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一等星に届く黒い翼
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一等星に届く黒い翼
人は死して星になり私たちを見守ってくれている。
これが本当なら今、あの中に彼女が居るんだろうか。
俺は見つけられているだろうか。
君は俺を見てくれてるだろうか。
アンデッド「…宙歌」
宙歌「んー?」
アンデッド「人は死んだら星になる…ってどう思う?」
宙歌「どう思うって…ほんとかどーかってこと?」
アンデッド「ん」
宙歌「そんなの私にも分からないよ」
アンデッド「…そっか」
宙歌「でも信じる分には好きにしていいんじゃないかな?自分の意思なんて誰も邪魔できないんだから!」
アンデッド「そう…だよな」
宙歌「ステラさんだっけ?前ここで一緒に星を見てた人」
アンデッド「うん…出会いはお前と変わんないけどな」
宙歌「そりゃ…ずっとここで星見てる人が居たら気になって話しかけちゃうよ」
アンデッド「間違いないや」
宙歌「ねぇ」
アンデッド「ん?」
宙歌「ステラさんってどんな人?」
アンデッド「とにかく星に詳しかったな…星を見てる時はいつも楽しそうでここに来る時にはいつも笑顔で俺の名前を呼んでくれた」
宙歌「…好きだった?」
アンデッド「好きだったよ」
宙歌「きゃっ」
アンデッド「…なんでお前が照れるんだよ」
宙歌「だ、だって…そんなハッキリ言うとは思わなかったから…」
アンデッド「恋バナとか照れるタイプなんだな」
宙歌「恋バナっていうか…アンデッドとステラさんの話は好きなんだ」
アンデッド「なんで俺ら…?」
宙歌「前教えてくれたじゃん?アンデッドは不死身なんでしょ?」
アンデッド「…うん」
宙歌「不死身の人と普通の人が星を通してお互いに好意を向け合うってさ…なんか素敵じゃん!」
アンデッド「…そういうもんか」
宙歌「でもさ、ステラさんにさえ黙ってたのにどうして私にはあっさり打ち明けてくれたの?」
アンデッド「手紙もらった時に色々な考えが頭の中に浮かんできてな…もしかしたら俺が人間じゃないのに薄々気づいて怖くなって逃げちまったのかなって…」
宙歌「…」
アンデッド「こんなこと言うのも気持ち悪いかもしんないけど…お前とティラは何処か似てる気がするんだ」
宙歌「私とステラさんが…?」
アンデッド「重ねるつもりは無いのにどこか重ねて…また失うのが怖いからこうやって伝えて…ずるいよな」
宙歌「…ないよ」
アンデッド「え?」
宙歌「そんなことない!伝えてくれて凄く嬉しかったよ…普通ならそういう秘密を打ち明けるのなんて恐怖たくさんなのに…」
アンデッド「宙歌…」
宙歌「それに私は不死身って知っても全然怖くなんてなかったよ」
アンデッド「…」
宙歌「きっと…ステラさんもそう思ってるよ」
アンデッド「ありがとな」
宙歌「ううん、全然いいの。それに重ねてるって言われても全然嫌な思いしないよ?だってそれくらいステラさんの事が好きだってことだもんね」
アンデッド「…!!」
宙歌「何百年も…ううん、きっと何千年もずっと1人で生きてきてはじめて好きになった人だもんね」
アンデッド「あぁ…あぁ…!!」
宙歌「よしよし。今日は思う存分泣いていいよ」
その日は涙が溢れ続けて止まらなかった。
何千年も生きてきた中での想いが
もう君に会えない悔しさが
溜まってた物が涙に乗ってひたすらに流れる。
アンデッド「…ん?」
烏「――?」
アンデッド「烏…こんなに人に近づくなんて珍しいな…って俺人じゃねぇか」
烏「――♪」
アンデッド「!(触れた…警戒心がまだそこまで無い)」
宙歌「何してるの?アンデッド」
アンデッド「見ろよ宙歌、烏だ。不死身懐っこいぞ」
宙歌「なにそれ…でも可愛いね」
アンデッド「あぁ…翼か。俺にもあれば星まで飛べたりしたのかな…?」
宙歌「うん、きっと飛べたよ」
アンデッド「1つお願いしていいかー?烏坊」
烏「――?」
アンデッド「もしあのたくさんの星空まで飛ぶことが出来たら…大きな声で鳴いてくれるか?頼りにしてるぞ」
烏「――カァ!」
宙歌「行っちゃったね」
アンデッド「あぁ」
宙歌「頼み事…叶えてくれるといいね!」
アンデッド「烏坊なら大丈夫さ」
宙歌「そっか…ねぇアンデッド」
アンデッド「…?」
宙歌「生き物は死んだら星になるよ。」
アンデッド「え…?」
宙歌「死んだら星になる。アンデッドはどうしたい?」
アンデッド「どうしたいって…俺は死ねなくて」
宙歌「…」
アンデッド「…死んで星になるなら、不死身の俺でも死ぬ手段があるんなら…俺は――」
宙歌「…わかった。またねあんくん」
アンデッド「!?今―」
目の前は真っ暗だった。意識も朦朧としてる。
今自分が何処にいるのか。
これからどうなるのか。
最後に聞いたあの言葉の意味は。
たくさんの意識の中で鮮明に想ってた…
【ティラ…君に会いたい】
?「…くん?あんくん?」
アンデッド「…?」
ステラ「あんくん!」
アンデッド「ティラ…?」
ステラ「…久しぶりっ」
アンデッド「…!!」
ステラ「わわっ…あんくん…?」
アンデッド「なんで…なんでまた…会えた…!!」
ステラ「…うん!またあんくんに会えた。ありがと」
アンデッド「…?」
ステラ「涙を流してくれて…ハグをしてくれて…そして何より好きって言ってくれて…ありがと!」
アンデッド「俺も…待っててくれてありがとう」
ステラ「うん!…それとごめんね」
アンデッド「?」
ステラ「あの日…急に居なくなって…実は」
アンデッド「言わなくていいよ」
ステラ「…でも」
アンデッド「またこうやって会えたんだから…掘り返す必要も無いよ」
ステラ「…そっか」
烏「――カァ!」
アンデッド「烏坊!お前なんでここに」
烏「――カァーーーカァーーー!!!」
アンデッド「…今」
「もしあのたくさんの星空まで飛ぶことが出来たら…大きな声で鳴いてくれるか?頼りにしてるぞ」
アンデッド「そっか…そっか…!!」
ステラ「…耳貸してあんくん」
アンデッド「…?」
ステラ「ずっと好きでした」
アンデッド「…俺も好きだよ」
『私は1人の唯の人間でした』
【不死身でずっと1人だった】
時間を埋めてくれたのは君だけだった
今までも―そしてこれからも――。
人は死して星になり私たちを見守ってくれている。
これが本当なら今、あの中に彼女が居るんだろうか。
俺は見つけられているだろうか。
君は俺を見てくれてるだろうか。
アンデッド「…宙歌」
宙歌「んー?」
アンデッド「人は死んだら星になる…ってどう思う?」
宙歌「どう思うって…ほんとかどーかってこと?」
アンデッド「ん」
宙歌「そんなの私にも分からないよ」
アンデッド「…そっか」
宙歌「でも信じる分には好きにしていいんじゃないかな?自分の意思なんて誰も邪魔できないんだから!」
アンデッド「そう…だよな」
宙歌「ステラさんだっけ?前ここで一緒に星を見てた人」
アンデッド「うん…出会いはお前と変わんないけどな」
宙歌「そりゃ…ずっとここで星見てる人が居たら気になって話しかけちゃうよ」
アンデッド「間違いないや」
宙歌「ねぇ」
アンデッド「ん?」
宙歌「ステラさんってどんな人?」
アンデッド「とにかく星に詳しかったな…星を見てる時はいつも楽しそうでここに来る時にはいつも笑顔で俺の名前を呼んでくれた」
宙歌「…好きだった?」
アンデッド「好きだったよ」
宙歌「きゃっ」
アンデッド「…なんでお前が照れるんだよ」
宙歌「だ、だって…そんなハッキリ言うとは思わなかったから…」
アンデッド「恋バナとか照れるタイプなんだな」
宙歌「恋バナっていうか…アンデッドとステラさんの話は好きなんだ」
アンデッド「なんで俺ら…?」
宙歌「前教えてくれたじゃん?アンデッドは不死身なんでしょ?」
アンデッド「…うん」
宙歌「不死身の人と普通の人が星を通してお互いに好意を向け合うってさ…なんか素敵じゃん!」
アンデッド「…そういうもんか」
宙歌「でもさ、ステラさんにさえ黙ってたのにどうして私にはあっさり打ち明けてくれたの?」
アンデッド「手紙もらった時に色々な考えが頭の中に浮かんできてな…もしかしたら俺が人間じゃないのに薄々気づいて怖くなって逃げちまったのかなって…」
宙歌「…」
アンデッド「こんなこと言うのも気持ち悪いかもしんないけど…お前とティラは何処か似てる気がするんだ」
宙歌「私とステラさんが…?」
アンデッド「重ねるつもりは無いのにどこか重ねて…また失うのが怖いからこうやって伝えて…ずるいよな」
宙歌「…ないよ」
アンデッド「え?」
宙歌「そんなことない!伝えてくれて凄く嬉しかったよ…普通ならそういう秘密を打ち明けるのなんて恐怖たくさんなのに…」
アンデッド「宙歌…」
宙歌「それに私は不死身って知っても全然怖くなんてなかったよ」
アンデッド「…」
宙歌「きっと…ステラさんもそう思ってるよ」
アンデッド「ありがとな」
宙歌「ううん、全然いいの。それに重ねてるって言われても全然嫌な思いしないよ?だってそれくらいステラさんの事が好きだってことだもんね」
アンデッド「…!!」
宙歌「何百年も…ううん、きっと何千年もずっと1人で生きてきてはじめて好きになった人だもんね」
アンデッド「あぁ…あぁ…!!」
宙歌「よしよし。今日は思う存分泣いていいよ」
その日は涙が溢れ続けて止まらなかった。
何千年も生きてきた中での想いが
もう君に会えない悔しさが
溜まってた物が涙に乗ってひたすらに流れる。
アンデッド「…ん?」
烏「――?」
アンデッド「烏…こんなに人に近づくなんて珍しいな…って俺人じゃねぇか」
烏「――♪」
アンデッド「!(触れた…警戒心がまだそこまで無い)」
宙歌「何してるの?アンデッド」
アンデッド「見ろよ宙歌、烏だ。不死身懐っこいぞ」
宙歌「なにそれ…でも可愛いね」
アンデッド「あぁ…翼か。俺にもあれば星まで飛べたりしたのかな…?」
宙歌「うん、きっと飛べたよ」
アンデッド「1つお願いしていいかー?烏坊」
烏「――?」
アンデッド「もしあのたくさんの星空まで飛ぶことが出来たら…大きな声で鳴いてくれるか?頼りにしてるぞ」
烏「――カァ!」
宙歌「行っちゃったね」
アンデッド「あぁ」
宙歌「頼み事…叶えてくれるといいね!」
アンデッド「烏坊なら大丈夫さ」
宙歌「そっか…ねぇアンデッド」
アンデッド「…?」
宙歌「生き物は死んだら星になるよ。」
アンデッド「え…?」
宙歌「死んだら星になる。アンデッドはどうしたい?」
アンデッド「どうしたいって…俺は死ねなくて」
宙歌「…」
アンデッド「…死んで星になるなら、不死身の俺でも死ぬ手段があるんなら…俺は――」
宙歌「…わかった。またねあんくん」
アンデッド「!?今―」
目の前は真っ暗だった。意識も朦朧としてる。
今自分が何処にいるのか。
これからどうなるのか。
最後に聞いたあの言葉の意味は。
たくさんの意識の中で鮮明に想ってた…
【ティラ…君に会いたい】
?「…くん?あんくん?」
アンデッド「…?」
ステラ「あんくん!」
アンデッド「ティラ…?」
ステラ「…久しぶりっ」
アンデッド「…!!」
ステラ「わわっ…あんくん…?」
アンデッド「なんで…なんでまた…会えた…!!」
ステラ「…うん!またあんくんに会えた。ありがと」
アンデッド「…?」
ステラ「涙を流してくれて…ハグをしてくれて…そして何より好きって言ってくれて…ありがと!」
アンデッド「俺も…待っててくれてありがとう」
ステラ「うん!…それとごめんね」
アンデッド「?」
ステラ「あの日…急に居なくなって…実は」
アンデッド「言わなくていいよ」
ステラ「…でも」
アンデッド「またこうやって会えたんだから…掘り返す必要も無いよ」
ステラ「…そっか」
烏「――カァ!」
アンデッド「烏坊!お前なんでここに」
烏「――カァーーーカァーーー!!!」
アンデッド「…今」
「もしあのたくさんの星空まで飛ぶことが出来たら…大きな声で鳴いてくれるか?頼りにしてるぞ」
アンデッド「そっか…そっか…!!」
ステラ「…耳貸してあんくん」
アンデッド「…?」
ステラ「ずっと好きでした」
アンデッド「…俺も好きだよ」
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