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プロローグ 助けを求める黒犬
しおりを挟むひゅぅぅぅ。
冷たい吹雪が吹いている。
「くぅぅん・・・」
消えるようなか細い声で黒い子犬が鳴いている。
まわりを見渡してもあたり一面雪だらけ。
「・・・くぅ・・・」
とうとう黒い子犬の息も消えてくる。
「・・・ぅ・・・」
このままでは死んでしまう。
この黒い子犬を見守っていた神はそう思った。
死なせてはいけない。神はこの黒い子犬を気に入っているのだ。
そして、神が下した運命はいかに。
「ッわんっ‼︎」
「・・・・・・‼︎」
そう。神はこの雪のように真っ白な垂れ耳の犬を遣(つか)わしたのだ。
白犬は黒犬をその大きな体で包み込み、温めた。
しばらくそうしていると、ふいにもう1匹の白犬が現れ、黒犬に肉をやっている。
やがて吹雪も止み、黒犬は体温を取り戻した。
黒犬は肉に口を近づけ、食べ始める。
こうしてこの黒い子犬は助かった。
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