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深窓の姫騎士
しおりを挟む不思議な風采の目の前の女性に、セレスティンは心から感謝した。
髪と瞳は、この世界では見たこともない漆黒色で、光に当たるたびに浮かぶ7色の光彩が美しかった。
整った顔立ちは少女めいて見えるのだが、少年のようにも見える。
うなじの辺りでバッサリと切り落とされた髪と、細すぎる肢体はどう見ても少年のそれだったのだが、よく見れば微かな膨らみも見てとれて。
しかし歴とした成人、しかも齢30を越えるというではないか。
セレスティン達の倍は生きていることになる。
少女と少年の境目。
子供と大人の境界線上にいるような、不思議な風貌の人だった。
セレスティンは、長い旅路のなかでも、こんな風貌の民族に出会ったことは無い。
異世界人だというのもうなずける。
「じゃあさ、アキラも僕に様なんてやめてよ。
なんだか、くすぐったいや。」
「あはは、じゃあ改めてよろしくね、マルス!」
「うん!よろしく! アキラ!」
「…では、アキラ。 心よりの感謝を込めて、その手に祝福をさせてくださいませ。」
そうセレスティンは言うと、恭しく晶の手をとり優しく接吻した。
晶は完全に面食らっており、まるでお姫様みたい、と感嘆の声をあげている。
「あれ?言わなかったけ? セレスティンは、シエル国の第一皇女。歴としたお姫様だよ。
しかも、とんでもない剣の腕前なんだ!」
今度は晶が悲鳴をあげた。
◆◆◆
お、驚いたー!
まさか深窓のお姫様が、魔王を倒す旅の仲間だったなんて!
しかも、凄腕の剣士だなんて!
あれか。
姫騎士ってやつか。
はー………、それにしても………、綺麗な子だなぁ………。
地球のどの民族とも違う。
異世界なんだなーって、実感するわー。
まさに、傾国の乙女だわね。
見惚れてたら、背後からいきなり蹴り飛ばされた!?
いったーい!
もう!
今のはリュインの仕業ね!
なにすんのよ!
振り向いた瞬間、背筋が凍った。
私がさっきまで居た場所が、真っ黒に焦げているんだもの…!
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