異世界ウサギ紀行 ー 最強鎧の神装鎧月兎が羞ずかし過ぎる!?

花咲一樹

文字の大きさ
18 / 77
第一章

兎18羽 赤い兎の狼狩り

しおりを挟む
 受付のお姉さんの話しではこの辺の森に棲息するモンスターはゴブリン、コボルト、ボブゴブリン、ウルフ、ブルーウルフ、ポイズンスパイダー、ポイズンスネーク、稀にオークだとか。

 そして僕達の前に現れたのは一匹の巨大青狼。ブルーウルフ?なんか聞いてたイメージとちゃう?

 其奴は動物園で見たライオンの4、5倍はある大きな巨体。体の至る所に刃渡り1、2mは有る刀が何本も突き出ていて、頭には更に大きな刀の角が1本生えている。…………ブルーウルフなの?

 逃げられるか?僕一人ならあの鎧が有るから大丈夫かもしれないがキョウカさんが危険にさらされる…………。

「キョウカさん!戦おう!逃げるとかえって危険だ。僕がタンク役をやるから、キョウカさんは距離を取りつつ、縮地でヒット&アウェイ(汗)」

「わ、分かりました(汗)」

 僕は空間収納袋からブロードソードを取り出し両手で構える。もう恥ずかしいなんて言ってられない。僕達の命が掛かっているんだから!

「着装!月兎ッ!」

 僕の体が光り輝き、暖かい感覚に包まれ、光が消えた。裸でクルクル回る映像効果が無かったのは幸いだ。そんな事されたらマジ死にますから!

 可愛いウサギの長耳付きカチューシャ。
 白いモフモフを胸元に付けた赤いレオタードに黒い網タイツ。
 お尻の白いフワフワ尻尾がピクピク動く。
 踵の高い小さなリボンが付いたハイヒールは以外にも安定感がある。
 首元に付いた、青い宝石付きチョーカーの背中にある2本の長いリボンが風に靡く。

…………終わった…………。

 男子高校生的にも人生終わった感を心の奥深くに押し込めて、巨大青狼に剣を向ける。膝も手も剣先も恐怖でぶるぶると震えているが、逃げる訳にはいかない。

「ソウマ君!」

「言うな!言わないでくれ~!(涙)」

「ソウマ君、女の子になってる!」

「……あう!」

 TS問題をスッカリ忘れていました……(涙)。銀髪美女のバニーガール……。其れが着装後の僕の姿だった……。

「ち、小さいこと事は気にしないで行こう!」

 戸惑っていた僕に巨大青狼が襲いかかってきた。頭の長い刀の角で僕を突き刺す。

「「ひっ!」」

 腰砕けで体を丸めるが、刀の角が僕に突き刺さる事は無かった。強く瞑った目を開けると刀の角は背中から前方に伸びたリボンに受け止められていた。

 アクティブディフェンスシステム。巨大青狼の禍々しい巨大な刀の角冴えも受け止め、慣性制御システムによってその勢いも完全に中和している。神装鎧のディフェンスシステムが僕を守ってくれていた。

 巨大青狼は後方に下がる。銀髪美女TS問題は後で考えよう!

 そしてコイツの攻撃を防御しただけで僕のレベルが上がって行くのが分かる。多分ステータスウィンドウのコメント欄に『レベルが上がりました』みたいなコメント表示がバンバンされてピコピコ上がっている。そんな感覚だ。
 パーティーの加護の恩恵でキョウカさんもピコピコとレベルが上がっている筈だ。
 それだけコイツが強敵って事だ。

「や、やれそうだ!ぼ、僕が此奴こいつを引き付けるから、キョウカさんは隙を見て攻撃宜しく!」

「は、はい!」

 キョウカさんは僕の後方で聖剣グラムアルキュルスを空間収納袋から引き抜く。

 巨大青狼は前足を屈め、体に生えている刀を何十本と僕の方に飛ばしてきた。

「ひぇや~~~!」

 ブロードソードを立てて逃げ腰になるが、2本のリボンが次々に飛来する刀を叩き落としてくれる。す、凄い優秀だよリボンちゃん!
 また僕達のレベルがピコピコ上がる。

 巨大青狼は前屈みから後ろ足を蹴って跳躍し、頭の長い巨刀でまた僕を刺し殺そうと襲いかかってきた。

 重さにして1トン近くはあるだろう巨体をまたしてもリボンが受け止める。更にその衝撃は慣性制御システムが中和した。

 巨大青狼はそこから大きく口を開け僕を呑み込もうとするが、巨大な牙を持つ顎はリボンによって上下抑えつけられた。

 其所にスキが生じる。

「今だキョウカさんッ!」

「縮地!」

 キョウカさんは聖剣グラムアルキュルスを突き出しながら縮地で一気に間合いを詰めて、巨大青狼の大きく開かれた顎に刃を突き刺す。

 僕達のレベルが鰻登りにピコピコピコピコピコピコ~と上がっていく中、巨大青狼はドスンと倒れ、絶命していた。

「か、勝った…………」

「か、勝ちましたね……」

「「勝ったーーーーーーーッ!!!」」

 僕達は極度の緊張と恐怖から解放されて膝からカクンと倒れた。其れでも抱き合って異世界バトルの勝利を喜びあった。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

文字変換の勇者 ~ステータス改竄して生き残ります~

カタナヅキ
ファンタジー
高校の受験を間近に迫った少年「霧崎レア」彼は学校の帰宅の最中、車の衝突事故に巻き込まれそうになる。そんな彼を救い出そうと通りがかった4人の高校生が駆けつけるが、唐突に彼等の足元に「魔法陣」が誕生し、謎の光に飲み込まれてしまう。 気付いたときには5人は見知らぬ中世風の城の中に存在し、彼等の目の前には老人の集団が居た。老人達の話によると現在の彼等が存在する場所は「異世界」であり、元の世界に戻るためには自分達に協力し、世界征服を狙う「魔人族」と呼ばれる存在を倒すように協力を願われる。 だが、世界を救う勇者として召喚されたはずの人間には特別な能力が授かっているはずなのだが、伝承では勇者の人数は「4人」のはずであり、1人だけ他の人間と比べると能力が低かったレアは召喚に巻き込まれた一般人だと判断されて城から追放されてしまう―― ――しかし、追い出されたレアの持っていた能力こそが彼等を上回る性能を誇り、彼は自分の力を利用してステータスを改竄し、名前を変化させる事で物体を変化させ、空想上の武器や物語のキャラクターを作り出せる事に気付く。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

ペット(老猫)と異世界転生

童貞騎士
ファンタジー
老いた飼猫と暮らす独りの会社員が神の手違いで…なんて事はなく災害に巻き込まれてこの世を去る。そして天界で神様と会い、世知辛い神様事情を聞かされて、なんとなく飼猫と共に異世界転生。使命もなく、ノルマの無い異世界転生に平凡を望む彼はほのぼののんびりと異世界を飼猫と共に楽しんでいく。なお、ペットの猫が龍とタメ張れる程のバケモノになっていることは知らない模様。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

処理中です...