんなことを祈っているとちょうど部屋の扉が開いき、先程の案内役の女性が来た。

「試験を始めます!」

良かった····あともう少しで、死ぬところだった····

「まず、最初に魔力測定を行います!」

魔力測定の内容は物凄くシンプルだった。魔力測定用の水晶のような物に手を置く。それだけだ。
俺は1番最後に来たので順番はもちろん1番最後だ。

俺の2つ前の人が測定を終えた時、魔力の平均値が大体、30だった。俺の前にいた女性は先程俺に話しかけてきた女の子だった。

「それでは手を置いて下さい」
「はい!」

その女の子が手を置き、数分後に水晶の上に数字が表示される。その数値は····

「ひゃ、170!?」

案内役の女性が驚く。その声を聞いた他の女の子たちも驚く。そりゃあ、今までの中で1番高いから、当然の反応なんだろうが····

「凄いのか?」
「当然よ!こんな数値はこの100年勇者様以外で見た事ないわ!」

となると、この子は将来出世しやすいんだろうな····
前の女の子が退き、俺の番になった。

「そ、それでは手を置いて下さい」
「分かりました」

俺は水晶の上に手を置く。すると案内役の女性が俺の方を見る。

「結果がどうであれ、気を落とさないでください····」
「え?」

俺はなぜか、馬鹿にされたような気がして止まなかったが結果が出るのを待った。
数分後、数値が表示された。その数値は1800と表示されていた。

「え?あれ?こ、故障したのかな」

案内役の女性が部屋から出て行き、数分後に水晶を持って戻ってきた。

「手を置いて下さい」
「は、はい····」

やはり、数値は変わらない。

「ほ、本当に魔力値1800!?」

驚いた彼女は腰を抜かしてしまった。そりゃあそうだ。だって俺、勇者と魔王の魔力を持ってるんだから普通の人間より魔力があるに決まってる。

「そ、それでは席に戻って下さい····」

俺は先程座っていた席に戻る。するとまた、近くに座っていた女の子が話しかけてきた。

「いったい、どんな修行を?」
「修行なんてしてないよ····」
「え、嘘····」

こうして、入団試験の魔力部門が終了した。
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